毒親に育てられて【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第25回】

2019.02.08 Vol.Web Original

 年末年始、皆さんはどう過ごされましたか?  私は毎年実家へ帰って、母親と弟とテレビを見ながら過ごします。  とはいえ特別仲が良いということもなく、会話はほとんどありません。  私に至っては、リンスの在りかがわからないのにそれが聞けず、数日間リンスなしで過ごしました。(ロングヘアなのに)  父親とは別居して20年以上、離婚が成立して10年以上たつので、年末年始に会うことはありません。  母方の実家へも前は顔を出していましたが、教師家系で、良い学校に行く、良い会社に就職する、結婚して子供をもうけて幸せな家庭を築く、ということを無言で求められる空気感に苦しくなり、昨年は熱を出して行かず、今年も行きませんでした。  実家に帰るのは本当に嫌なのですが、「そんなに嫌なのになんで実家に帰るの?」と友達に聞かれて、「そういうものだと思っているからそうしている」というだけだったことに気が付きました。  親の期待に応えないと見放されるという恐怖から、親の顔色を窺い、自分の意思や感情よりも、親の求めるものを達成することが何よりも大事だと考えて育ってきました。  だから、自分が帰りたいかどうかにかかわらず、年末年始は実家に帰るものだと思っていて、そういう行動をとっていたのでしょう。  親元を離れ東京に来て、社会人になってからも同じで、会社の求めることに全力で応えることが、社会生活に参加する上で必要不可欠だと考えていました。  なぜなら、会社の求めることにすぐさま対応できないと、不要な人間だと判断されると思ったからです。  恋愛関係においてもそうでした。  恋人のいうことに反論したら不要な人間だと思われる、意図に反する行動をしたら見放される、と。  幸いこれまで付き合った人は常識人ばかりで、暴力をふるったりお金をせびったりする人はいなかったので、それほどつらい目にあうことはありませんでしたが。  奇しくも体調を崩したことで自分の育ち方や考え方に問題があることに気づき、それからはどうすれば自信が持てるか、どうすれば自分の感情に気づくことができるか、どうすれば自分の感情をもとに行動することができるか、ということを考えて、少しずつ変化してきました。  それでもやはりふとした瞬間に、もともとの考え方に支配されそうになるときがあります。  特に1月なんて、年末年始の実家暮らしでその考え方を一番意識する時期です。  そんなときに私は、ひとりの女性と出会いました。  その女性は、レズ風俗の女の子。 「話題になっているから、一度どんなところか潜入してきて」と会社に言われて行くことになったのですが、そもそも私は女性が苦手です。  理由は、母と同じ性別だから。  母に似たようなことを言う人、似たような行動をする人、同じ背格好の人、すべてが苦手です。  だからレズ風俗も本当は行きたくありませんでした。  ましてや女性相手にエッチなことをしようという気持ちも全くないし、できれば避けて通りたかった。  しかしこの体験が、2019年早くも、私にとって大きな変化をもたらす出来事になったのです。  次回に続きます。

