黒田勇樹のハイパーメディア人生相談

第59回 8年ほど前から、うつ病を患っております

 こんにちは、黒田勇樹です。
 明日(23日)から舞台『こと〜築地寿司物語』が始まります。
 今回も幸いなことにたくさんのお客様に見ていただけるようです。ありがとうございます。
 現段階では25日しか空きがないようなんですが、お寿司とセットで築地でお芝居、なんてどうでしょう。
 お待ちしております。
 さて今週も始めましょう。

どうやったら、今の「動けない」状態から脱却できるでしょうか

ニックネーム:うさこ
性別:female
年齢:50

黒田さん、こんにちは。

この相談は、本来、医者にするべきであって、既に医者にはかかっているので、黒田さんにする相談ではないのかもしれませんが、文字にするだけでも、何かが見えてくるかな、と思い、相談させていただきます。

私は、8年ほど前から、うつ病を患っております。
会社でのあれこれが原因でうつ病になりました。
何度か、休職と復職を繰り返していました。
2年ほど前、大分よくなってきていて、薬も減らしていきましょうね、というときに、薬局に調剤事故をおこされて、オーバードーズしてしまい、うつの一番ひどい状態に戻ってしまい、また長期休職を余儀なくされました。
昨年、あと2ヶ月休職が続いたら、休職期間満了で、解雇されてしまう・・・というときに、会社が早期退職者を募ったので、渡りに船とばかりに、その早期退職制度を利用して、退職しました。
着地点が「何ら問題解決されていない職場に戻る」では、いつまでたっても、うつ病が改善されないだろう、という事も理由としてありました。

さて、会社に戻る、とう枷もはずれて、晴れて自由の身となって、季節も気持ちのいい秋。
しばらくは、オープンカフェにお茶をしに行ったり、映画を見に行ったり、と、自由を満喫していたのですが、一か月たった頃から、どうにも身体を動かすのが苦痛になり、ほとんど家のソファーで寝ている、という状態になってしまいました。
黒田さんの舞台やイベントも、行きたくて仕方ないのに、動けなくいる今の状態では行けず仕舞。
他の役者さんの舞台も、チケットは取ったものの、行けなかった、ということが何度かありました。
映画も、座席予約をしたのに、電車で10分くらい行けば映画館があるのに、行けない事も何回かあり、もう、予約を取るのも諦めてしまいました。

相談は、どうやったら、今の「動けない」状態から脱却できるか、です。
医者には相談しています。
まだ、心の体力と身体の体力が足りてないから、まずは、一日30分くらいお散歩をすることから初めてみたら、と言われているのですが、外に出ることができません。(まあ、寒い、ということもあるのですが)

夢、というか、早期退職できたおかげで実現させる目途がたち、5年計画で実行に移している目標はあります。

でも、動けないのです。
家事も主人任せです。
主人は、仕事から疲れて帰ってきても、晩ごはんを作って、洗い物もしてくれます。
それも、申し訳なく思っているのですが、台所に立つ気力もありません。
結婚して2年程度でうつ病になり、それからずっと、私のうつに向き合ってくれている主人に、申し訳なくて仕方ありません。
でも、動けないのです。

会社も辞めて、目標もあって、自由の身なのに「動けない」なんて、何を贅沢な事を言ってるんだ、と思うのですが、動けないのです。

なにか、動き出せるきっかけでもいいのです。
助言をいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。

「動けない」は、俺も何度か経験したことがあります

 動けないよね。動けないときは動けないよね。
 俺はしっかりお医者さんに相談したことがないので、自分がうつだったことがあるのかどうかは不明ですが「動けない」は、何度か経験したことがあります。

 例えば「お風呂に入れない」とか、理解されないよね。
 普通の人の行動が「お芝居を観に行く」=1ターンだとしたら、そういう動けない時期って、「お風呂に入る」とか、「電車に乗る」とか「靴下を履く」とか、それぞれが1ターンで、そのどれか一つでも失敗するともう劇場までたどり着けないというか。

