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    <title>路地裏ダイヤモンド</title>
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    <updated>2008-05-06T19:58:42Z</updated>
    <subtitle>吉川晃司の連載エッセイ　蘭心竹生 ～Second Season～</subtitle>
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    <title>第39回　渋谷区本町、代々木周辺</title>
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    <published>2008-05-06T19:40:37Z</published>
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    <summary>歌うリングがあれば俺は立つ 　吉川晃司主演ミュージカル『SEMPO†日本のシンド...</summary>
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        <name>吉川晃司</name>
        
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            <category term="渋谷区" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>歌うリングがあれば俺は立つ</h3>

　吉川晃司主演ミュージカル『SEMPO－日本のシンドラー杉原千畝物語－』の東京公演は、大成功のうちに幕を閉じた。久しぶりの路地裏ウオーキングのために集ったのは、通いなれた新国立劇場のある初台の近く。まずは吉川に、舞台を終えての心境を聞いてみた。連日感動の涙を誘ったステージで、何を思い、歌っていたのか。]]>
        <![CDATA[「いやー、なんとかなってよかったなっていう感じだね」。そう言うと吉川は、ふっと安堵の表情を浮かべた。
「緊張したのは初日だけだったけど、慣れちゃいけないということだけはずっと思ってた。千畝さんの人生っていうのは“芝居”で見せられるものじゃないから、僕の中にあるある種の正義感とか愛みたいなものをできるだけ掘り起こして千畝さんに近づけていくことでしかできない。慣れて芝居するようになったら終わりだなと思っていたけど、慣れるどころかだんだん怖くなってくる。

　当時、軍国主義の日本で、国の指令に背いてビザを出すことは、ドイツと同盟関係にあった日本に不利益をもたらすことになるかもしれない。それは日本国民を窮地に追い込む怖さも孕んでるわけで、千畝さんはどれほど苦悩したんだろうっていうのを、やればやるほど考えた。でも、その間にも難民となったユダヤ人がどんどん増えていく。千畝さんは6000人を助けたけど、助けられなかった人たちの群れが、千畝さんがそこを去る時汽車を追いかけてきたっていう話だから。

　それを見たとき、千畝さんはある意味人間を超えたような気がするんだよね。ご本人は、“迷った時間がなければもっと助けられた”とずっとおっしゃってたって。千畝さんの部下だった人が観に来てくれて、楽屋で話したんだけど、ずっと泣いてるんだよ。あの人は本当にいい人だった、あの人の名誉を回復したかった、ありがとう、ありがとうってずっと泣いてるから、こっちももらい泣きしちゃって。そういう方々の思いというか願いに少しでも助力できたことはよかったかなと思ったけどね。まあ、ひとつ困ったことがあるとすれば、俺もいい人と思われると、あんまり悪いことできなくなっちゃうなって（笑）」

　そこで笑いを交えるのはいかにも吉川らしい。話す瞳は心なしかうるんではいたのだが。

「正直、ミュージカルだけは生涯ないと思ってた」と、吉川は言う。「でも、これは千畝さんの話ということで、ミュージカル云々じゃないとも思ったし、違う側面から考えると、歌って、ロックだろうがミュージカルだろうがクラシックだろうが演歌だろうが関係ないじゃないかと。歌は歌なんだよと。そこに歌うリングがあるから俺は立つ、でいいんだなと思った。ルールがちょっと違うだけで、歌というリングだったら、どこに立ってもそれは吉川晃司なんだっていうことでいいんだってね」

　この日の日差しはまさに春真っ盛りの暖かさで、外は新緑の季節を迎えようとしていた。
　新国立劇場のすぐ裏手にある立ち食いそば屋も、足を運んだ思い出の地である。といっても一番覚えているのは、400円の『かき揚げソバ』の、かき揚げの巨大さ。舞台の話から一転、いつものウオーキング態勢に戻った吉川は、「ほら、これ」と、携帯の写メで撮った写真を見せてくれた。「一回は食べた方がいいよ。オヤジが目の前で揚げてくれるから熱々だしね」

　ここ初台周辺もこれまでなじみがないと思いきや、「結構歩いてる」ということで、さすがは歩きマイスターである。まずはちょっと足を延ばし、参宮橋近くにある吉川おすすめの『刀剣博物館』に向かうことになった。
<p class="continue">（つづく）</p>

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/39-1.jpg" rel="lightbox[039]" width="235" height="235" title="ボリューム満点の野菜かき揚げがのって400円は安い！"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/39-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="ボリューム満点の野菜かき揚げがのって400円は安い！" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
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    <title>第38回　足立区・竹ノ塚</title>
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    <published>2008-04-14T17:11:36Z</published>
    <updated>2008-04-14T17:51:57Z</updated>
    
    <summary>この道も正義へ通じる 「前に北千住から日光街道を歩いたときは、とりあえず県境を越...</summary>
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        <name>吉川晃司</name>
        
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            <category term="足立区" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>この道も正義へ通じる</h3>

「前に北千住から日光街道を歩いたときは、とりあえず県境を越えてみようと思ったんだよ。徒歩で越えるのって、何となくおもしろいじゃない。神奈川との境も、千葉との境も歩いて越えたことがあるから、それなら埼玉だと。で、たまたま“春日部はクレヨンしんちゃんの地元だ”ってことを思い出して、草加に行って草加せんべいでも食って帰ろうってことで歩きだしたんだけど、これが結構時間かかった」]]>
        <![CDATA[日光街道を北上しながら、吉川は数年前にここを歩いた理由を説明する。

　ゆっくり歩くお年寄りを通り越しながら、「ちいさいおばあちゃんに会うと、なんとなくありがたい感じがするよね」。お茶屋の前を通りかかると、「そろそろ新茶の季節だね。うまいよー、静岡の一番茶は。何杯入れても渋くならない」。

　乾物屋の前では「渋いねぇ」と言いながら足を留め、古道具屋の店先に置かれた陶器の火鉢に興味津々。露天の煎餅屋で塩味の揚げ煎餅を買い、ポリポリかじりながら、以前見つけたという「着ぐるみ屋」を目指す。

「こんなに遠かったかな。マンションの１階みたいなところに巨大なぬいぐるみの店が現れて、何だこれ？　と思って見たら、着ぐるみ屋だった。確かこの辺りだと思うけど…あった、ここ！」。吉川の言う通り、それはまぎれもなく着ぐるみ屋だった。「ヘッドラインでもキャラクター募集して作ってみたら？」。微妙な提案だが、いちおう考えてみましょう。

「そろそろ将棋の公園があるよ。前に来たときも、千住から歩いて腹が減って、角の寿司屋で寿司を買って、あっちの方に木が見えるから多分公園だろうって、そこで食べようと思ったら、公園中でおじさんたちが将棋をやってて、おもしろいとこだなと思ったんだよ」

　たどり着いた元渕江公園では、その日も大勢の人が将棋をさしていた。近隣住民のいこいの場になっているのは一目瞭然で、公園のあるべき姿がそこにあった。「こういうのって、いい感じだよね」。ベンチに座り、ほっと一息。しばし暮れゆく広い空を眺めた。

　本来ならそこから県境を目指すのだが、稽古中の吉川にはまだ仕事が残っていたため、残念ながらこの日はここで時間切れ。その後北千住に戻り、取材スタッフとビールを一杯飲み干し、吉川は軽やかな足取りで稽古後の会合へと向かって行った。

◆　◆　◆ 
　そして4月4日、吉川は新国立劇場中ホールで、主演ミュージカル『SEMPO－日本のシンドラー 杉原千畝物語－』の初日を迎えていた。

　物語のイントロダクションとなる第1幕では吉川の出番は少ないが、だからこそ、その存在感は際立ってみえる。異国に紛れ込んだひとりの日本人外交官が、人との交流の中でしだいに変化し、自分はどう生きるべきかを模索する。抑えた演技からしだいに感情を高ぶらせ、1幕の最後でSEMPOの思いを歌い上げる場面は圧巻だ。

　そして第2幕。吉川は、時に壮大に、時に自らの心に歌いかけるようにさまざまなナンバーを聴かせる。その歌声は感動的で、演じるSEMPOのひたむきさを強く感じさせるものだった。終演後の楽屋。

　素晴らしかったことを伝えると、「ホント？ でもまあ大変だけど、みんなでひとつのものを作り上げるのは楽しいし、千畝さんの役だったから心情的にやりやすかったことはあったね。こんな日本人もいたんだと思うし、ほら、俺って、正義とか大好きだから」

　ミュージカル『SEMPO』は、ナチスドイツから迫害された人々約6000人に、命のビザを書き続けたひとりの外交官の勇気と決断の物語。歴史の路地裏にさした一筋の光を演じることは、やはり吉川に似合っていた。
＊公演は同所で22日まで。その後、名古屋、神戸公演も行われる。