実はみんな混同している「性」の話【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第24回】

2019.01.25 Vol.web original
年末に、女性向け風俗のユーザーさんとお話する機会がありました。 女性向け風俗って何?と、いきなりでびっくりされる方もいるかもしれませんが、いったんそのディティールはおいておくとして。 女性向け風俗を利用するときに、女性はさまざまな思いを抱いて、それぞれの動機で、勇気を出して利用します。 男性不信をなんとかしたいという思いで利用する人もいれば、好奇心が強い人もいますし、ただ単に性的欲求を満たしたいという人もいます。 私は女性なので男性のことはわかりませんが、女性にとって、風俗を利用する理由は本当にさまざまなのだと感じたと同時に、女性向け風俗が叶えなければならない要望もさまざまなのだなと感じました。 さて、「性」とひとことでいっても、性教育、性差、性癖、性欲、セックスでのコミュニケーション、これらすべては全然違うものです。 性教育や性差は、自分と相手を大切にするために知るべき知識だと思うし、性癖や性欲は自分が幸せになるために知っておいたほうがいいこと、そしてその知識を生かすために必要なのがコミュニケーション。 まあざっくりですが。 AV業界にいると、「AVのせいで誤った知識が広まる」というご指摘をうけることが多いのですが、正しい知識をもった18歳以上の大人に向けて作っているエンターテイメントだから、そもそも知識があることが前提で成立している世界です。 だから年齢制限があるし、また、自分の性癖や性欲を知っていればそれにあった作品を選択でき、AVの世界で非現実的な内容を楽しむことができるのだと思います。 性癖という言葉についても、いかにも変態的な嗜好があるように聞こえてしまうかもしれませんが、自分の性嗜好という意味でもっと幅をもった言葉なのではないでしょうか。 「男性のこういう表情を見るのが好き」「夜より昼間のほうが好き」というようなちょっとした好みも性癖だし、決していかがわしいだけの言葉ではないと思います。 自分の性癖を認識することで、もっとこうしたら自分が幸せになる!というのが明確化するので、自分にも相手にも良いですしね。 このように、それぞれ次元が違うところで語られるべきことが、ごちゃまぜで「性についての話」と語られるから、隔たりやねじれを感じます。 先ほどの女性向け風俗の利用の話に戻るのですが、性欲を満たしたいという気持ちと、セックスでのコミュニケーション不全を解決したいという、まったく次元の違う問題を一度に解決しなければならないという、とても難しい役割を、今の女性向け風俗には求められていると思います。 男性向け風俗の場合、多くは射精をゴールにしているのに対して、女性向けはそうではない。 この複雑さによって、女性向け風俗の経営者やキャストたちに求められるレベルが高くなり、それにより利用者の欲求を満たせるハードルも高くなっているのではないかと。 あくまで個人的な意見ですが、今後女性向け風俗市場が拡大するためには(私は広まってほしいと思っているので)、こんなことが必要なのではないでしょうか。 ・女性がコミュニケーションを求めるのか、欲求の解消を求めるのか、またそれ以外のものなのかということを、まず女性が気づくこと。 ・女性の欲求に対して、その解決に特化したサービスが作られること。 もちろんこれだけではないですが、より女性が自分自身に満足できるようになるためには、必要なことだと思います。 というわけで、「性」に関してもやっとしていることがある人は、どの「性」にもやっとしているのか、いま一度自分に問いかけてみるのはいかがでしょうか。

