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2009年02月16日

 

駅伝を舞台に…!? いやいや素晴らしかった『風が強く吹いている』

 こんにちは、中井です。ようやく春ですね。花粉症に負けず、ティッシュ持参で劇場に行きましょう!

 先月、私のハートをがっちりつかんだのは『風が強く吹いている』でした。原作は三浦しをんさんの人気小説で、駅伝が題材です。話を聞いた時は「駅伝を舞台に?」と頭の中が「?」だらけ。テニミュも「どうやってテニスを舞台に?」と思いましたが、『風が』はそれ以上に疑心暗鬼で劇場に出かけました。ところがこれが、予想に反して素晴らしかったのです。二幕のうち一幕目は寮の中、ここで登場人物のキャラクターや、彼らの置かれている状況が語られます。そして二幕目はセットががらりと変わって駅伝のシーン。舞台上の役者さんは全員が正面を向き、それぞれが走り終えた人、走っている人、待っている人、中継地点の人などを演じます。そのときのせりふがグッと来るものが多くて……。鈴木哲也さんの脚本、素晴らしいと思いました。イケメン俳優でスポーツを題材にした舞台をはいろいろありますが、これはかなりの高得点でした。駅伝というスポーツが日本人のメンタリティーに訴えるもの、ランニングとフィールドコートが女子心に訴えるものを、見事にすくい取っていたと思います。

 パルコ・プロデュースの『リチャード三世』もおもしろかったですね。イギリス・グランジ風の衣裳が私のツボでしたし、映像も活用するいのうえひでのりさんの演出全体に「よくわかる、飽きないシェイクスピアを」という意図が感じられました。いのうえ演出の権化・古田新太と、いのうえ演出には新鮮な三田和代さん、銀粉蝶さんといった役者さんの顔合わせも見応えがありました。

 新鮮だったといえば、シルク・ドゥ・ソレイユの『コルテオ』も忘れるわけにはいきません。「またサーカス?」「またシルク?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは本当にお勧めです。ある男性が死んだあとに見る夢、というストーリーで全体が進むのですが、子供のころの枕投げがいつの間にかすごいトランポリン技になったりと、物語と技のつなぎ方がとても上手い。しかも散りばめられるアイテムが天使や妖精やジプシー音楽などヨーロッパ・テイスト満載。TVCMでは超絶技の印象が強くしますが、そして実際に超絶技なのですが、全体を流れるトーンがロマンチックなんです。SS席1万3000円のチケット代は決して高くないと思います。

中井の気になる!! ◆宝塚花組『太王四神記』(東京宝塚劇場 ~3月22日) ◆シスカンパニー『夜の来訪者』(新宿・紀伊國屋ホール ~3月15日) ◆『ムサシ』(彩の国さいたま芸術劇場 3月4日~4月19日) ◆舘形比呂一『地球に落ちてきた男』(赤坂レッドシアター  3月5~15日) ◆『昔の女』(新国立劇場 小劇場 3月12~22日) ◆新感線『蜉蝣峠』(赤坂ACTシアター 3月13日~4月12日) ◆オーチャドホール クラウド・ゲイト・ダンスシアター『ホワイト』(渋谷・オーチャードホール 3月4~6日)


Profile

中井美穂 (なかい・みほ)
95年、フジテレビ退社後フリーアナウンサーに。現在『旅の香り』(テレビ朝日系・日曜18:56~)、『タカラヅカ cafe break』(MXテレビ・月曜22:00~)に出演。2007年1月スタート『世界陸上~We Love アスリート~』(TBS・金曜25:25~)でのMC、また8月25日~9月2日に開催される『世界陸上大阪大会』でもメインキャスター務める。『STORY』(光文社)連載コラムも好評!