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<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/38-1.jpg" rel="lightbox[038]" width="235" height="235" title="変わりゆく街に残る民家"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/38-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="変わりゆく街に残る民家" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/38-2.jpg" rel="lightbox[038]" width="235" height="235" title="気ぐるみレンタルもOK"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/38-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="気ぐるみレンタルもOK" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/38-3.jpg" rel="lightbox[038]" width="235" height="235" title="将棋場と化す元渕江公園"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/38-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="将棋場と化す元渕江公園" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
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</div>




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    <title>第37回　足立区・千住大橋～千住新橋</title>
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    <published>2008-03-24T21:22:35Z</published>
    <updated>2008-03-24T21:32:05Z</updated>
    
    <summary>2008年の『奥の細道』ウオーキング 　吉川晃司主演のミュージカル『SEMPO†...</summary>
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        <name>吉川晃司</name>
        
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        <![CDATA[<h3>2008年の『奥の細道』ウオーキング</h3>

　吉川晃司主演のミュージカル『SEMPO－日本のシンドラー 杉原千畝物語－』の稽古場は北千住にある。4月4日の初日に向け、その日は第1幕の通し稽古が行われていた。間近で見る役者たちの演技は、ストーリーと相まって迫力十分。大人数でのコーラスや群舞は、稽古といえど引き込まれるパワーがある。]]>
        <![CDATA[　そして吉川が登場すると、その存在感に目を見張る。スター性という言葉で説明できないものを感じた瞬間だった。　

　出番の合間、路地裏スタッフの姿を見つけた吉川が歩み寄ってきた。衣装の中折れ帽を手でつまみ、「ごきげんよう」と、芝居さながらの挨拶をする。そしてその帽子をスタッフの頭にちょこんと乗せた。ロッカーにとってアウェイの場所での、ちょっとした照れ隠しなのだろう。「なかなか慣れないけど、とまどいながらも面白くなってきたよ」。1幕の最後には、吉川がSEMPOの思いを歌いあげるシーンがある。「生まれてから踊らないで歌ったことがないからね」。吉川の言葉に共演者が笑う。なごやかな雰囲気の中、異質なものを輝かせる“SEMPO”カンパニーの職人の妙を見た思いだった。

「3、4年くらい前に、北千住から荒川を渡って埼玉との県境を越えて草加のほうまで歩いたことがあるけど、そのルートを行ってみる？」。ウオーキング用のジャージに着替え、窓のない稽古場を出ると、外には春めいた日差しが満ちていた。

　まずは北千住駅前の交番に立ち寄り、何キロのコースになるかを確認。するとお巡りさんが面白い情報を教えてくれた。「千住大橋の下に、千住小橋ってあるの知ってますか？」「千住小橋？　あはは、面白いね、行ってみよう！」。

　しかし現地に着くと、なかなかそれらしいものが見あたらない。橋近くの交番でさらに尋ねたが「そんなのは知らない」と言う。「駅前のお巡りさん、話しながらニヤッと笑ってたからね…」。そう言いながら大橋の下に出る階段を下りると……「えっ！まさかこれ？」。近寄ると、そのまさかが『千住小橋』だった。笑いながら橋を渡り、看板に書かれたこの界隈のいわれを読む。

　千住は松尾芭蕉が『奥の細道』に旅立った矢立の地としても有名だ。橋の近くには芭蕉の碑があり、その昔『やっちゃ場』として栄えた名残りの看板が立ち並んでいる。

「古い看板を残すアイデアはおもしろいよね。ただ芭蕉に関しては、下町のほうを歩くと奴さんだらけだから。休んだ場所とか、一句詠んだ場所とか。ここは本物だろうけど、俺としては“芭蕉には気をつけろ（笑）”。でも、ここから出立して長い距離を歩いたことを考えると、昔の人は健脚だね。でもそれって、ちょっとした価値観の違いだけかもしれない。今は俺も歩き慣れてるから、片道5キロと言われても近いじゃんって思っちゃう。でも歩き出す前は、5キロなんて勘弁してよって思ってたから。ペルーに行ったときも、じいさんや子供が毎日隣町まで歩いて往復してるって言ってたけど、隣町って俺たちが2日前に泊まったとこで、そこを1日で往復する。彼らにとっては生まれたときからそうだから何ともないんだよ。辛くないの？って聞いたら、なんで？って言われたからね。だからいつも言うけど、文明という名の堕落って何だろうと思うよ」

　千住まで来ると都心のせせこましさはなく、空は広い。そこから日光街道をひたすら歩き、数年前に吉川が目撃した「着ぐるみ屋」と「おじさんたちが大挙して将棋をさす公園」を目指す。荒川にかかる千住新橋を渡り、振り返ると壮観な東京の町並みが広がっていた。
<p class="continue">（つづく）</p>

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/37-1.jpg" rel="lightbox[037]" width="235" height="235" title="首都高入谷出口先で見つけたうなぎ屋。旨い！"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/37-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="首都高入谷出口先で見つけたうなぎ屋。旨い！" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/37-2.jpg" rel="lightbox[037]" width="235" height="235" title="吉川もお気に入り。『やっちゃ場』の名残りの看板"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/37-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="吉川もお気に入り。『やっちゃ場』の名残りの看板" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/37-3.jpg" rel="lightbox[037]" width="235" height="235" title="千住新橋を渡り、振り返ると見える東京の風景"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/37-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="千住新橋を渡り、振り返ると見える東京の風景" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>

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    <title>第36回　港区西麻布～乃木坂</title>
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    <published>2008-03-10T14:54:57Z</published>
    <updated>2008-03-10T15:05:50Z</updated>
    
    <summary>夕日スポットと男の生き方と 　西麻布の『北海園』で遭遇した57歳のオウムの名前は...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
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            <category term="港区" />
    
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        <![CDATA[<h3>夕日スポットと男の生き方と</h3>

　西麻布の『北海園』で遭遇した57歳のオウムの名前はクインドーといった。人生の先輩・クインドーに別れを告げ、外苑西通りを横切って到達したのは青山公園。真横に広がる青山墓地が有名なため見逃してしまいがちな公園だが、だから穴場にもなるわけで、たまにエクササイズをしに来ることもあるという。]]>
        <![CDATA[「土のエリアがあるからね。足にもいいし、バック転の練習もやれたりしてね」
　サクサクサク、と落ち葉を踏みしめながら奥へ進み、小山を登ると、なんと目の前に現れたのは米軍基地のヘリポート。

「不思議な絵柄でしょ」

　確かに案内されなければ目にすることはなかっただろう。これもまた東京の風景のひとつなのだ。

　外苑西通りに戻り、青山方向に進むと、右手には都心の新名所・国立新美術館。波打つ壁面が午後の淡い光を反射している。横断歩道を渡り、さらに進んだところで吉川はひょいと歩道橋の階段を登り始めた。
「風景写真を撮る人の間では有名なスポットだけど、夕日がきれいに見える場所を教えるよ」
　歩道橋を登り切ると、車用に作られた乃木坂トンネルの脇に出た。そこでくるりと振り返ると、青山墓地の木々の上に青空が広がっていた。

「ここは本当に夕日がきれいだよ。写真サイズで切り取ると、右下にはトンネルの無機質なドーム形の屋根が写って、その向こうに森が見えたりして、ちょっと『ブレードランナー』みたいな近未来的な感じになる。1年のうち何日かはその空の真正面に夕日が沈むから、季節になるとカメラマンがみんな三脚立てて待ってるんだよ。空気が澄んでると確か富士山も見えたと思うけど、だんだんビルが建ってかき消されてきてるね。それでも秋は遠くの木々が紅葉してきれいだよ。春は青山墓地の桜が満開になるけど、俺としては秋のほうが全然いいと思う。哀愁漂うというか、人生もしだいに秋に入ってきてるから、そういうものに敏感になるのかもしれない。若いうちは桜のほうがきれいに見えるんだろうなと思ったりするからね。まあ、夕日は若いころから好きだったけど、朝日とは色が違うというか、やっぱり何かを捨てに来るとか、自分の内なる思いと対峙する感じがするよね。朝日も悪くはないけど、それはじいさんになってからでいいかなと。今も生活はかなりじいさんだけどね。最近は7時ごろに朝飯食ってるから（笑）」

　そこでまたくるりと振り返ると、乃木坂の路地裏へと吉川は足を進めた。「ほらこれ見て！」。指し示す先の道路の植え込みの中には、猫のマンションとおぼしき箱が点在している。「天気がいい日は、このへんの路地で猫がひなたぼっこしてるよ」。人の手が施されている猫用の箱の存在は、この街が野良猫に好意的な場所であることも示しているようだ。都心の割りには人の出入りが少なそうな静かなエリア。路地裏には古いお茶屋も残っていた。

　外苑東通りに出て、乃木希典の住居跡を見学。古い時代の住居を訪れると吉川が必ずはくセリフが「こういう家に住みたい」。この日も例外なく「庭が広いのは理想的」「こういうところにスタジオがあったら最高なのに」というつぶやきが聞こえた