5年間の歩みを振り返る③【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第23回】

2019.01.11 Vol.Web Original

 さて前回までに、スマートフォンによって、女性とアダルトコンテンツの関わりがいかに密になってきたかということをお話ししました。  今回は、どのようなコンテンツが求められているかということから、女性向けアダルトを見ていきたいと思います。  女性がアダルトにアクセスすることのハードルはこの5年でぐっと下がり、それに伴いアダルトの映像それ自体に対して、女性も幾分か見慣れてくるようになってきました。  SILK LABOが定義した丁寧なドラマ作品を好む女性ももちろん多いのですが、「それだけでは物足りない」「もっとこういうジャンルが見たい」という意思をもったユーザーが、特にこの2~3年は増えてきたように感じます。  GIRL’S CHでの人気ジャンルも常に「イチャイチャ」と「無理やり」が人気を二分している状況です。  オリジナルで制作している新作でも、「無理やり」「凌辱」といった以前よりハードな作品も売れるようになってきました。  ハードな作品というと、「男性向けとどう違うの?」と言われることがありますが、企画内容自体で男性向けと女性向けをわけるのは難しいように思います。  たとえばTシャツって同じ型だけど、色使いとか柄とかによって、女性が好むタイプと男性が好むタイプが分かれたりするし、男女どちらも着られたりします。  AV作品もそういうところがあって、同じ企画でも出演者やシチュエーションなどによって、女性が好む内容になったり、男性が好む内容になったりします。  なのでGIRL’S CHの最近の作品では、これまで男性向けの作品として作られた企画を、より女性が見やすくなるにはどうすればいいのか(たとえば出演者をイケメンにするとか、凌辱といえど互いの同意がある描写を入れるとか)というところを工夫しているので、ハード=男性的、というわけではないんですね。  これがキーワードの3つめである、「作品内容のハード志向」です。  この5年間で、女性ファンの見たいものが明確になり、さまざまなジャンルに興味を持ったり、自分の欲求を自身で認められるようになってきた方が増えたような印象です。  そしてこの5年間を紐解く最後のキーワードは、GIRL’S CHの特徴でもあるのですが「男が責められるジャンルの開拓」です。  これまでの女性向けAVでは、カッコいい、隙のない男性が描かれることが多かったのですが、そんなイケメンが感じてめちゃくちゃに取り乱すような姿を描いた作品の支持率が非常に高いのです。  サイトオープン当初から「男子のくすぐりガマン顔いただきます」という企画や、2016年にシリーズを始めた「街角素人男子悶絶マッサージ」などをリリースしてきましたが、感じる男性を中心にした作品は、男性向けAVの世界ではありえませんでした。  それらのような、これまでとは全く違った作品の方向性を打ち出せたことは、GIRL’S CHの5年間の歩みの中でも大きな一歩だと思います。  今回はあくまでGIRL'S CHと女性向けアダルトコンテンツ、という視点でのお話でしたが、私たちが取り組んできたこと以外にも、他社さんでカップル向けAVが作られたり、男優さん自身がイベントを開催して女性ファンとの交流をしたりと、女性向けのアダルトコンテンツをめぐるさまざまな動きがありました。  そして、私自身この5年間を通して一番強く感じることは、「女性ユーザー自身の変化」です。  5年前はしきりに「性欲があることは恥ずかしいことじゃないよ」と言ってきましたが、今のユーザーの皆さんは、自分たちの好きなものに対して以前よりも自信をもっているように感じます。  いかに罪悪感をなくすか?いかに周りの目を気にしないでコンテンツを楽しめる環境を作るか?がサイト立ち上げ時の第一の課題だったと認識していましたが(もちろん今でも忘れてはいけない部分です)、今ではそれを解決するだけでなく、その先にある「どんなものが欲しい」「どんなことをしたい」という部分まで考えることができるようになってきたなと。  これからの5年間は、私たちがこれまで作ってきた「女性向け」の概念をぶち壊し、どんな女性でも、自分にあった性を満喫し、アダルトコンテンツを楽しめるように、より幅を広げていきたいなと思っています。

5年間の歩みを振り返る②【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第22回】

2018.12.28 Vol.Web Original

 前回に引き続き、GIRL'S CHが歩んだ女性向けのアダルトコンテンツの5年間を紐解いていきたいと思います。  さて、この5年間における女性向けアダルトコンテンツの特徴を示すキーワードは、主に4つ。  まず1つ目は、「スマートフォンの普及」。  総務省によると、スマートフォンの個人保有率はこの5年間で爆発的に伸びたそうです。  2011年は全体で14.6%だったのが2016年には56.8%に。  GIRL'S CHのユーザー層にもっとも多い30代で見ると、2011年は28.9%だったのが、サイトオープン時の2013年には72.1%、2016年の時点で90.4%という驚異的な数字を叩き出しています。  かつてはAVを見る方法といえば、もっぱらVHSやDVDが主流で、専門ショップに出向き購入するか、レンタルショップの成人向けコーナーでレンタルするかのどちらかでした。  作品を手にすることはもちろん、特に家族と住んでいる人にとっては視聴することも難しい環境ですね。  ところがスマートフォンの普及によって、配信された動画をスマートフォンの画面で見る、という視聴方法が主流に。  購入から視聴まで自分のスマホ画面の中だけで済むため、店舗へ行くことの時間的、場所的なコストやリスクはもちろん、視聴できる環境も限られることはなくなり、人々がアダルトコンテンツを見る環境は大きく変化し、非常にアクセスしやすくなりました。  同様に、GIRL’S CHもスマートフォンの普及とともに会員数を伸ばし、オープンから2年ほどで利用者数が月間100万人をこえるまでになりました。  一方で、スマートフォン普及の弊害ともいえるのが、2つ目のキーワードである「違法アップロード動画まとめサイト」です。  違法アップロード動画自体は、スマートフォンの普及前からずっとあったのですが、そういった動画を紹介する「まとめサイト」が乱立し、特にこの3~4年は女性をターゲットにしたまとめサイトが増えてきました。  GIRL’S CHで実施しているような細かいカテゴリ分けやシチュエーションがわかるようなタイトル付けなどの手法を利用して、違法アップロード動画を紹介するサイトですね。  これにより、無料で見られる違法アップロード動画が、女性に見やすいように整理されてしまい、より多くの女性の目に触れることになりました。  奇しくも違法アップロードによって、女性にアダルトコンテンツが拡散していく結果となったのです。  違法アップロード動画が見られることによって、本来なら販売して得られる利益もなく、利益がないから次に作る作品の内容や製作本数も限られてしまい、という悪循環が発生するため、メーカーや出演者にとっては大きな痛手です。  近年ではそれを理解してくれるファンの方も多く、ちゃんと購入してくれる方が増えてきたようには思いますが……。  そういったメーカーにとっては悪でしかない違法アップロードですが、その影響で女性がAVを見るハードルがだいぶさがったということも、残念ながら事実です。  キーワード後編は、次回へ続きます。