 お医者さんの言っとる「散歩から」も、つまり何か行動しようとするとき、自分が1ターンで出来る範囲を少しずつ増やしましょう、ということなんだと思います。
「靴下履く」「家から出る」「帰ってきて靴下脱ぐ」で3ターンに感じるところをどうにか「散歩に行く」という1ターンと認識できるようにしていきましょう、ということなんだと。

 本当に調子悪い時は「お風呂に入る」すら、「服を脱ぐ」「お湯を出す」「体を洗う」等の数ターンに感じてしまったりするよね。
 で、まずいのがこの実際に自分が1ターンかかる事と、1ターンだと認識していることに誤差が出ちゃったとき。
 例えばこの「お風呂に入る」も、「お湯を出す」とかでつまずいちゃうと、

 つまずいちゃうんですよ! 中々お湯にならない、とか、お風呂場の床が冷たいとかそういうことで!

「お風呂に入ることすらできなかった」と、なってしまうんです。
 お風呂に入るを1ターンと認識してると「何もできなかった」になって、すごく落ち込むしどんどん何もできなくなっちゃうよね。
 こういう時に、このターン制をきちんと掘り下げて「いや、今日は服を脱ぐところまで1ターン行動出来た」と思うことが大事なんだと思います。
 なんでもいいから「今日は1ターン行動出来た」を繰り返していって、最終的には「お芝居を観に行く」を1ターンに出来るようになればいいんじゃないかな?

 散歩が寒くて難しければ、枕元にぬいぐるみでも置いといてそいつに「おはよう」って話しかけられたら1ターン行動できたことにする。
 そのうち、おはようだけでは飽きてくるはずだから「行ってきます」っつって散歩に出かけてみるとか、お芝居を観に行った帰りに感想を聞かせてみるとか。

 とにかくこの最小の1ターンを出来るだけ易しく設定してやって、それの成功を積み重ねていくところからだと思います。

 どうでしょう? 全然専門的な知識もない適当な回答ですが、ターン制導入すると、なかなか毎日楽しいですよ。

ターン制導入、いいですね。動けることが増えました。

ニックネーム:うさこ
性別:female
年齢:50

お返事、ありがとうございます。
こちらからの返信が遅くなりまして、申し訳ございません。

「動けないよね。動けないときは動けないよね。」
これだけで、涙が出てきました。
ありがとうございます。

「お風呂に入れない」
そう、これも理解してもらえないんです。
入れないんです。そうなんです。

確かに、「お芝居を見に行く」を、行って観て帰ってくる、を、1ターンとして考えていました。
で、最初の「シャワーを浴びる」で、つまづいてしまうんです。
「お風呂に入る」も、お風呂に入って上がって髪を乾かすまで、1ターンとして考えてました。
で、最初の、「浴槽を洗う」で、つまづいていました。

このお返事を書く前に、黒田さんに提案していただいた、「最小の1ターンを出来るだけ易しく設定」を試してみることにしました。

まず、朝6時に起きて、枕元のクマに「おはよう」を言えたら、自分を褒める、から始めました。
「おはよう」が言えたら、ベッドから起き出して、主人のお弁当の卵焼きを作る、まで出来ました。
この日はこれ以降は動けなくなってしまいましたが、でも、それだけ出来たことを褒めるようにしました。

次は「映画を観に行く」を、いくつものターンに分けてやってみることにしました。
まずは、電車で10分で行ける映画館を目標地点にしました。
最初につまづきそうになったのが「床暖でぬくぬく寝ている状態から起きる」、だったのですが、
「映画の前にラーメンを食べる」の「ラーメンを食べる」を止めにして、1時間多くぬくぬくしたら、やっと起きることができました。
この日はお風呂に入ってしまっていたので(これも最小ターンの積み重ねで成功しました)、あとは、服を着替える、お化粧をする、家を出る、電車に乗るを、一つ一つ褒めながら積み重ねて(お化粧は、アイシャドウと眉と口紅だけと、手抜きでしたが)、映画を観ることができました。