「明治天皇に殉死したことに関してはいろんな意見があるだろうけど、自身の意義や誇りに生きた人の話は、胸が熱くなるものがあるよね。大半の女性は“意義で飯が食えるのか”って言うけど、男ってそういう生き物だと思うよ。女性のように子孫を生み出せないから、結局は働き蜂でしょ。だから意義や誇りが必要なんだと俺は思うんだけどね」

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
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<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/36-1.jpg" rel="lightbox[036]" width="235" height="235" title="青山公園の一角にはこんな石碑もある"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/36-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="青山公園の一角にはこんな石碑もある" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/36-2.jpg" rel="lightbox[036]" width="235" height="235" title="乃木坂の路地裏で見つけた渋いお茶屋"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/36-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="乃木坂の路地裏で見つけた渋いお茶屋" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/36-3.jpg" rel="lightbox[036]" width="235" height="235" title="乃木神社ではちょうど梅が見ごろだ"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/36-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="乃木神社ではちょうど梅が見ごろだ" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>

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    <title>第35回　渋谷区恵比寿～広尾</title>
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    <published>2008-02-25T15:55:27Z</published>
    <updated>2008-02-25T16:04:07Z</updated>
    
    <summary>デートの思い出と武将に思いをはせる 　恵比寿の駒沢通り沿いにある『以久せ』という...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
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        <![CDATA[<h3>デートの思い出と武将に思いをはせる</h3>

　恵比寿の駒沢通り沿いにある『以久せ』という店は吉川のおすすめである。「この界隈では珍しい、料亭みたいな古っぽい雰囲気がいいでしょ。ランチは普通の値段だから、ちょっと昼飯食べようって、こんなとこに来るのも悪くないよね」。]]>
        <![CDATA[　駒沢通りを渡り、広尾方面に向かって裏道を歩くと、さらに吉川おすすめの『羽沢ガーデン』の前を通りがかった。残念ながらここは昨年クローズしてしまったが、樹々に囲まれた邸宅をレストランにしたもので、美しい大人の隠れ家だったのだ。

「夜にバーに行くと誰もいなかったりして、いい感じだと思ってたんだけどね。離れに個室があって、予約しておけば、京都の料理屋みたいな感じで仲居さんが料理を運んできてくれるとかね。イヤラシイ雰囲気だよねぇ（笑）」

　そういう話になると、吉川はいつも最初は口ごもる。しかしその後、照れを払拭する様子で一気に話してくれるのだ。

　この界隈、懐かしく思い出す場面は広尾の『F.O.B-COOP』にもあった。言わずと知れた輸入小物の草分けのようなショップだ。
「10代のころ、女の子とデートするのにここのカフェでよく待ち合わせさせられたね。ここで会って、小物を買ってから帰ろうとかいって、何回コーヒーとか紅茶を飲まされたか（笑）。でも俺、そういうのは結構つきあうんだよ。女の子ってのは洒落たいわけじゃない。レストランにしても、いつもと違う格好をして行く場所が欲しいわけでしょ。それはそれでつき合って、じゃあ次は俺の知ってる店に行こうって、浅草の煮込みの店とか連れていくと喜ぶよ。まあ、この店に関しては、女の子が小物好きなのは分かるからね。これとこれどっちがいい？って聞かれても、俺は正直どうでもいいんだけど、それを言うとアウトなんだよね。“人の話聞いてないでしょ”って（笑）」

　羽沢ガーデンから『F.O.B-COOP』へ向かう途中、この日は広尾商店街も通り抜けた。吉川は迷わず『祥雲寺』へと足を向ける。大名墓群があるこの寺で、吉川が向かうのは黒田長政の墓所。

「長政は黒田官兵衛の息子なんだけど、この官兵衛が天才軍師ですごかった。豊臣秀吉に仕えたから結局は織田信長の軍師でもあったわけで、信長は彼のおかげでいろんな城を落とせた。すごい戦略家で、織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も、自分じゃなく天下を取る人間がいるとしたら誰だっていうと、3人とも官兵衛の名前をあげてるんだよ。争乱に乗じて一度は天下取りを目論み、関ヶ原の戦いでは息子の長政をあえて徳川方に送ったんだよね。戦いが長引く間に自分は九州を落として、さらに攻め上がるというシナリオを頭に描いたみたいなんだけど、思いがけず息子の長政が大活躍しちゃって、あっという間に徳川が勝って戦いが終わっちゃった。自分の策略を息子に話したらもれると思って、言わないのがあだになったんだね。血は争えないというか、知らなかったとはいえ大活躍した息子も相当な策略家だったわけだね。だから仕事でつまった時なんかに参るんだよ。軍師って作戦を立てる象徴みたいなもんだから、知恵を貸してくれと。でも、いつ来ても誰かが墓参りに来た痕跡がなくて、寂しいね」

　デートの思い出話とは違い、武将話は一気にまくしたてた。「男ってこういう話が好きだから」。晴れた冬の日、2時間も歩けば軽く汗ばみ、お腹も空く。「昼飯、どうする？」。話し合った結果、西麻布の『北海園』へ。入り口で客を歓迎する店名物のオウムの年齢が57歳だったと聞き、驚きを隠せない吉川だった。
<p class="continue">（つづく）</p>

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/35-1.jpg" rel="lightbox[035]" width="235" height="235" title="羽沢ガーデンの入り口だったところ。「なくなるの残念だね」"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/35-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="羽沢ガーデンの入り口だったところ。「なくなるの残念だね」" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/35-2.jpg" rel="lightbox[035]" width="235" height="235" title="「一度入ってみたい」という広尾商店街路地裏の店"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/35-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="「一度入ってみたい」という広尾商店街路地裏の店" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/35-3.jpg" rel="lightbox[035]" width="235" height="235" title="「鳥って長生きしないよね」と話してたら、なんと57歳！"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/35-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="「鳥って長生きしないよね」と話してたら、なんと57歳！" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>



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    <title>第34回　港区南青山～渋谷区広尾</title>
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    <published>2008-02-11T15:17:04Z</published>
    <updated>2008-02-11T15:25:06Z</updated>
    
    <summary>ウーパールーパーと探偵物語 「ここはウチのファームなんだけどね」。青山学院大学の...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="港区" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>ウーパールーパーと探偵物語</h3>

「ここはウチのファームなんだけどね」。青山学院大学の裏手の一角。吉川の案内で住宅街を歩くと、貫録ある古風な民家に出くわした。「知り合いの家なんだけど、仕事で長期間いなくなる時に、事務所の植物とか金魚とかを預かってもらってる。土の庭があるし、大きい水槽もたくさんある家だからね」]]>
        <![CDATA[　今、そのお宅には、吉川がスタジオで飼っているウーパールーパーが預けられている。昨年秋に撮影でペルーに出向いた際に預けたもので、「結構大きくなっちゃって、うちの水槽じゃ狭くなってきてかわいそう」という理由で今も仮住まい中だ。

「あいつらは目がほとんど見えないから、冷凍キューブになった赤虫を食べやすい大きさに切って口の周りに持っていってやると、歯がない分ものすごい吸引力で吸い込む。でも、氷ってる餌だから飲み心地が悪いんだろうね、一度吸い込んでからペッペッと赤虫を2、3匹吐き出すのがバカすぎておかしいよ（笑）。手も最初は指がくっついてるのに、毎日動かしてるうちに動くようになってくる。子供のころからずっと見てるとおもしろいよ。餌をやるときに机を3回打つとか決めておくと。その音であがってくるからね。水中ではえら呼吸だけど、陸上だと肺が発達して肺呼吸になるとか、不思議な生き物だよ。食べると旨いらしく、それで数が激減しちゃって養殖が盛んになった。美味いとか、皮が重宝されるとか、すべては人間様のご都合しだいってわけ、おおよそ絶滅した生き物ってのは乱獲が主原因だという、傲慢な話だよね」

　六本木通りを恵比寿方向に渡り、坂を登ると、皇族の家の壁と隣りの塀の間が路地になっていた。何の意味もない路地でも、見つけたら入るのが吉川流。路地を抜けると右前方に国学院大学。その先にある氷川神社は、事務所の初詣で訪れた神社だそうだ。

「自分の初詣はいろんな神社に行ってるよ。毎日歩いてると、正月の三が日だけでも10や20の神社に出くわすから、それを一通り詣るというね（笑）」。この氷川神社には、今どき珍しい土俵もある。同行スタッフと「子供のころって必ず相撲大会があったよね」と、談笑する吉川だった。

　裏道りを明治通りへ向かう途中、一軒の魚屋を教えてくれた。『丸大魚店』という名前の古い魚屋だが、「表通りのスーパーより全然いい魚を売ってる。プライド持って商売してる」と、お墨付き。