5年間の歩みを振り返る①【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第21回】

2018.12.14 Vol.Web Original

 今年の初めに、「GIRL’S CHは5周年を迎えます」というようなことを記事に書いたのですが、年があけるともう6周年になっちゃいます。  今年は一年、5周年ということもありいろいろとキャンペーンみたいなことをしてきました。  500円でオリジナル動画100本以上が見れる見放題キャンペーンとか、アダルトグッズのセット販売とか。  5周年だからというわけではありませんが、オンラインサロンを始めたり、毎月新作発売記念イベントを開催したり、公開収録やオークションなども実施しました。  また、長瀬広臣くんという大型ラブメンのデビューもありましたね!  そんな5周年のしめくくりともいうべき、5周年記念作品集が、先月末に発売されました。(現在はGIRL’S CHサイトのみで先行販売中です!発売と同時に収録作品の人気投票も開催中なので、ぜひサイトを覗いてみてください。)  せっかくなので今回は、GIRL’S CHのオープンから5年間の、女性向けAVとGIRL’S CHの歩みを振り返ってみたいと思います。  さて、GIRL’S CHが始まるより前から女性向けのAV自体は存在していました。  代表的なものとしては、ご存知の方も多いかと思いますが、2009年にスタートした女性向けメーカーのSILK LABOです。  一徹さんや月野帯人さんなど「エロメン」と呼ばれるイケメン男優を中心に、物語の導入部を丁寧に描いた作品作りで、多くの女性の共感を得ました。  現在でも毎月新作がリリースされ、新人エロメンのデビューもあり、女性向けAVをけん引するメーカーのひとつです。  これまで男性向けのコンテンツばかりだったアダルト業界において、SILK LABOは女性向けAVの定義を作りました。  一方GIRL’S CHですが、最初から「動画サイトを作ろう」という目的で始めた事業ではありませんでした。  ソフト・オン・デマンド(以下SOD)として女性市場のさらなる開拓はできないものかと、「まずは女性をたくさん集める」ためにサイトを立ち上げようというのがスタートでした。  一体どうしたらより多くの女性が集まるのか?  女性が興味のあるコンテンツとは何か……ファッション、占い、イケメンなど、アイディアは思いつくものの、SODには弱いジャンルばかりです。  じゃあどんなコンテンツならSODの強みが活かせるのか?  それはやっぱり動画でしょう、というわけで、女性向けの動画配信サイトとしてより多くの女性を集めようという方向で、サイトの立ち上げが始まったんです。  そして「AV1,000本が無料で見れる女性向け動画サイト」という、作品の多さや手軽さをサイトの売りとしてスタートしたのです。  次回は、4つのキーワードでGIRL'S CHの歩んだ5年間を紐解いてみたいと思います。

