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澤田育子と藤田記子による演劇ユニット「good morning N˚5」が15年目にして初のザ・スズナリ公演

2022.10.18 Vol.752

 拙者ムニエルの澤田育子とカムカムミニキーナの藤田記子が2008年に「面白いことがやりたい、というか、面白いことしかやりたくないッ!」を合言葉に結成したユニット「good morning N˚5」が今年で15年目を迎えた。今回は「祝・結成 15 年目突入記念秋公演」と銘打った今年2回目の公演となる。

 本作は澤田の新作書下ろし作で意外にも初のザ・スズナリ殴り込み。所属劇団や客演等でスズナリという劇場を知り尽くした彼女たちならではのアイデアなのか? 今回は「4Dシート」なる、作品にグッと前のめり感で参加できる席を用意。体感型御参加グッズとオリジナルトートバッグはつくが強引な客いじりなどはないとのことなので、そういうのが苦手な方も至近距離で「むふふ」とほくそ笑みながら観劇できるので安心だ。

 今回もラサール石井、鳥越裕貴ら実力派の客演陣が参加。音楽は2020年の『ただやるだけ』から4作連続となる中村中が担当する。

 また公演期間中には前回公演からスタートした澤田による無計画&無駄トーク企画「サワダラゲバーク・イクコミューン」が同時開催される。

小泉今日子プロデュースの舞台「ピエタ」が2023年夏に東京・下北沢の本多劇場で上演。脚本・演出にペヤンヌマキ

2022.09.15 Vol.Web Original

直木賞作家・大島真寿美の同名小説を舞台化

 小泉今日子がプロデューサーを務める舞台、asatte produce「ピエタ」が2023年夏に東京・下北沢の本多劇場で上演されることが9月15日に発表された。

 同作は2019年に直木賞を受賞した大島真寿美の同名小説を舞台化するもので、原作は18世紀のヴェネツィアを舞台に作曲家ヴィヴァルディを取り巻く女性たちの姿を描き、2012年本屋大賞第3位に選ばれた。今回は劇作家・演出家・映像監督で演劇ユニット「ブス会*」の主宰を務めるペヤンヌマキが脚本・演出を担当する。

 今回の上演にあたり小泉は「2020年、新型コロナウィルス第一波の混乱の中、数多の舞台作品が公演中止を決断し、幻と消えていきました。asatte produce『ピエタ』もその一本です。『ピエタ』舞台化は会社設立時から叶えたかった夢のひとつでした。18世紀のシスターフッドであるこの物語を、信頼する友人ペヤンヌマキさんとタッグを組んで作れるなんて!なんと嬉しく頼もしいことでしょう。まだまだ先ですが、嬉しさのあまり発表させて頂きます」、ペヤンヌマキは「小泉今日子さんが長年温めてきた『ピエタ』舞台化の脚本と演出を任せていただけるなんて、私はなんてラッキーなんだと思い続けて時が経ちました。当初予定していた2020年は延期になってしまいましたが、私の中でラッキーは続いています。原作の大島真寿美さんの小説『ピエタ』は18世紀ヴェネツィアが舞台です。孤児、貴族、高級娼婦という身分や立場の違う女性たちが導かれ絆を深めていくという物語は、私がこれまで描いて来たテーマにも相通ずるとおこがましくも思っております。小泉さんの思いが詰まった舞台が、2023年夏、ついに実現します。お楽しみに!」とそれぞれコメントしている。

 同作は2020年に上演予定も新型コロナウイルスの影響により企画を変更し、ライブ、朗読、子供向け演劇など14企画23公演を行った「asatte FORCE」という企画の中の1演目として朗読として上演された。

ゲイの男性2人と彼らと深い関わりを持つ1人の女性との時代を超えて描かれるラブストーリー『The Pride』が日本では約11年ぶりの上演

2022.07.26 Vol.Web Original

 PLAY/GROUND Creation #3『The Pride』が現在、東京・赤坂RED/THEATERで上演されている。

 同作はイギリスの劇作家アレクシ・ケイ・キャンベルが2008年に執筆し、イギリスで最も権威のある演劇賞とされるローレンス・オリヴィエ賞を受賞した戯曲。日本ではTPTが上演して以来、約11年ぶりの上演となる。

 物語は1958年と2008年のふたつの時代を交錯しながら展開。50年間の空白を挟み、ゲイの男性2人と彼らと深い関わりを持つ1人の女性との、時代を超えて描かれるラブストーリー。

 1958年はフィリップとシルヴィアは夫婦関係。そこにシルヴィアの仕事仲間のオリヴァーがやってきて、オリヴァーとフィリップは恋に落ちる。だが、「同性愛は病気」とされたこの時代。そんな当時の社会のタブーに立ち向かう活力のあるオリヴァーとは対照的に、フィリップは自らの立場と社会から向けられる視線に苦しむことになる。