　そして次に「おもしろいものを教える」と向かったのは、屋上を通って家に入る不思議なマンション。「傾斜地に立ってるからそうなったみたいだけど、内覧をやってる時に通りかかって、わざわざ見に行ったんだから。“ちょっと部屋探してるから見せてくれない？”って。一度屋上を通ってみたかったんだよね。礼を言ってすぐ帰ったら“もういいんですか？”って（笑）」

　そこから広尾高校前の信号に出て、駒沢通り方面へ向かいながらなだらかな坂を下る。歩きながら吉川は、もうひとつお気に入りだった場所の話をしてくれた。「このへんに、ドアの幅くらいしかない家があったんだよ。二階建てで、ものすごい細い。おかしな家だなと思って気に入ってたけど、ついになくなっちゃった。その家はね、もし自分が探偵物語みたいな映画とかプロモーションビデオを撮ることがあったら、絶対に住んでる設定にしようと思ってた。出入りするシーンでドア開けて出てきた時、家自体がそのまんまの大きさかよって思ったら笑えるでしょ」。そんな映像をぜひ見てみたかったと思ったが、それもまた時の流れである。
<p class="continue">（つづく）</p>

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<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/34-1.jpg" rel="lightbox[034]" width="235" height="235" title="吉川のウーパールーパはピンクと黒。これは別個体"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/34-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="吉川のウーパールーパはピンクと黒。これは別個体" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/34-2.jpg" rel="lightbox[034]" width="235" height="235" title="氷川神社の土俵。ここまで立派なのは珍しい？"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/34-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="氷川神社の土俵。ここまで立派なのは珍しい？" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/34-3.jpg" rel="lightbox[034]" width="235" height="235" title="恵比寿の裏路地で見つけた『ゆ』。青空に映える"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/34-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="恵比寿の裏路地で見つけた『ゆ』。青空に映える" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>
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    <title>第33回　目黒区下目黒</title>
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    <published>2008-01-28T23:24:42Z</published>
    <updated>2008-01-28T23:47:22Z</updated>
    
    <summary>公園の猫で考える動物の幸せ 　吉川の路地歩きに特別な法則はないが、「この先に何も...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
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            <category term="目黒区" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>公園の猫で考える動物の幸せ</h3>

　吉川の路地歩きに特別な法則はないが、「この先に何もないなと思ったら、とりあえず脇道に入ってみる」のが彼の流儀。今回の最初の“曲がり”は、目黒警察の先だった。山手通りを目黒に向かって歩き始めたとたん、カクっと脇道に入る。しばらく歩いて出たところは目黒川。]]>
        <![CDATA[「ここは品川の先まで桜並木で、咲いてるときはきれいだよ。散り際がまたよくて、雨が降った次の日なんか川面がピンク色の花びらで埋まるんだよ」。冬の川沿いは寒い。桜の季節が待ち遠しい。

　区民プールの脇を通り、目黒通りを越え、柳通りを歩きながら「目黒不動に行こう！」と吉川。山手通りを渡ると、赤い鳥居の参道入り口が見えてきた。

　商店街を入ると、まず左手に現れたのは『たこ薬師』。「俺は1週間に2回くらいのペースでタコを食ってるから、参らないといけないね」。吉川はいつものスマートな仕種でポケットから賽銭用の小銭を取り出し、賽銭箱に入れた。しかし“週2でタコ”とはよほど好きなのだろう。「タコは旨いよ。身近で買えるのはほとんど茹でた後に一度冷凍してある外国産のタコだけど、国産マダコの茹でたてを食べるとホントに旨くて、今まで食べてたタコは何だったんだと思うよ」。そう言われると確かに旨そうである。

　商店街には「来ると立ち寄る」というおでん屋、「いつも行列ができてるうなぎ屋」もある。店先で焼いている蒲焼きを買い食いするのがいいという吉川だ。目黒不動はなかなか見ごたえのある神社だった。裏手には『甘藷先生』として有名な青木昆陽の墓もあった。「徳川吉宗の時代に、飢饉を救うためにさつまいもの栽培に成功したってことは覚えてたけど、歴史ってのは頭で覚えるだけじゃなく、自分で歩いて体と一緒に記憶すると忘れないね」。路地歩きはアウトドア脳トレの時間でもある。

　次に向かった林試の森公園では、『出会いの広場』と名付けられた広いエリアでお年寄りたちがゲートボールに講じていた。自販機で暖かい飲み物を買い、しばしベンチに座って見学。「お年寄りになっても性格って出るね。ぎゃーぎゃー言ってるじいさんとか見ると、もうちょっとのんびりやればいいのになと思うよ。俺もそうならないように人のふり見て我がふり直せだね（笑）」。

　公園内では、猫たちも悠然と闊歩している。「みんなが餌をあげてるから、まるまる太ってるのよ」と、通りがかりのおばさんが説明してくれた。「ノラじゃ可哀想だからって連れて帰る人もいるけど、鳴いてダメなんだって。やっぱり自由がいいのよ。人間だってそうでしょ」。のどかな午後の公園で聞くには、なかなか含蓄のある言葉だ。「おっしゃる通りだよね。女のコとか、ノラ猫を“可哀想”って言う人もいるけど、餌をくれる人はいるわけだし、彼らにしてみたらパラダイスでしょ。一番哀れなのは動物園にいる動物だって俺は思ってるからね。それを見て“かわいい”って言うのはイカレテると思うし、かわいいなら逃がしてやれよって。動物園の動物たちから見たら、人間のほうが檻の中に入ってるように見えるんじゃないの」。何かを見たときにどういう視点で考えるか。それに関しては、ぶれない熱さをなくさない人である。

　五反田まで歩き、TOC（東京卸売センター）を見学。初めての場所に吉川もワクワク気味だ。卸し専門店が並ぶ中で小売りOKのモロッコ小物の店を見つけ、きれいな色の小鉢を数個購入。「刺し身を食べるときに、しょうゆ、ポン酢しょうゆ、レモン塩とかを入れるのにいいね」。どこを歩いても、街はさまざまに楽しめる。

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/33-1.jpg" rel="lightbox[033]" width="235" height="235" title="たこ薬師は絵馬もたこ柄。「福をすいよせる」の文字"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/33-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="たこ薬師は絵馬もたこ柄。「福をすいよせる」の文字" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/33-2.jpg" rel="lightbox[033]" width="235" height="235" title="商店街のおでん。ちょっと買い食いが楽しいのだ
"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/33-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="商店街のおでん。ちょっと買い食いが楽しいのだ
" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/33-3.jpg" rel="lightbox[033]" width="235" height="235" title="TOCで見つけたモロッコ小物店『モロッコスタイル』"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/33-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="TOCで見つけたモロッコ小物店『モロッコスタイル』" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>
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    </content>
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    <title>第32回　世田谷区上目黒～祐天寺</title>
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    <published>2008-01-21T22:31:07Z</published>
    <updated>2008-01-21T22:42:23Z</updated>
    
    <summary>石屋とドロップキックの思い出 　街を歩いていて吉川がよく言うのは、「川に蓋をする...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="世田谷区" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>石屋とドロップキックの思い出</h3>

　街を歩いていて吉川がよく言うのは、「川に蓋をするのは絶対に反対」ということだ。護岸工事で岸や川底をコンクリートでかためるのも反対。自然には自然の浄化作用があり、自然のままでいてこそ川は美しい流れを保つ。人間がゴミを捨てなければの話だが、この日も『蛇崩川支流緑道』を歩きながら、そんな話をした。環境問題に関しては先見の明があった吉川である。]]>
        <![CDATA[　五本木と上目黒の間を抜け、東横線の高架下に入ると、珍しい自販機があった。「ちょっとおもしろいでしょ」と、得意気な吉川。それは使い終わった缶を入れるといくらかの小銭が出てくる機械で、これまたエコな一品。そこから高架を戻り、道を左へと進むと、吉川セレクトの本日のメインイベントが待っていた。

「都心で、これだけの敷地でやってるってことがまずすごいよね」。目の前に現れたのは、巨大な石だった。自然の石ではなく石屋さん所有のものなのだが、道の両側に石、石、石、石！　しかしこれ、本当に売り物なのだろうか？　商品だとしたら、雨風にさらされていては形も崩れようってもんだ。

「それが違うんだよ。石ってのは、雨風にさらされてこそ味が出てくるもんで、石好きにとっては、川原で拾った普通の石でも、ちょっと何かの形に見えただけで結構な値段がつくんだよ。だからこれだけの石が並んでるってのは、石好きにしてみたらたまんないね。まあ、これを飾れる庭を持ってる人が東京にどれだけいるのかってことになると、実際売れるかどうかは分からないけど、これが趣味だったら逆にすごい。“ただの石好きなんですよ、エヘヘ”なんて言われたら、大物だね。俺が小さいころ、家の近くに石屋があってよく遊んでたから、そういう懐かしさもあるけどね」。それではぜひ、吉川家のリビングにも石を一個、いかがでしょう？