「黒服ドレッサー」が示したもの【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第20回】

2018.11.23 Vol.Web Original
 11月8~11日に、劇団Rexy第7回公演「黒服ドレッサー」が上演されました。  TOKYO HEADLINEさんにはゲネプロの様子も紹介してもらいましたね。  私の記事を見てくださっている方は、劇団Rexyの名前は何度も聞いたかもしれませんが、念のため補足すると、我々GIRL’S CHとSILK LABOに出ている男性出演者を中心に、2015年に立ち上げた劇団です。  ですので、出演者も女性向けのアダルトコンテンツに出ている「エロメン」「ラブメン」と呼ばれる人を中心に、イケメン揃いの舞台を展開してきました。  今回の「黒服ドレッサー」でいうと、立ち上げからずっと出演している有馬芳彦さんはもちろん、先週ご紹介した長瀬広臣さん、SILK LABOのエロメンとして活躍していて今回舞台初挑戦の及川大智さんなどです。 「舞台上で必ず裸になる」というのも売りです。  昨年から取り組んでいる「風呂ダンサーズ」シリーズでは、出演者がほとんどパンツ一丁の状態で物語が繰り広げられます。  揚げ句の果てに、桶や手ぬぐいで股間を隠しながらのダンスまで披露。  ところが今回は、それらのRexyの特徴を封印した作品でした。  ギャグシーンを除き脱ぎのシーンはありませし、出演者も本番中はちゃんと服を着ています。(当たり前ですが…)  また、これまでの男だらけの集団から一転、女性キャストがふたりも登場。  主人公が本格的な女装をするなど、イケメンを見て楽しむ舞台から方向転換を図ろうとした作品と言えるかもしれません。  これまでの劇団Rexyのような作品を期待してきた観客の方にとっては、意外な内容だったことでしょう。  それでも今回は、いつも以上に劇団Rexyの“生もの感”の強い作品だったと思います。  何よりその“生もの感”を強く感じる存在は、有馬芳彦さんの体を張った表現に起因するものではないだろうかと。  今回の有馬さんは、物語中で登場人物の男たち全員に敵視されているNo.1キャバ嬢を打ち負かすために、女装してNo.1を奪取しようとするという役どころ。  作品中では実際にフル女装をして登場するのですが、これがなんとも美しい。  登場シーンでは観客から歓喜のため息がこぼれました。  また、いつもは作りこんだ芝居が多い有馬さんが、今回は一発芸やモノマネなど、アドリブ的なパフォーマンスにも体当たりで臨んでいました。  まさか有馬芳彦がふなっしーになる日が来るとは…。  こんな有馬さんの姿は、長年のファンの方も初めて見たのではないでしょうか。  舞台は、セリフや動きや舞台美術など、あらかじめ決められている部分が大きいと思いますが、一方AVでは、決められないまま出演者や技術スタッフの対応力に支えられる部分も大きいです。  もちろんドラマ作品などで、セリフや設定が細かく決められているものもありますが、カラミの撮影では、女優さん男優さんの反応や、アクシデントなどによって、予期せぬ展開になることも。  そんな生生しさがAVの特徴であり良さだと思うのですが、今回の劇団Rexyでは、そのAVの良さが活かされた、ライブ感のある舞台だったなと思います。  裸もなくセクシーな要素も極めて少ない作品でしたが、そういった意味で最もアダルトコンテンツと近い作品になったような気がしています。