翌々日、電車で1時間かかる映画館まで映画を観に行く予定だったのですが、これは、さすがにスケジュールの詰め込み過ぎで、心の体力も身体の体力もついていけず、行けませんでした。
でも、これも、最小ターンで考えたので、最初の「起きる」が出来なかった、だけを考えることにして、
「電車で1時間かかる映画館に行く」は、次の機会の目標にしよう、と、思うことができました。

ターン制導入、いいですね。
動けることが増えました。

黒田さんにターン制を提案されてから、まだ一週間程度しか経っていないので、まだまだ、毎日全てが上手くいくわけもなく、朝起きられない日もあるし、朝起きられても、それを褒められなくて、動けないことだけを責めてしまう日もあります。
でも、「最小の1ターンを出来るだけ易しく設定」を積み重ねていけば、動けないことを責めてしまう日も、少なくなっていくのかな、と思えるようになりました。

ありがとうございました。

人生は素晴らしいんです。ケセラセラなんです。

 参考にしていただけたようで良かったです!
 まあ、ターン制自体も目安であり「そういう風に考えなきゃ」となってくるとまた追い込まれるので、これすらも出来る時だけで。
「1時間かかる電車に乗る」が、特に相談者さんにとってはかなりハードルが高いことのようなので、考え方を変えて、例えば僕ならば本当に色々面倒くさい時は、ビールを片手に遠回りして、「とにかく終点以外で乗り換えない」「目の前の電車が混んでたら次のを待つ」「急行とか一切乗らない」「バスがあったら出来るだけバス」等々「今日中に目的地につければいい」ぐらいの気持ちで出かけるようにしてみるといいかもしれないです。

 地球はね、勝手に回ってるんですよ!

 ビルゲイツすら、突然死んだって関係なく地球は回り続けるだろうし、多少の混乱は起きるかもしれませんが、人類が滅亡するようなことはなく、逆にどんなに相談者さんが起き上がって頑張ったところで隕石が落ちてきたらその瞬間にアボンです。

 アボンです!

 いいですか?つまり、何事も無責任でいいということではありませんが、出来る範囲である程度でケセラセラなんです。
 どんなに出来るか出来ないか考えても、出来ないことは出来ないし、それが原因で地球は滅亡しません。

 謝ることすらも「あとで謝れるときに謝る」!!!

「いつか元気になったら」とかも、今は考えないでいいです。
 元気になった時に「さて、何するか」で十分。
 朝、クマにお早うって言えた、卵焼き作れた、電車乗れた、映画観れた、そして地球が回っている。素晴らしいことじゃないですか。

 きっとね、そんな相談者さんの人生すら、こうやって俺に相談してくれて、それに俺が答えて、もしもさ、もしも同んなじ悩みを抱えてる人がたまたまこの連載をみて救われてたとしたら、とっても意味のあることじゃん。

 人生は素晴らしいんです。
 ケセラセラなんです。
 テキトーに行きましょう。

 なんか、自分のキャラがぶれてきて恥ずかしいので今回の相談ここまで!

最近の黒田くん

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他の連載も読んでね!「妄想的語源しらべぇ」

http://sirabee.com/author/yuuki_kuroda/

「身を固める前に言っておきたいこと」

http://medicalesthe.com/

「黒田勇樹殺人事件」FBページ

https://www.facebook.com/kurodayuukisatsujinnjiken

プロフィール

黒田勇樹(くろだ・ゆうき)

黒田勇樹(くろだ・ゆうき)

1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともに TBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。
山田洋次監督映画『学校III』にてキネマ旬報新人男優賞などを受賞。
2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパー・メディア・フリーター」と名乗り、ネットを中心に謎の活動を開始。
2012年3月には自身のことを記録した『非俳優生活100days』を刊行。 現在は「廃優」と名乗り、俳優業に復帰しているとの噂も。
公式サイト:黒田運送(株) http://yuukikuroda.com
Twitterアカウント:@yuukikuroda23

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