「おける庭が欲しいけどね。庭が１畳しかないのに、1畳分のでっかい石がひとつだけあるってのも、またバカでいいかもね（笑）」。

　名残惜しい石屋を後に、次に向かったのは、夜中しか開いていない地域名物のパン屋『キクヤベーカリー』。クリームパンがおいしいということで、夜中に行列ができるそうだ。「昔、友人が食べたいっていうから、一度だけ並んで買ってあげたことがあるよ。しかし東京の人は並ぶのが好きだよね。で、どんなモノでも並んで食べると“意外においしい”って言うでしょ。前向きな人が多いよね（笑）。関西から以西はまず並ばないから」。

　祐天寺に向かう道すがら、昼から込んでる焼き鳥屋『忠弥』を発見。立ち寄りたい気持ちを一時封印し、動輪のある幼稚園に差しかかったところで、幼稚園時代の話で盛り上がったりした。

「俺はそのころからやんちゃだったね。隣りの家のコがブランコを横取りされた敵討ちとかいって、近所の小学生にドロップキックしてブランコを取り返してたからね。蹴ったらそいつがブランコに頭ぶつけちゃったんだけど、俺は“悪いのはこいつだ”って言い続けて、母親に“謝りなさい”って言われたことを覚えてる。いつも正義感だけは強いから。昔から不正は許せない。それで母親がいつも謝りに行ってたよ」

　昨年の12月30、31日には、代々木国立競技場第2体育館で、スーパーミュージシャンを従えての素晴らしいセッションライブを繰り広げた吉川。2008年もドロップキック・マインドで、味のある路地裏を突き進む。

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<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/32-1.jpg" rel="lightbox[032]" width="235" height="235" title="「この辺にいるはず…」と言われ、振り返ると猫"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/32-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="「この辺にいるはず…」と言われ、振り返ると猫" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/32-2.jpg" rel="lightbox[032]" width="235" height="235" title="夜中しか開かないけど行列のできる、キクヤベーカリー"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/32-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="夜中しか開かないけど行列のできる、キクヤベーカリー" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/32-3.jpg" rel="lightbox[032]" width="235" height="235" title="吉川推薦の和装小物店。「面白いモノを売ってるよ」"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/32-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="吉川推薦の和装小物店。「面白いモノを売ってるよ」" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>


]]>
    </content>
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    <title>第31回　世田谷区砧、三軒茶屋、下馬</title>
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    <published>2007-12-18T01:55:40Z</published>
    <updated>2007-12-18T02:09:52Z</updated>
    
    <summary>おおくら大佛とスーパー路地裏 　さて、いきなり大佛である。知ってる人は知ってるが...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="世田谷区" />
    
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        <![CDATA[<h3>おおくら大佛とスーパー路地裏</h3>

　さて、いきなり大佛である。知ってる人は知ってるが、知らない人はまったく知らない世田谷通りの砧付近に、その大佛はある。東光山妙法寺の墓地の奥に姿を現す大佛は、参拝者がくると、クルリと回る。昼は本堂のほうを向いているが、夕方以降は世田谷通り方向を向き、道路の安全を見守っているそうだ。ハイテク好きの住職が考案したそうだが、残念ながらこの日は、賽銭を投げ入れた吉川を前にしても微動だにしなかった。「動かないねぇ…、故障かな？」。それでも参拝した限りは線香を買って手向ける。それが彼の流儀だ。帰りがけに住職に聞くと、「あれっ？動かなかった？調子が悪いのかな…」。まあそれも愛嬌である。]]>
        <![CDATA[「あえて大佛が回る必要はないんだけどね（笑）。でも、発想がおもしろいっちゃおもしろい。ここの寺はそれ以外にもしだれ桜が有名みたいだし、ペット霊園もあるから、ペットを供養してほしい人にはありがたいよね」

　寺を出ると雨が強くなってきた。回りそこねた大佛の涙雨…なわけはないが、いったん三軒茶屋まで移動することになった。スタッフの半数は路線バスに乗ったが、吉川は自分の車と合流するまでひとりで歩くという。バスを待つ数分の間に、その後ろ姿は世田谷通りのかなたに消えてしまった。さすがに途中で追い越したが、渋滞でもたもたしている間に追いつかれそうになる。バスの窓から見えた歩く吉川は、やはり異彩を放っていた。

「都心にこんなに大きな団地があったなんて、この界隈に住んでない限り分からないよね」
　三軒茶屋から下馬に入り、案内されるままに住宅街を進むと、広大な都営住宅エリアに出た。案内図を見ると、その数40棟以上。
「今でこそ都心にあるのは珍しいけど、できた当時は高度経済成長で変化する日本の象徴みたいなものだったんでしょ。核家族で団地に住むのがクールみたいなね。今は、高齢者のひとり住まいが孤独だとか問題もあるみたいだけど、若いやつらの中には、この形状が芸術だ、みたいな人もいて、団地の写真集を作ったりしてるから。これも時代の流れだよね」

　そこから世田谷公園に入り、「奥に汽車ぽっぽがある」と案内されて、ミニＳＬが走る園内のプレイパークのきれいな落ち葉を踏みしめながら、「祐天寺に行く最短ルートを教える」と、蛇崩の交差点に向かった。
「このスーパー路地裏を入るんだよ」。幅2メートルにも満たない路地を前に、吉川は得意気だ。

　場所は目黒ゴルフ練習場とテニス場の間。聞けば、30代にテニスに熱中した時期に発見した路地とのこと。「奥にあるテニスコート用の駐車場から逆に入って見つけたんだけど、表から入ると途中で行き止まりに見えるんだよ。当時はそれこそ時間がある限り毎日でもテニスをやってたからね。高校時代の彼女がテニス部だったりして、練習につきあったこともあったけど、テニスなんて軟弱なスポーツだと思ってたの。でも、取材か何かでやったらハードで、これはすごいと。スポーツに関しては、自分で設定したレベルまで行かないと気が済まないというか、やり始めたらとことんやっちゃう癖があるんだけど、練習につきあってくれる連中が疲労骨折したり膝に水がたまったりして脱落して、俺も足首の腱が切れそうになってやめざるを得なくなって…」。

　そんな話を聞きながら路地を進むと、『蛇崩川支流緑道』という、これまたスーパーな路地裏が現れた。
<p class="continue">（つづく）</p>

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/31-1.jpg" rel="lightbox[031]" width="235" height="235" title="ぜひ回るところを見たかった妙法寺の大佛"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/31-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="ぜひ回るところを見たかった妙法寺の大佛" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/31-2.jpg" rel="lightbox[031]" width="235" height="235" title="これもひとつの建築美。下馬の都営住宅群"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/31-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="これもひとつの建築美。下馬の都営住宅群" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/31-3.jpg" rel="lightbox[031]" width="235" height="235" title="世田谷公園のミニSLチビクロ号。休業日あり"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/31-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="世田谷公園のミニSLチビクロ号。休業日あり" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>]]>
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    <title>第30回　港区虎ノ門～芝</title>
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    <published>2007-11-27T15:04:26Z</published>
    <updated>2007-12-03T15:07:55Z</updated>
    
    <summary>芝公園・淫靡な旅館とアスレチック 「あっ、そうだ、東京タワーの金魚屋に寄っていこ...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="港区" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>芝公園・淫靡な旅館とアスレチック</h3>