デビュー作は“初舞台”長瀬広臣インタビュー【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第19回】

2018.11.09 Vol.Web Original
 今日11月9日、GIRL'S CHから新しいラブメンがAVデビューします。  役者の経験を経てAVで1番を目指す長瀬広臣くんに、デビューにあたっての意気込みを聞いてみました。

女性限定イベントをしました【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第18回】

2018.10.26 Vol.Web Original
 先日10月22日、GIRL’S CHのイベントの一環として、バーでのイベントを行いました。  普段バー営業しているお店を一日お借りして、女性限定で16時~23時まで、私がホステスを務めさせていただきました。  8席(+補助席)という限られた席ではあるものの、ほぼ満席状態で、一時は立ち飲みでの対応になってしまったりもして、なかなか盛況だったと思っています。  今回のイベントは、これまでで初めて、GIRL’S CH側の人間が私だけというイベントでした。  普段はラブメンや男優さんをゲストに呼んで、そのファンの方がイベントには多く来てくれていたのですが、今回はゲストもなく、本当に人が来てくれるのかと不安でしたが……いつもイベントに顔を出してくれているラブメンファンの方はもちろん、今回のイベントが初めてという方も半数近くいらっしゃって、小さくではありますが幅を広げられたイベントだったのではないかと思います。  初めての方の中には、女優さんのファンだという方、女性向けAVに興味がある方、アダルト業界に興味のある方、中には全く内容を知らず友人に連れてこられた方まで。  私もお話させていただきましたが、お客様同士での交流も活発で、活気溢れる店内となりました。  第二回、第三回と検討していきたいと思いますので、女性の方は是非。  さて、このようなイベントに来る方は、普段できないようなAVの話やセックスの話をしよう!と積極的な姿勢の方が多いです。  個人的な話になりますが、私は疲れたり落ち込んでいると性欲がなくなるタイプの人間で、行為はもちろん、考えたりするのも億劫になったりします。(こんな仕事してるのに!)  だからこそ、性に関して前のめりに話すのって、すごくエネルギーがいることだと思うんです。  今回もたくさんお話してくれる方が多く、GIRL’S CHのユーザーさんや女性向けAVファンの皆さんは、とてもエネルギーがあるなと感じました。  だからこそ、私たちの話していることって、世間から見たらアグレッシブなほうだと思うんです。  セックスでイク・イカないとか、中イキできるかどうかとか、悩みや自分がどういう状態かなど、詳しく話をしてくれますし、話し合いたいスタンスでいることが多い。  だからこそ、自分の思いをしっかりと発言する人が多いのですが、声が大きいからと言って、マジョリティというわけでもありません。  アグレッシブなのもひとつの意見、反対に、声をあげない、興味があまりないというのもひとつの意見で、それぞれのスタンスが違うだけだと思います。  なので、「自分はセックスやAVの話全然語れないけど……」という方も、是非イベントに来て、楽しんでいただければと思っています。  ましてや、たまたま私たちの声が大きいだけなので、性に興味のない女性、積極的に発言しない女性も、決して自分たちが間違っている、とか、遅れている、というようには思わないでほしいのです。  もちろん、私たちのような積極的な人間に対しても、「エロい話ばかりしていて下品!」とか軽蔑をしないでほしいですしね。  自分の性に対するスタンスを崩してほしくないなと思いますし、お互いに認めあいつつ、イベントを楽しんでもらえればよいかなと思います。  そんな感じで、イベントの夜も更けていき、最終的には初対面の人もおなじみの人も仲良くなっていて、女性同士ってほんとすごいな、と思いました。

