Categories

Recent Comments

Recent Trackbacks

≪ 2008年10月 | Home | 2008年12月 ≫

2008年11月17日

 

楽しみ半分、心配半分も「観てよかった!」思い出トランプ

 こんにちは、中井です。急に寒くなりましたね。私はうっかり風邪を引いてしまいましたが、皆さんは大丈夫ですか?

 今月も「観てよかった!」の収穫がたくさんありました。まずは『思い出トランプ』。以前から注目している作・演出家の田村孝裕さんが、向田邦子さんの小説を舞台化したもので、田中麗奈さんの初舞台としても話題になりました。普段の作品が「向田さんぽい」と言われている田村さんですが、敬愛する作家の作品の本歌取りとなるとプレッシャーも大きかったはず。実は私も楽しみ半分、心配半分でした。でも結果は大満足。4本の短編小説をひとつにまとめ、オリジナルの部分も書き加えた内容は、「相変わらず女性の心理を描くのが上手いなぁ」と、うなってしまうものでした。会場では原作本がかなり売れたと聞きましたが、「このエピソードはどの小説?」と確かめたくなる気持ち、よく分かります。

 それから宝塚花組の『銀ちゃんの恋』も、予想を上回る出来栄えでした。この作品は、つかこうへいさんの『蒲田行進曲』が原作。男同士ならではの無茶な上下関係、浪花節的な愛、我がままで破天荒な主人公…。『蒲田~』をご存知の方は、およそ宝塚らしくない世界観だと分かっていただけますよね。さらに12年前の初演がとても評判が良く、久々の再演はどうなるのか、想像がつかなかったのです。ところが、銀ちゃん役の大空祐飛さん、ヤス役の花形ひかるさん、小夏役の野々すみ花さんをはじめとする花組生が大健闘。特に、華やかな男役の花形さんが、ハマリ役と言っていいくらい、カッコ悪いヤスを演じきっていて感動しました。

 そして、足かけ4カ月続いた『テニミュ』の夏公演がいよいよファイナルを迎えたのにも感動! やっぱりこの作品は素晴らしいです。どの役にも見せどころが用意されているし、原作のキャラクターがしっかりしているんですね。今回は同じ役を複数の役者さんが演じる“バージョン違い”が何組もあったのですが、ひとつのキャラクターが誰々版という形でこんなにも楽しめるんだと発見させてもらいました。長期間やっていたこともあって、役者さんたちが上手くなっていくのがはっきり分かって、この“育つのを見守る”感覚からは、当分、足が洗えません(笑)。大千秋楽のカーテンコールでは原作者の許斐剛先生がステージに上がり、「再連載」を宣言されました! ミュージカル版に刺激を受けたのかな、と考えると、ただのブームではないことを確信しました。

中井の気になる!! ◆表現・さわやか「美少年オンザラン」(下北沢・駅前劇場 ~11月30日) ◆「愛と青春の宝塚」(新宿コマ劇場 12月2~22日) ◆新国立劇場「舞台は夢」(初台・新国立劇場 中劇場 12月3~23日) ◆音楽劇「箱の中の女」(渋谷・シアターコクーン 12月10~25日) ◆俳優座劇場プロデュース「空の定義」(六本木・俳優座劇場 12月11~22日) ◆KERA・MAP「あれから」(三軒茶屋・世田谷パブリックシアター 12月13~28日


Profile

中井美穂 (なかい・みほ)
95年、フジテレビ退社後フリーアナウンサーに。現在『旅の香り』(テレビ朝日系・日曜18:56~)、『タカラヅカ cafe break』(MXテレビ・月曜22:00~)に出演。2007年1月スタート『世界陸上~We Love アスリート~』(TBS・金曜25:25~)でのMC、また8月25日~9月2日に開催される『世界陸上大阪大会』でもメインキャスター務める。『STORY』(光文社)連載コラムも好評!