「あっ、そうだ、東京タワーの金魚屋に寄っていこう！」
　虎ノ門から芝公園に向かう途中、思い出したように吉川は言った。正則高校前の坂を上り、オランダ大使館前を通ってさらに進むと、大きな纏のオブジェのある建物を発見。「これ消防署？あ、鳶の人たちの会館だ！」、なんて話しながら裏道を行くと、こんなところに出るのか、と、思いがけなく目の前に巨大な東京タワーが現れた。“金魚屋”は、１階にある水族館の横にひっそりとあった。しかし吉川が“金魚屋”と呼ぶ場合は、以前紹介した市ヶ谷駅前の店もそうだったが、かなり多くの種類の水生動物がいて、いわゆる“金魚屋”ではなくちょっとしたミニ水族館。見るだけでも十分楽しめる。]]>
        <![CDATA[　そして、いよいよ芝公園のアスレチックへ向かう。タワー下にある有名店『豆腐屋うかい』の前を通り、広場を抜けて階段を下りると、公園内なのに普通の民家があった。「このへんの家、好きでねー」と吉川。確かに都心としては最高の立地条件。公園が庭代わりなんて、まさに吉川好み。四季を感じながら生活するのは、今の東京では贅沢なことになってしまったという現実がそこにはある。
　アスレチックには、鉄棒や前屈、バランス、幅跳びなど、さまざまな測定ものがあり、自分のレベルが何歳くらいかを示す表示もついていた。チャレンジ精神むき出しにしながらも、結果にガッカリするスタッフを見ながら、吉川は余裕の表情。思わず「懸垂できますか？」とバカな質問をしてしまった。「さっきやったよ」。見ていなかったと食い下がり、懸垂を披露してもらった。高い鉄棒にひょいとぶらさがると、何なくクイックイッと体を持ち上げる。ライブでのパフォーマンスやシンバルキックを見るにつけ、吉川の体はなぜこんなにキレるのか思っていたが、日ごろの心がけが肝心だということがよく分かった。「アスレチック、たまにやるとおもしろいでしょ。みんな結構体力落ちてるからね。体も動かさないとどんどん錆びついてくるし。だから、ウチの会社でも全員で体力測定をやろうって提案したの。正月明けで体がなまってる時とかにいいじゃない。反復横跳びとか、ちゃんと計ってくれるところがあるんだけど、女子社員に大反対された。絶対に年齢より上の数字が出るに決まってるから嫌だって（笑）」。体を動かした後は公園内にある古墳に登り、会社員風の男性が練習していた横笛の音色を聴きながらしばし休憩。古墳を降りて公園をさらに歩くと、またしても園内に民家が。「ここ、昔は旅館だったんだよね。個人経営で、ちょっと淫靡な感じがよかったんだけど……いや、入ったことはないよ（笑）」。大人なのだから、入ってもいいのでは？「あ、あははは…」。
　それにしても今回のルートでは、昔ながらの商店や町並みを多く発見することができた。「でも今後、虎ノ門のあたりが再開発されたら街は変わると思う。商売人が入ってくると、アーティストが出ていく、という図式が街にはあるってことだよね。畳職人の店とか琵琶の店とか、このまま残ってほしいけど、跡継ぎがいないんだろうね。若いヤツらは、ああいうのを受け継げばいいのに。今日、鳶の会館の前を通ったけど、鳶職なんて今は女のコも多いからね。女のコのほうが考え方も柔軟で頑張ってるコが多いよ。街を歩いてると、そういうことも見えてくるのがおもしろいし、いつもは車が混んでても、東京って思ってるほど場所と場所が遠くない。歩くと意外と近いことが分かるのもおもしろいね」

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/30-1.jpg" rel="lightbox[030]" width="235" height="235" title="アスレチックコーナーには、運動と無関係なオブジェも"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/30-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="畳のことをいろいろ聞かせてくれた『中野畳店』" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/30-2.jpg" rel="lightbox[030]" width="235" height="235" title="園内に残る、吉川好みの風情ある家。背景は高層ビルだ"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/30-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="園内に残る、吉川好みの風情ある家。背景は高層ビルだ" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/30-3.jpg" rel="lightbox[030]" width="235" height="235" title="寒桜にも早いが、どう見ても桜と思える花が咲いていた"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/30-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="寒桜にも早いが、どう見ても桜と思える花が咲いていた" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>]]>
    </content>
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    <title>第29回　港区飯倉～虎ノ門</title>
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    <published>2007-11-12T19:40:30Z</published>
    <updated>2007-11-12T19:56:15Z</updated>
    
    <summary>愛宕の山と、ロックな家 　飯倉のロシア大使館付近に来ると、東京タワーが目の前にそ...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="港区" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>愛宕の山と、ロックな家</h3>

　飯倉のロシア大使館付近に来ると、東京タワーが目の前にそそり立っている。吉川がデビュー当時所属していた渡辺プロダクションは以前この近くにあった。10代の後半、この界隈をよく歩いたそうだ。「ずいぶん街は変わっちゃったけどねぇ…」と言いながらも、慣れた足取りでひょいと裏道に入り込む。「ちょっと寄り道」と言われて後をついていくと、霊友会の巨大な本堂の奥にある細い石段を通り、八幡神社の境内に出た。]]>
        <![CDATA[「ここは結構穴場。あんまり人がいないから、よく休憩に使ったりする。ほら、ザクロの木に実がついてるよ。なぜか神社にはザクロの木が多いんだけど、今は買うと高いよ。１コ600円とかするからね」

　神社の表の石段を下って左に行くと、『中野畳店』という古い畳屋があった。いかにも職人風の構えに、吉川は足を止める。店主に畳のことを聞くと、いろんなことを話してくれた。畳製の小物が並ぶ中から、畳で作った花瓶敷を吉川はお買いあげした。うれしそうだ。

「昔は小物なんか売ってなくて、畳一本の店だったんだよ。それだけじゃ商売にならないから考えたんだろうね。でも、“あっちとこっちとなんで値段が違うの”って聞いたら、“あたしが作ってるのとそうじゃないのがあるから”って（笑）。そんなこと黙ってりゃ分からないのに、プライドなんだろうね」

　もし自分が家を持つとしたら、絶対に畳の生活をしたいと吉川は言う。

「夢だけど、木造で平屋で畳の家に住めたら最高だね。音楽以外はどんどん日本的なものに傾倒していってるからね。畳だけ買ってフローリングの床に敷くのもいいと思うけど、残念ながら我が家はカーペット。知り合いのパーカッショニストのスティーブ・エトウなんか、畳にパソコンをそのまま置いて、正座して打ってるんだって。きっと日本的なものが好きなんだろうね」

　愛宕神社に向かう途中、古い民家が何軒か残る場所があった。猫が通るような家と家の間の路地を見つけて入り込んだが、吉川の肩幅では体を斜めにしないと通れないほど狭い。戻ってくると思い後ろ姿を見ていると、そのまま路地の角に消えた。あわててスタッフ全員がぞろぞろついていくと、「ここは通れないよ！」と住人から注意が！　すいませーん、と言いながら路地を抜ける。いい年をした大人が子供みたいに叱られるのもたまには楽しかったりして。

　愛宕神社の石段は超急勾配で登りは辛い。先日のペルーロケ前には、山歩きの練習にこの階段を何往復もしたそうだ。「途中で下見ると怖いから、一気に上って！」と、ガイドのようにスタッフに声をかける。この神社にはその急階段以外にも何通りかのルートがあり、いろんな方法で登りを楽しめる。「全部登る？」と提案されたが、今日はひとまずやめておいた。愛宕の山は、今も23区内で最高地なのだそうだ。

　料理屋や、田崎真也氏のワインサロンもあり、ちょっとした都心の名所である。山を下りてからは、日本でただ一軒残るという琵琶製作の『石田琵琶店』の前で琵琶の美しい音色を聴き、虎ノ門の再開発用地の中にガンとして残る喫茶店『般若』と、吉川が「ロックな家」と呼ぶ超細長い建物を見学。「あのロックな家は最高だよね。資金があったら俺が買い取って、絶対に売らないで残したいね。俺の事務所とかスタジオを全部そこに移動して、“これを売ったら俺の抵抗も終わったと思ってくれ”って（笑）」。本当にそうなったらおもしろいのだが…と思いながら、芝公園のアスレチックへと向かった。
<p class="continue">（つづく）</p>

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/29-1.jpg" rel="lightbox[029]" width="235" height="235" title="畳のことをいろいろ聞かせてくれた『中野畳店』"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/29-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="畳のことをいろいろ聞かせてくれた『中野畳店』" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/29-2.jpg" rel="lightbox[029]" width="235" height="235" title="吉川の肩幅よりも狭い路地。お邪魔してすみませんでした！"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/29-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="吉川の肩幅よりも狭い路地。お邪魔してすみませんでした！" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/29-3.jpg" rel="lightbox[029]" width="235" height="235" title="「ロックな家」。ビルの谷間に意気を感じる細長さだ"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/29-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="「ロックな家」。ビルの谷間に意気を感じる細長さだ" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>





]]>
    </content>
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    <title>番外編 　in PERUその3</title>
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    <published>2007-10-23T15:14:54Z</published>
    <updated>2007-10-23T16:45:28Z</updated>
    
    <summary>ペルーの時は大きく流れる 　ペルーへの旅は、吉川にさまざまなことを感じさせるもの...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="番外編" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>ペルーの時は大きく流れる</h3>

　ペルーへの旅は、吉川にさまざまなことを感じさせるものになった。最初に降り立ったクスコでは、過去スペインがこの国に行った暴力的かつ傲慢な行為を目の当たりにし、普段から「どちらかというと反体制的」な心を揺さぶられた。独立したとはいえ、今も白人支配に虐げられている現地の人々に会い、語り継がれる“伝説の黄金郷”とは、ペルー人の誇りの在処なのだという思いを強くした。]]>
        <![CDATA[　そして人との出会い。先週紹介した、黄金を20年も探している男・イズバンの話や、元センデロ・ルミノソの青年幹部だったというウォルターとの会話が、今も強い記憶として残っている。

「ウォルター君なんか、普段は日本人の奥さんから習った片言の日本語で冗談ばっかり言ってたけど、たまにすごい厳しい顔で遠くの山を眺めてた。センデロ・ルミノソに入ったのも、最初は正しい志だと思ったわけだからね。でも、追いつめられた組織は仲間同士で殺し合い、民衆の大虐殺も犯してしまう。間違いに気づいた彼は、山を3つくらい越えて逃げたっていうから。逃げてる間に知らないジャングルに入ったら人食い人種がいて食われそうになったとか、とにかく話がいちいちすごい。冗談でしょ？っていうのが本当だからね。