美しさがすべてを解決するわけではない【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第17回】

2018.10.12 Vol.Web Original

 前回書いた、女友達との集まりに行ってきました。  家に到着すると、すでに先に来ていた友人とその子供たちは大騒ぎ、普段目にしない光景に思わず「帰りたい…!」と思ってしまいました。  2歳児二人に0歳児が一人で、走り回るし何でも口に入れるし、片付けては散らかし……。  大人たちがご飯を食べていても、子供は途中で遊び始めたり、物を落したりこぼしたり、母親たちはまあ落ち着いていられない。  毎日こんな闘いを繰り広げている友人たちは本当にすごいなと思いつつ、私にはやっぱり無理だな、とより強く思った一日でした。  友人のうち一人は育児に専念しているのですが、他の二人はもう仕事を再開していました。  二人とも夫は働いているので、シッターさんや保育園を活用しながらの仕事です。  育児をしながら働くなんて、想像しただけでも大変そうです。  単純に、一日仕事をして、たとえ時短で働くとしても、帰ってからさらに育児をやるなんて、一人で二人分以上の作業をこなしているのでは?と……。  ところで、今週の月曜は体育の日でしたが、「現代女性は運動の機会が減っている」というニュースがありましたね。  ながら見だったので、細かい部分まで理解していないかもしれませんが、育児や社会進出の影響で、現代女性は忙しくて運動をする時間を作ることが難しい、という内容だったと思います。  それに対しての解説員のコメントが、全く私には理解できなかったのですが、皆さんはどうでしょう?  解説員いわく。  運動はトレーニングというイメージがあるから、女性にとっては筋肉が付きやすくなって不恰好になるというふうに思われている、だから、女性はエステなどの美容にお金や時間を使ってしまいがち。  トレーニングをしたら美しくなれるという意識改革が必要ですね。  とのこと。  正直、「何言ってるの??」と思ってしまいました。  まず、このニュースの本質は、女性の負担が大きすぎる、その軽減をするべしというところだったと思います。  それに対して、女性自身がもっと運動に時間を使うべきという意見。  いろんなことで忙しいのに、さらに社会のためだか、世界規模での日本の成績アップのためだか、「もっと動け」と。  そもそも、昨今の筋肉・筋トレブームから、筋トレをすることでスタイルアップが期待できるということは女性にとっては当たり前なのでは。  少なくとも私が思春期の頃から、ファッション誌のダイエット特集には必ず筋トレのコーナーがありました。  トレーニング=美につながるというイメージって、もう定着してると思うんです。  この「意識改革が必要」という意見って、ずいぶんと現状と乖離していると思うんですけど。  さらに言うと、なぜこの解説者は、女性のモチベーションがすべて、「美しくなりたい」という欲求だとするのでしょうか。  もちろん美しくありたいと思っている女性は多いでしょうが、その考えが全てではないですし、美しければ全てが解決するわけではないことは、女性たち自身はもうわかっています。  そんなの、「オナニーすれば綺麗になれます」レベルの暴論です。  綺麗になれるという言い訳やモチベーションが、女性を動かすすべてではないです。  なぜ世の中は、女性にもっと「働け」「活躍しろ」と強いるのでしょうね。  活躍できる人はすればいいけど、そうでない人が無理をする必要なんてないでしょう。  育児をして、家事をして、さらに自分で仕事もして、そのために外見も整えたりして、睡眠時間を削って体調を崩している女友達を見ていると、私は「もっと休め」と言いたくなります。

子供が好きではない【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第16回】

2018.09.28 Vol.Web Original
 今週末、友人の家に遊びにいくことになってしまいました。  同い年の友人3名と会うのですが、私以外の3人は既婚者子持ち(ひとりは妊娠中)。  うーん、これは絶対に、話があう気がしない。  とはいえ、十年来の友達なので、絶対に行きたくない!とかではなく(会うこと自体は楽しみです)、ただ単純に「違う価値観の中に生きていそうだなぁ」というだけなのですが。  今年なぜか私のまわりは妊娠出産ラッシュです。  数えてみたら、9人、その半分が第二子だったので、まあ世代的には納得です。  こういうことを言うと人でなしのように思われるかもしれませんが、私は子供が嫌いです。  申し訳ないけど、友達の子供を見ても無条件にかわいいと思ったことはありません。  友達が産んだ子供だから大事にしたいという気持ちはあれども、子供それ自体を見て「かわいい~」と言えるまわりの人たちを見ていると、ああ、私はその感情が欠落しているんだな、と実感します。  もしかしたら、子育て中の女性が反感を持つ、「育児をしない男性」の心理のほうが近いかもしれません。  とはいえ、そんな自分に対して、自分自身を悲しいとか残念とか思うわけでもなく、私は一般的な価値観とはなんだかずれているようだな、と思うだけなのですが。  子供を可愛いとは思わないし、だからこそ子供が欲しいとも思わなくなりました。  幸い、仕事では名前(本名だし)や顔を出してやっているだけに、子供への説明や責任を考えなくて済むし、体を使う趣味(ダンス)もあるので、妊娠や出産でお休みしなくてもいいというのは、自分にとっては好都合です。  今でこそ、自分は産まなくてもいい、という気持ちになっていますが、以前は男性上司から手厳しく指摘されていたことがありました。 「女に生まれたのだから、子供を産んで家族の幸せを知ったほうがいい」 「子供がいないお前は半人前だ、そんな人間の話は聞かない」  当時はこういったことを言われて、子供がいない私は上司を満足させる仕事は一生できないかもしれない、ということを悩み心を病んでしまっていました。  仕事もできない、私生活でも結婚や出産という慶事から離れている、公私ともに落ちこぼれだなと自分で自分を追い詰め、焦っていました。 (今でこそ、ずいぶんと暴力的な発言をされていたものだなあと思うのですが……)  そんなことを毎週のように言われていた時期を経て、今では自分自身には向いていないということもあって、結婚、妊娠、出産は興味がない、と思っています。  前に、「この仕事についてからどんなひどいセクハラを受けたか、思い出せない」というような記事を書いたものの、最近になってこのエピソードを思い出してしまいました(笑)。  自分で自分が悪いと思い込んでいたのかもしれませんね。  そう思わないとつらくて自分を保てなかったので。  結婚すること、出産すること、家族を持つことが当然の幸せだという常識が、早く崩れればいいのに。