 2008年ではオリヴァーとフィリップは恋人同士。だが、オリヴァーの行動が原因で2人は別れてしまう。他の男性と性的な関係を持つことがやめられないオリヴァーと1958年の出来事からどこかに罪悪感を抱えたまま2008年を生きるフィリップ。2人の共通の友人であるシルヴィアはそんな2人を見かねて、彼らをそれぞれプライド・パレードに誘うのであった。

劇団鹿殺しの活動20周年記念公演vol.2『ランボルギーニに乗って』が7月8日からスタート

2022.07.05 Vol.751

 鹿殺しは座長・菜月チョビが関西学院大学在学中にサークルの先輩であった代表・丸尾丸一郎とともに2000年に旗揚げした劇団で昨年、実に活動20周年を迎えた。

 彼らは2021年-2022年を「劇団鹿殺し20周年YEAR」と銘打ち、昨年は活動20周年記念公演第一弾として『キルミーアゲイン’21』を新宿・紀伊國屋ホールと大阪・IMPホールで上演。今回はその第2弾で新作書下ろしとなる。

 20年の間、本公演、特別公演、全国ライブハウスツアー、プロデュース公演とさまざまな形態で59の公演を行ってきた。この驚異的な公演数を実現できたのも、彼らの「劇団力」の賜物。昨今の劇団では珍しく、多くの劇団員を抱えつつ、新しい血の導入も怠らない。劇団として結束しながらもこじんまりとまとまることはなく、外部との交流も盛んに行い、今回も松島庄汰、河内大和、多田直人(キャラメルボックス)、谷山知宏(花組芝居)といったさまざまなシーンで活躍する俳優たちをゲストとして迎える。

 今回の公演にあたり、座長の菜月チョビは「集大成のような『キルミーアゲイン’21』と対比して、こちらは20年目の旗揚げ公演のような姿勢で臨んで参ります」とコメント。ここからまた新たな鹿殺し伝説をスタートさせるつもりだ。

こんな時代だからこそ演劇が見たい 三栄町 LIVE×黒田勇樹プロデュース vol.12 『黒田薔薇少女地獄』(仮題)

2022.06.15 Vol.750

 TOKYO HEADLINE WEBでコラムを連載中の脚本家・演出家、そして俳優の黒田勇樹と三栄町 LIVEのプロデュースによる新作が6月に上演される。

 これまでも意欲的に演劇のあらゆる可能性を追求してきた黒田なのだが、今回もかなり挑戦的な作品になりそうだ。

 というのも、現在分かっているあらすじは「『擬人化、BL 百合…世界には次々と新しい演劇のジャンルが生まれている』 人気の社会派百合劇団“黒薔薇少女地獄”の公演を目の当たりにした、売れない演出家 黒田・アル ベロ・コラッジョーゾは『おれもいったんやってみよう』と、劇団員を集め、新しい作風に挑戦していくが…」というものなのだが、「黒薔薇少女地獄」というのは実在する劇団で「黒田・アル ベロ・コラッジョーゾ」というのはどう考えても黒田勇樹? 実際、今回の公演にあたっては出演者オーディションを開催するなど、いわゆるメタフィクションの体裁を取る作品と思われる。

 その場合、黒薔薇少女地獄という劇団のイメージを壊さない作品になるのか? それとも徹底的にいじりまくるのか? 幕が開けるまでさまざまな「?」が頭の中に浮かぶ作品となりそうだ。

 なお黒田は現在、SHOWROOMで「黒田勇樹のオルタナティブTV!」を配信中で本作の情報も随時そちらで発信していくとのこと。 

ブロードウェイミュージカル『RENT』開幕 変わらぬ「大切なのは、今」のメッセージ

2022.05.19 Vol.Web Original

 ブロードウェイミュージカル『RENT』の来日公演が18日、渋谷の東急シアターオーブで初日を迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大による2度の中止を経て実現した、待望の公演だ。 

 オペラ『ラ・ボエーム』を下敷きに、孤独やAIDS危機に翻弄されながらも、懸命に生きる若者たちのストーリー。ニューヨークのイースト・ヴィレッジが舞台で、1989年のクリスマスから翌年のクリスマスまでの1年間を描いており、荒廃したアパートには映像作家志望のマーク、シンガーソングライターを目指すロジャー、ナイトクラブダンサーのミミら、自身の夢や希望、孤独、病への恐怖を胸に暮らしている。彼らは家賃(レント)も払えないぐらい貧しくて……。