　彼には山の民とジャングルの民の血が入ってて、今の白人至上の社会からは差別される側の人間なんだけど、本当の意味での独立を勝ち取りたいという信念で今も区長さんかなんかをやって政治活動に取り組んでる。年は41歳で、俺よりひとつ下。貧しくて学校にも行けないような生活の中から、国を変えたいという思いでずっとやってきてるわけで、人生に対してすごい情熱を持って生きてる。

　日本人ってそういうのなくなっちゃってるでしょ。それは平和でいいことなのかもしれないけれど、反面、生きることに執着できないという寂しさもはらむわけだよね。とにかく彼らに何かしゃべらせると、きりがなく話をするからね。俺は俺で思うことを話したけど、ウォルターの日本人の奥さんは、彼らに対して日本の現状を恥ずかしい事だと考えているようなんだよ。けど、そうでもない部分もたくさんあるからね。確かに彼らの生きざまには感服するところも多いけれど、俺たちは俺たちなりに自分の思いとかいろんなものと対峙しながらこの国で生きてるわけだし、自分の生まれた国を残念に思ったままじゃもったい無いわけで。だから奥さんには“その考え方を半分くらいに戻してみてくれないかな”ってことを言ってみたりしてね。

　ただ、彼らの素晴らしいところや、日本人のまずいと思うところはちゃんと持ち帰らないといけない。体力がないと思われるのもシャクだから、ウォルターの奥さんに“これをヤマト魂っていうんだ！”って、彼らと競走して走って山を下りたけど、やっぱり現地のやつらには敵わなかった。だから日本に帰ったらもっと体を鍛えなきゃと思ったよ。また彼らと勝負しなきゃいけないから（笑）」
　小さいことを言ってたら生きてられない気になった、と吉川は言う。そんな思いに駆られるほど、ペルーの山では時が大きく流れていた。



吉川晃司ライブ先行予約！
<b>KIKKAWA KOJI LIVE 2007  CLUB JUNGLE EXTRA TARZAN! RETURNS</b>

【日時】
12月30日(日)18時30分開演、31(月)17時開演
【会場】
国立代々木競技場第二体育館 【料金】全席指定6500円（税込）※11月4日一般発売

■先行受付日時
10月28日(日)10時～23時59分　＊規定枚数になり次第受付終了。
■枚数制限
お1人様4枚まで ＊１コールにつき１申し込み。複数公演申込希望の場合は再度掛け直し。
■受付電話番号
チケットぴあ0570-02-9535（オートダイヤル特電）＊一部携帯電話、IP電話、全社PHS使用不可　＊プッシュ回線又はトーン信号の出る電話機をご利用下さい。
■引き取り期間
10月28日(日)～11月3日(土)　全国のチケットぴあ、ファミリーマート、サークルKサンクス店頭にて。
(問)ディスクガレージ03-5436-9600（平日12時～19時）


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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00b-1.jpg" rel="lightbox[00b]" width="235" height="235" title="オリャンタイタンボの駅で"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00b-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="オリャンタイタンボの駅で" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00b-2.jpg" rel="lightbox[00b]" width="235" height="235" title="多くを語り合ったウォルター君と吉川"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00b-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="多くを語り合ったウォルター君と吉川" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>]]>
    </content>
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    <title>番外編 　in PERUその2</title>
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    <published>2007-10-08T14:52:45Z</published>
    <updated>2007-10-23T16:42:31Z</updated>
    
    <summary>“パイティティ”とは誇りの在処 　9月28日に放送された番組を見た人は分かると思...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="番外編" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>“パイティティ”とは誇りの在処</h3>

　9月28日に放送された番組を見た人は分かると思うが、ペルーでのロケは過酷を極めたものだった。「ひとつの山を越える間に四季があった」と吉川が言うように、高低差だけでなく寒暖差も激しい山をいくつも超えた。しかも狭い道の片側は1000メートルもの谷底。]]>
        <![CDATA[「高所は得意じゃないけれど、それでも割と平気だったのは、凄まじすぎて非現実的だったから。風が強く吹くと向かいの尾根まで飛ばされそうな感じで、上昇気流に乗ってコンドルが舞ってるのを3回も見たよ。コンドルは神の使いと言われてるんだけど、普段はこんなに見ることはないらしいし、途中で熊や鹿にも遭遇して、“この旅は祝福されてる”って現地の人は言ってたけどね」

　番組の企画そのものは、伝説の黄金都市エル・ドラドを探すものだった。吉川と番組クルーたちは、スペイン人による侵略と略奪をのがれたインカ人が黄金を隠したという夢の在処を探るため、発掘調査が進むチョケキラオ遺跡から深いジャングルへと分け入った。そして吉川がたどり着いた結論は、その場所は彼らの心のよりどころなのだということだった。

「彼らが言うところの“パイティティ”っていう黄金伝説の街は、どこかに絶対あるという確信は最終的には持ったけど、そこを探したいというモチベーションの底にあるのは、黄金そのものより、自分たちの誇りなんじゃないかと思ったよね。

　唯一スペイン人たちに踏みにじられなかった自分たちの文明がどこかに残っているという心のよりどころ。その思いに突き動かされた人たちに何人も会ったしね。俺たちにとっては黄金じゃないんだって。でも、もちろん黄金もあったほうがいいけどね。ジャングルをガイドしてくれたイズバン君なんか、奥さんと子供がいるのに20年近くも探してるんだから。借金がかさんで大変だから見つからないと困るって（笑）。

　イズバンには言ったんだけどね。もし見つからなくても、その年月の間にキミは貴重な体験をしたんだから素晴らしい人生じゃないかって。そしたら思いっきり“ノー！”って言われた。金が見つからなければそんなもの意味ないって。そんなことないと思うけどなって言ったんだけどね。

　だからいい日本語を教えたよ。“日本にはキミのような人に称賛の意味を込めて『馬鹿』っていう言葉があるんだよ”って。脇目もふらずにひとつのことをやり続けることを、○○馬鹿。例えば俺は“音楽馬鹿”なんだよね、って教えたら、『ぜひとも次から使わせてもらうよ！』って言ってたかな。今度日本人に会ったら“私は馬鹿です”って省略して言いかねないけど（笑）」

　吉川たち探検隊は、辛い行程をたどりながら日に日に結束を強めていった。同行したシェフの料理は簡素なものだったが、疲れた体に塩味の野菜スープがウマかった。満天の星を眺めながらのアウトドア・トイレもなかなかのものだった。そして吉川は、通訳として参加した、元センデロ・ルミノソの青年幹部だったという同世代の男性と、長い長い話を続けることになる。
<p class="continue">（つづく）</p>

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<div class="enlarge">
<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00a-1.jpg" rel="lightbox[00a]" width="235" height="235" title="どこに行っても動物好きは変わらない"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00a-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="どこに行っても動物好きは変わらない" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00a-2.jpg" rel="lightbox[00a]" width="235" height="235" title="アップダウンの中に四季を見出す山歩き"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00a-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="アップダウンの中に四季を見出す山歩き" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00a-3.jpg" rel="lightbox[00a]" width="235" height="235" title="黄金を探す男、イズバンと話す吉川"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/00a-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="黄金を探す男、イズバンと話す吉川" class="thumb-ph" /></a></td>
</tr>
</table>
</div>



]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>番外編 　in PERUその1</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/archives/2007/09/_in_peru1_1.html" />
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    <id>tag:www.tokyoheadline.com,2007:/blog/ranshin//4.99</id>
    
    <published>2007-09-24T13:34:14Z</published>
    <updated>2007-09-24T14:30:18Z</updated>
    
    <summary>クスコ†パロトア村†マチュピチュ†チョケキラオへ 　8月31日†9月15日まで、...</summary>
    <author>
        <name>吉川晃司</name>
        
    </author>
            <category term="番外編" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/">
        <![CDATA[<h3>クスコ～パロトア村～マチュピチュ～チョケキラオへ</h3>

　8月31日～9月15日まで、吉川はテレビ東京の特番のロケでペルーに出向いていた。かつて栄華を誇ったインカ帝国がスペイン人に滅ぼされ、黄金を略奪され、現在は主なきマチュピチュなどの遺跡が世界遺産に登録されているあのペルーである。]]>
        <![CDATA[「この旅の企画をもらうまでは、みんなと同じように、インカ、マチュピチュ、ナスカの地上絵、センデロ・ルミノソ、日系移民フジモリ大統領くらいのイメージしかなかった。20年くらい前、バミューダ海域にあったモントセラト島のスタジオで1カ月くらいレコーディングしたことがあったけど、南米に近づいたのはそれぐらいで、やっぱり遠い国だよね。もともと飛行機が得意ではないので好んでは海外に行かないし、むしろ本の中で旅してるほうが好きなタイプだから」