生と死と裸【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第15回】

2018.09.14 Vol.Web Original
 もう2週間前のことになりますが、8月31日~9月2日に、劇団Rexy第6.5回公演「禁断の果実」が開催されました。  そもそも6.5回ってなんぞ?という感じかもしれませんが、今回は朗読劇の形式での作品だったため、本公演とは違った位置づけでの公演となっています。  朗読劇といっても、Rexyがやるからには、ただ読むだけでは終わりません。  劇団Rexyについては、このコラムでも過去に取り上げたので、記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんが、女性向けAVの出演者を中心に立ち上げられた劇団です。  これまで6回本公演を行ってきましたが、コメディ、時代劇、BL原作など、さまざまなタイプの作品を扱ってきました。  共通点は、劇中に脱ぐシーンがあること。(もちろん法律で認められている範疇で!)  特に前回前々回の「風呂ダンサーズ」は、客演のメンバーも含め全員で文字通り裸一貫でのパフォーマンスを見せ、Rexyの代表的な作品となっています。  今回の朗読劇「禁断の果実」は、ひとつの部屋に集められた4人の死刑囚たちの物語。  刑務所を出られるという条件につられた4人だが、部屋の中には林檎と、手紙があるだけ。  部屋の中にあった林檎をかじると、男たちは次々と服を脱ぐ。  すると、部屋の鍵があき次の部屋へ。  しかし、次も同じような部屋……「部屋を出たければ協力して読め」という手紙の指示に従い、4人は不思議な物語を朗読し始める……。  朗読劇といえども、動きのあるシーンも多く、会場はいつものRexyらしく笑いと熱気につつまれました。  いつもは明るいコメディが多いRexyですが、今回は生と死を連想させるダークな物語。  死刑囚が自分の罪を振り返り、これからの人生どういう心持で生きていくかということ描いているのですが、私には自殺に向かう人間の作品に見えました。  何らかの原因で死を選んだ4人が、これまでの人生を振り返り、自分がどのように生きていくか、これからどうやって生きていくか(あるいは、生きることを諦めるのか)。  登場人物それぞれが向き合うことになる“ありのままの自分の姿”を、服を脱いだ状態で表現したのでは、と。 (あくまで個人的な見解です。)  また、今回は観客参加型で4種類のマルチエンディングになっていました。  観客は彼らの舞台の上での生き様を見て、エンディングの手前で審判の時間を設けられます。  演じるほうも、見るほうも、精神的に大きなプレッシャーがかかる舞台だったのではないでしょうか。  公演後はツーショットチェキの撮影もあり、いつものイベントのような側面もあったのですが、参加された皆さんは、もしかしたらいつもと違う気持ちで撮影されていたかもしれませんね。  というわけで、次回の劇団Rexy本公演は、11月を予定しています。  今度はどんな笑いが、涙があるのでしょうか?  とりあえず、裸があることだけは確定でしょう!(笑)

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