氷川きよし、明治座公演の舞台は「18世紀フランス」オスカル風の華麗なビジュアル公開

2022.02.26 Vol.Web Original

 今年いっぱいで歌手活動を休止する氷川きよしが、6月3日より東京・明治座で座長を務める『氷川きよし特別公演』を行うことが発表された。

まさに総合芸術!ミュージカル『天使について〜堕落天使編〜』

2022.02.03 Vol.749

 韓国で生まれ大ヒットしている話題の二人芝居型ミュージカル『天使について〜堕落天使編〜』が2月、港区の自由劇場で上演される。

 天才芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが残した歴史的な芸術品の誕生の秘密をたどるミュージカル。作品の創作に苦しむダ・ヴィンチのもとに、新米天使のルカと堕天使のヴァレンティノが降臨。ルカとヴァレンティノ、ダ・ヴィンチ、そしてダ・ヴィンチの助手ジャコモも加わって、2人の天使と2人の人間が絡み合い騒動が巻き起こる。

 韓国生まれの本作を、日本人キャストのトリプルキャスト編成で上演。人気上昇中のダンス&ボーカルグループのTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEでボーカルを務めるRIKU、Leadの鍵本輝、2.5次元舞台などを中心に数多くの舞台に出演中の古谷大和、中村太郎、ドラマやストレートプレイ、ミュージカルなど幅広く活躍している実力派の鈴木勝吾、石井一彰とさまざまな分野で活躍するメンバーが揃う。

 劇中では全23曲のミュージカルナンバーが登場。ロックからオペラのアリアまでとジャンルも幅広く、想像を超えた壮大な音楽で物語を綴る。RIKU、鍵本をはじめ、キャスト陣がどんな歌声をきかせてくれるのか楽しみだ。チケットの一般発売は2月5日から。

まさに総合芸術!KAATカナガワ・ツアー・プロジェクト 第一弾 『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』

2022.02.03 Vol.749

 

 2021年度よりKAAT神奈川芸術劇場では、新芸術監督・長塚圭史のもと、シーズン制を導入。春から夏をプレシーズン、秋からをメインシーズンと位置づけ、劇場に季節感とリズムを取り入れている。本作は1年目のシーズンの掉尾を飾るもので、長塚の芸術監督就任後、初の書き下ろし新作となる。

 物語は『西遊記』に想を得た、時空を超えた冒険譚。

 天竺を目指す道中で三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、馬の一行は時空を超えて神奈川県に迷い込んでしまう。そして困ったことに猪八戒は行方不明。どうやら県内各地で飲み食いに明け暮れているらしいということで、一行は猪八戒を見つけ出し、天竺への道へ戻るために県内各地域の伝説や昔話の世界を旅するというもの。

 また本作では「ひらかれた劇場」を目指して、劇場を飛び出し、より多くの神奈川県民やこれまで劇場に足を運んだことのない人々と出会うために、川崎、相模原、大和、厚木、小田原、横須賀の神奈川県内6都市を巡演。公演以外にもワークショップやトークイベント、レクチャーなどのアウトリーチ活動も行っていく。

藤原紀香が底抜けに明るいサザエさんを好演!回る磯野家も…舞台『サザエさん』

2022.02.01 Vol.Web Original

 俳優の藤原紀香、葛山信吾、高橋惠子、松平健らが出演する舞台『サザエさん』が、1月29日より東京・明治座にて開幕した。2019年、国民的人気作品「サザエさん」の10年後を描いて好評を博した舞台の第2弾。今回は完全新作版として、さらに未来となる10数年後の磯野家の日常を描く。

まさに総合芸術! Project Nyx『女歌舞伎 さんせう太夫~母恋い地獄めぐり~』

2022.02.01 Vol.749

 Project Nyxは新宿梁山泊の水嶋カンナが2006年に立ち上げた実験演劇ユニット。宇野亜喜良の総合美術、金守珍の演出を基盤に、不朽の名作から知られざる傑作までをも現代のパフォーマンスとして蘇らせている。さまざまなジャンルのアーティストが集い、演劇という枠を超え、音楽、舞踊、人形、アートが融合。新たなエンターテインメントが創造されている。

 今回は2020年に上演した女歌舞伎の第二弾。本作は不朽の名作である『さんせう太夫』を寺山修司と親交の深かった白石征が寺山の短歌を織り交ぜ書いた作品。

 この安寿と厨子王の物語は多くのドラマや映画、舞台にもなっているのだが、Project Nyxでは妖艶かつ華麗なビジュアルと個性派女優たち、さらに津軽三味線若手奏者・駒田早代、人形遣い・百鬼ゆめひなを迎え、スーパーロック・ネオ女歌舞伎として上演する。

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