　それでも吉川の中ではさまざまな期待がふくらんできた。

「今の時代って、未来にはエデンの園が待ってるような夢があるのかといったら、おそらくないと思う。果実に例えるなら、まだ青く甘酸っぱいうちはその先に憧れや楽しみを持つこともできるけど、熟れすぎたそれに待っている運命は、腐って落ちるだけ、みたいなね。だから過去のほうがロマンがあったりして、そこにどんな文明があってどんな人々がどんな暮らしをしていたのか、単純にワクワクする部分はあるよね。それともう一つは、“第三世界”と呼ばれるところで生きる人たちの気骨に触れたいという思いもあった」

　飛行機を乗り継ぎ、インカ帝国の首都であったクスコに到着したのは9月1日。標高3600メートルの高地の空はきれいに晴れ渡っていた。さっそく街に出ると、スペイン侵略の痕跡は、教会の多さで分かる。インカ時代の神殿が教会に変えられ、民家の屋根にもことごとく十字架が掲げられている。それを見て「ひとりで怒ってた」というのが吉川らしい。

　今回の旅は、いまだ発見されていない伝説のエル・ドラド（黄金郷）を探るものだ。一行はクスコからジャングルに入り、マチュピチュを訪れ、チョケキラオ遺跡へと向かうことになる。ジャングルのパロトア村では、焼いた毛虫や、ネズミとバクの丸焼きを振る舞われた。

「毛虫の焼いたのは“チーズフライみたいな味だ”って言われて、引っ張ると本当にチーズみたいにびよーんって伸びる。まあ内臓なんだろうけど、業に入れば業に従わないとカッコ悪いし、彼らはご馳走として薦めてくれているわけだから、いただかないと失礼だし。っで“よっしゃ！”ってなもんで食べたら、あれっ？これがまずくない。ネズミとバクはウマかったからね。丸焼きだから見た目は悪いけど（笑）」

　そしてマチュピチュでは、あまりの観光地化に「温泉街みたい」と複雑な思いにかられたが、「遺跡自体は本当に素晴らしかった」と感服した吉川である。

　そのマチュピチュから人々が忽然と姿を消した謎は、数百年たった今でも解明されていない。その後撮影隊は、伝説の黄金郷を20年間も探し続けている男性や、現地通訳として参加した、元センデロ・ルミノソの青年幹部で今は議員という男性をガイドに、ジャングルや断崖絶壁の山を進む。そして吉川は彼らと語らうことで、その生きざまにも感銘を受けることになる。それが2時間の特番ではどのように表現されるのだろうか。
<p class="continue">（つづく）</p>

＊吉川がペルーロケを敢行した特別番組『聖なる黄金の都パイティティ』（仮題）は、9月28日（金）午後9時～10時48分まで、テレビ東京系で放送予定。

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<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-1.jpg" rel="lightbox[000]" width="235" height="235" title="クスコでは植民地時代の教会に“ひとりで怒ってた”吉川"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="クスコでは植民地時代の教会に“ひとりで怒ってた”吉川" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-2.jpg" rel="lightbox[000]" width="235" height="235" title="山道を歩く。現地のガイドと張り合ったそうだが結果は…？"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="山道を歩く。現地のガイドと張り合ったそうだが結果は…？" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-3.jpg" rel="lightbox[000]" width="235" height="235" title="マチュピチュをバックに"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="マチュピチュをバックに" class="thumb-ph" /></a></td>
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<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-4.jpg" rel="lightbox[000]" width="235" height="235" title="平底の船は、流れの緩やかな川にうってつけ"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-4.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="平底の船は、流れの緩やかな川にうってつけ" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-5.jpg" rel="lightbox[000]" width="235" height="235" title="左肩にオウムがいるの、分かるかな？"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-5.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="左肩にオウムがいるの、分かるかな？" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-6.jpg" rel="lightbox[000]" width="235" height="235" title="いくつもの山を越えて、旅は続く"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/000-6.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="いくつもの山を越えて、旅は続く" class="thumb-ph" /></a></td>
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    <title>第28回　杉並区荻窪～大宮（復路）</title>
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    <published>2007-09-11T21:43:15Z</published>
    <updated>2007-09-11T21:53:25Z</updated>
    
    <summary>びっくり公園とやさしいわき水 　吉川が善福寺川緑地を歩くのはこれで4回目。車で吉...</summary>
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        <name>吉川晃司</name>
        
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        <![CDATA[<h3>びっくり公園とやさしいわき水</h3>

　吉川が善福寺川緑地を歩くのはこれで4回目。車で吉祥寺まで来てから歩いたこともあれば、都心の仕事場から長い距離を歩いてきたこともあるという。
「地図なんか見て緑色の公園の印があると、“何だろう？　ちょっと行ってみるか”って感じだね。この先にもおもしろい公園があるから、後でそこも案内するよ」]]>
        <![CDATA[　鳴き続けるセミの声の中を吉川はズンズン進む。この夏の暑い時期も仕事場への往復はほとんど歩いていたそうで、「軽い熱中症になっちゃった」ということだ。「歩くのはいいことだけど、そこだけはホント気をつけないと。俺は軽くて済んだけど、無理すると大変なことになるからね。まず水分の補給は欠かしちゃいけないし、ただの水は体への吸収が遅いから、汗で出る塩分補給のために塩をなめるのがいいみたい。それもただの塩じゃなく、ミネラルを含んだ岩塩がいいらしいよ。あとはスポーツドリンク系ね。女の人は途中でトイレに行くのが恥ずかしかったり面倒だったりするみたいであまり水分を取ろうとしないけど、それは絶対ダメだよ。あとは熱くなったら頭を冷やして、一番いいのは大木の木陰を歩くこと。とにかく疲れたら休むことだね」

　この日も途中のコンビニでアイスキャンディーを買って食べたりして暑さをしのぎ、水分片手にひたすら歩いた。「♪タラララッタラーラッタ、タッタラッタラー」。吉川が口ずさんでいたのは『コンバット』のテーマ曲。「男が何人かで歩いてると思い出しちゃうんだよね。もちろん本物の戦争は絶対反対だけど、ビッグ・モローが茂みをかき分けながら歩いてたじゃない。こんな感じでさ…」。自然は人を童心に帰すというのは、どうやら本当らしい。

「ここだよ！」。案内されてたどり着いたのは、緑地を抜けて住宅街を進んだところにある『大田黒公園』。以前は個人の邸宅だった場所を公園として残したもので、小さなせせらぎと緑の芝生が美しい。「一度この前を車で通ったことがあって、公園だ！と思って入ろうとしたけど、後ろから車が来て、止められなくて、通り過ぎて戻ろうと思ったら道が分からなくなっちゃった。で、歩いて来たとき、確かこのへんだったと思って交番で聞いたんだけど、入り口があまりに立派だったから夢がふくらみすぎちゃって、最初は“あれ？こんなもん？”（笑）。それで“おもしろい公園”って説明したんだけどね。とにかく入り口が豪華すぎる（笑）。でもこれが個人の家だったってすごいよね。俺もこういうところに住んでみたいね」。芝生を望む休憩所で一休みすると、ちょうど昼食の時間となった。「確かこのへんに食べるとこ、あったよ」と、吉川が先導して店探しを始めたが…なかなか見つからない。「おそらくこの先だから」「絶対あったはずだから」と、汗だくで空腹のスタッフのモチベーションが下がらないように気を使ってくれる先導者だった。

　ランチはとてもおいしかった。復路では「これ何だろう？」とさまざまな植物に興味を示しながら、スタート地点の大宮八幡宮へと戻る。

　この日のシメは、境内にあるわき水。本殿の入り口に向かって右側にある小さい社に、ご神水はあった。“みなさんで楽しむものだから”と、大きなタンクに入れて持ち帰らないよう張り紙がしてある。給水時間は限られているが、まだ時間内。蛇口から出てきた冷たい水は、売り物の水とも、水道水とも違う、疲れた体に心地よくなじむやさしい味がした。

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<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/28-1.jpg" rel="lightbox[028]" width="235" height="235" title="音楽評論家、大田黒元雄氏の屋敷跡地に作られた大田黒公園"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/28-1.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="音楽評論家、大田黒元雄氏の屋敷跡地に作られた大田黒公園" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/28-2.jpg" rel="lightbox[028]" width="235" height="235" title="昼ご飯を食べた『かふぇぐりむ』。ミートソースもカレーも◎"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/28-2.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="昼ご飯を食べた『かふぇぐりむ』。ミートソースもカレーも◎" class="thumb-ph" /></a></td>
<td class="thumbnail"><a href="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/28-3.jpg" rel="lightbox[028]" width="235" height="235" title="大宮八幡宮にあるわき水（ご神水）。確かにおいしい味がした"><img src="http://www.tokyoheadline.com/blog/ranshin/images/img/28-3.jpg" width="100" height="100" border="0" alt="大宮八幡宮にあるわき水（ご神水）。確かにおいしい味がした" class="thumb-ph" /></a></td>
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