2010年01月18日

 

芝居もいいけど落語もね!!『志の輔らくご』

 こんにちは、中井です。今月はいつも以上に、振り幅の広い舞台を観られました。

 まずは『志の輔らくご』。立川志の輔さんがお正月のパルコ劇場に登場するようになって5年目だそうです。今年、強く思ったのは、落語を好きな方もそうでない方も、志の輔さんは今、観るべきだということ。枕と噺の切り替えがとても自然で、気が付くと完全に噺の中に引き込まれています。内容は、自作の新作落語3本。中でも、江戸時代の歌舞伎役者・中村仲蔵のネタに泣かされました。人物の演じ分け、せりふと説明の切り替え、当時の役者を取り巻く環境、仲蔵の役者としての性(さが)などが、説明くさい言葉なしに伝わってくるんですね。会場の集中力も自然と高まって、客席は水を打ったようにシーンと。世界陸上の100mの決勝前も、何万人という観客が静まり返るんですが、その時を思い出しました。

 和物続きでは、早乙女太一君の『美しき華』も良かったですね。天才子供女形といわれた彼も18歳になり、若さの特権であるスピードに安定感、「何をやっても早乙女太一」という芯の強さが加わりました。第一部の、太一君の素に近いショーでは、去年出演した劇団☆新感線の経験が厚みになっていましたし、第二部の女形としてのショーは、色っぽさが艶っぽさへとレベルアップしていました。とはいえ、かつらを着け、裾の長い着物を着た上で、あれだけ自在に身をこなすのは筋力の賜物。若く美しい女形にしかできない舞台を見せてもらいました。

 宝塚花組の『相棒』は、企画を聞いて思わず「大丈夫なの?」と心配した演目でした。放送中のテレビドラマを舞台化すること自体が難しいはずですし、片山右京は水谷豊さんがつくり上げ、水谷さんの個性と一体になったキャラクター。それを宝塚作品にするのは、かなり冒険のはずだと。でも結果は、かなり楽しめました! 右京を演じた真飛聖さんもうまく個性を取り込んでいましたし、他のキャストもうまくハマり、ダンスあり、ちょっとしたお遊びありの、宝塚ならではの『相棒』に仕上がっていたんです。昨年同じ石田先生の演出する作品に出たメンバーが多くいた花組ならではの安定したチームワークがあるから、ベタなことも冒険もできるんでしょうね。

 シアターコクーンの『東京月光魔曲』は、松雪泰子さんと瑛太さんの姉弟がとにかく美しかった! 特に、爽やかさだけでなく影も出ていた瑛太さんの、舞台2作目にしての成長ぶりに目を見張りました。

中井の気になる!! ◆『血は立ったまま眠っている』(渋谷・シアターコクーン ~2月16日) ◆シス・カンパニー『えれがんす』(新宿・紀伊國屋ホール 1月29日~2月14日) ◆阿佐ヶ谷スパイダース Presents『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』(下北沢・本多劇場 1月21日~2月14日) ◆『飛龍伝』(新橋演舞場 2月3~21日)AGAPE store『残念なお知らせ』(新宿・全労済ホール スペース・ゼロ 2月12~21日) ◆宝塚星組『ハプスブルクの宝剣 -魂に宿る光-』『BOLERO』(東京宝塚劇場 2月12日~3月21日) ◆モダンスイマーズ『凡骨タウン』(池袋・東京芸術劇場 小ホール1 2月5~21日)


Profile

中井美穂 (なかい・みほ)
95年、フジテレビ退社後フリーアナウンサーに。現在『旅の香り』(テレビ朝日系・日曜18:56~)、『タカラヅカ cafe break』(MXテレビ・月曜22:00~)に出演。2007年1月スタート『世界陸上~We Love アスリート~』(TBS・金曜25:25~)でのMC、また8月25日~9月2日に開催される『世界陸上大阪大会』でもメインキャスター務める。『STORY』(光文社)連載コラムも好評!