親孝行兼ね博多座『二月花形歌舞伎』--若手公演の楽しみ方を再確認
こんにちは、中井です。いよいよ春本番ですね。私はひと足お先に、福岡で春を感じました。母と博多座で『二月花形歌舞伎』を観てきたのです。母はこの数年、市川亀治郎さんの追っかけ(笑)で、親孝行も兼ねて行ってまいりました。
そして行った甲斐がありました! この公演は、1月恒例の浅草歌舞伎が、同じ若手メンバーで初めて地方公演を実現させたもの。私は浅草歌舞伎も観たのですが、演目をすべて変えられるところは、さすが歌舞伎です。
特に良かったのは『蜘蛛糸梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』。
亀治郎さんが六役早変わりしたのですが、ひと役ひと役が丁寧につくり込まれ、昔から伝わる作品を自分のものにしようという亀治郎さんの執念を感じました。それに、こういうケレン味あふれる演目を若い人が演じると、すっぽんに飛び込む動作ひとつにもスピード感があって、作品本来のスペクタクル性が存分に感じられ、引き付けられました。
『車引』もそう。松王丸の中村勘太郎さん、桜丸の亀治郎さんが花道から走ってくるシーンがあるのですが「血気盛んな青年が、急を聞いて駆けつけるなら、これぐらい勢いがあるだろうな」と納得できたのです。彼らはこの先も『車引』をやると思いますが、どれだけ成長したかを観るのも、歌舞伎の楽しみのひとつ。そのためにも、こうした若手公演はお勧めですよ。
もうひとつ興奮したのが『空白に落ちた男』でした。水と油というパントマイムのユニットで活躍されていた小野寺修二さんというダンサーが、クラシックバレエで世界的に活躍した首藤康之さんを主演に迎えたダンス公演で、分類するならコンテンポラリーダンス。でも、ものによっては難解になりがちなコンテンポラリーダンスが、ストーリーも分かる、笑える、自分の日常とつながっていると感じる、楽しい内容だったのです。
ダンスの水準も高く、世界ツアーに回れるのに、と思いました。ベニサン・ピットで1カ月のロングラン、という公演形態もいいですよね。
公演形態といえば、夜8時からきっかり1時間半の、コント・オムニバスを上演した親族代表も素敵です! こういう公演がもっと増えてくれると大人はうれしいのですが。『発電所』は5人の作家さんが書いた5本のコントで、どれもちょっとずつ意地が悪く、本当におかしかった。知らない作家さんの今後の作品も、ぜひ観てみたいと思いました。
中井の気になる!!◆「トゥーランドット」(赤坂ACTシアター 3月27日~4月27日) ◆「49日後……」(渋谷・PARCO劇場 4月12日~5月6日) ◆「FROGS」(天王洲 銀河劇場 3月19~23日) ◆ヤン・リーピンの「シャングリラ」(渋谷・Bunkamuraオーチャードホール ~22日)◆宝塚宙組「黎明(れいめい)の風」-侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦-/「Passion 愛の旅」(東京宝塚劇場 4月4日~5月18日) ◆ポツドール「顔よ」(下北沢・本多劇場 4月4~13日) ◆「トライアンフ・オブ・ラヴ~愛の勝利」(天王洲 銀河劇場 4月4~14日)