「全日本グラップリング選手権」UFCファイター佐々木憂流迦がフライ級で優勝

2015.10.26 Vol.653
『第1回全日本グラップリング選手権2015』(東京・GENスポーツパレス)が25日開催された。  国内の団体の枠を超え、フェザー級、バンタム級、フライ級にそれぞれ8選手、ライト級に4選手が参加。トーナメントで優勝を争った。  中でも注目を集めたのがUFCファイターである佐々木憂流迦の参戦。  佐々木は初めてのフライ級での試合となるが、参戦にあたり「試合間隔が空いていて、どうしても試合がしたいと思っていた。階級を下げてチャレンジするが、パフォーマンスは全然問題ない。間違いなく優勝を狙える。全試合フィニッシュを狙っていく」と話した。  試合は5分1Rで行われ、決勝のみ5分2R。クロスガードが禁止で、極めにいく姿勢が評価されるというルールで行われた。  フェザー級では1回戦で、「寝技世界一決定戦」ともいわれる『アブダビコンバット』に出場するなどグラップリングの強さには定評がある徹肌ィ郎が竹内稔に敗れるなど番狂わせも起こった。  佐々木は1回戦で竹中慎と対戦。終始上のポジションをキープするが、竹中は懸命に防御。しかし一瞬のスキを突き、残り4秒、フロントチョークスリーパーで一本勝ちを収めた。  続く準決勝は正田昭治と対戦。正田は1回戦で杉本寛樹を1分1秒、電光石火のアンクルホールドで破り、勝ち上がってきた。  佐々木はバックを取るやスリーパーを狙い続ける。正田は序盤に足関節を狙ったが、その後は防戦一方。佐々木が3-0の判定勝ちで決勝進出を決めた。  決勝に勝ち上がってきたのは八田亮。第2代ZSTフライ級王者で、今年2月の伊藤盛一郎戦を最後に総合格闘技からは引退していたが、「格闘技自体は好き。久しぶりに熱くなりたい。ZSTという団体で日本一の寝技の大会ができるということは僕の中でうれしいこと」ということで今回参戦を決めた。1回戦ではヒートたけしを33秒、ヒザ十字固め、準決勝では澤田健壱を38秒、下からの腕十字固めで秒殺とその実力にまるで衰えはなかった。  探り合いからもぐって足関節を狙う八田だが、佐々木はそこをしのぐとバックを取る。回転して逃れようとする八田だが佐々木は逃がさず背中に乗り、グラウンドへ。じわじわと首を取るや一気に締め上げ、1R1分38秒チョークスリーパーで一本勝ち。優勝を果たした。  ライト級決勝は太田裕之と渡部拳士郎が対戦。長い組手争いが続いたが、そのなかでも終始ロープに押し込み、ラウンド終盤に腕十字を狙った渡部が3-0の判定で勝利。  フェザー級決勝は中村“アイアン”浩士と竹内稔が対戦。竹内のタックルをつぶして上を取った中村が、竹内の下からの腕十字狙いをしのぎ、レッグロックで1R4分10秒、一本勝ちを収めた。  バンタム級決勝は嶋田裕太と村田卓実が対戦。1R、村田のタックルをいなし、逆にタックルで先手を取った嶋田は終始上のポジションをキープ。サイドからバックを取りスリーパー、終盤には肩固めと攻め込む。2Rも引き込んで足関節を狙う村田をつぶして上をキープするや、バックを取ってスリーパー。村田がしのぎ、下から足関節を狙うが、それを返してマウントからバックに回ってまたもスリーパー。終始主導権を握り続けた嶋田が3-0の判定で勝利を収めた。

ZST.45  GTタッグ王者決定トーナメントで宇野組と戸井田組が決勝進出

2015.04.13 Vol.640
 総合格闘技「ZST.45」が12日、東京・新宿FACEで開催。「第二代GT(グラップリング)タッグ王者決定トーナメント」の準決勝2試合が行われ、戸井田カツヤ、齊藤曜組と宇野薫、植松直哉組が勝ち上がり、「ZST.46」(5月24日、東京・ディファ有明)で行われる決勝に駒を進めた。
 総合格闘技でタッグマッチというZSTならではの試合形式。ルールは15分一本勝負。タッチは5回まで。時間内に勝敗がつかない場合はジャッジ3人による判定となる。
 戸井田、齊藤組はZST代表チームである牧野仁史、太田裕之組と対戦。参戦会見からその独特な話術とたたずまいで他チームを翻弄してきた戸井田、齊藤と「ZSTのグラップリングが一番すごいことを証明したい」という思いを持つ牧野、太田という、ある意味水と油の2チーム。
 戸井田組はじゃんけんで先発を決めるパフォーマンスで戸井田、ZST組は牧野が先発で試合が始まった。
 握手を求めてきた牧野の腕をいきなり極めにいくなど、ゴングが鳴ると戸井田も試合モードに切り替わる。5回のタッチをいかに使うかも勝敗を左右するこの試合形式。現役から離れておりスタミナに不安のある戸井田は齊藤に任せる時間を長くし、自らは要所を締める作戦を取る。しかしコーナーに控えているときも「俺、もうタッチしないから極めちゃえ~」 といった“口撃”で参加。揚げ句に“牧野コール”を要請するなど、会場をトイカツワールドに染め上げる。ギロチンチョークのイメージが強い齊藤も、足関節で牧野と渡り合うなど優勢に試合を進め、判定で勝利を収めた。
 牧野、太田もそれぞれ得意の足関節、腕関節を繰り出し、中盤には太田が戸井田をフロントチョークでタップ寸前まで追い込む場面もあった。試合後もまだまだ体力が残っていることをアピールしたが、老練な戸井田の作戦にペースを狂わされた格好で、準決勝で姿を消すこととなった。
 宇野、植松組は勝村周一朗、伊藤盛一郎の師弟タッグと対戦。ベテラン3人に先日ZSTフライ級王者となった伊藤が交じってどんな戦いが展開されるのか、興味深い一戦となった。
 先発は宇野と伊藤。圧倒的にキャリアで勝る宇野が細かい動きでペースを探ろうとすると、伊藤は飛びつき逆十字を狙うなど躍動感あふれる動きで“らしさ”を見せる。しかしこの試合に最も“らしさ”を見せたのは植松だった。伊藤を足払いで転がし熱くさせるやバックを奪い瞬時にバックドロップで投げ捨てるなど、“国内一の技術”といわれる動きで若い伊藤を翻弄。ゴング間際には足関節を極めにかかるなど、不安視されていたスタミナも問題なく15分を戦いきった。極めかけている段階でタッチされるなど一本を取ることはできなかったが、判定で勝利を収め、決勝に駒を進めた。

「ZST.45」GTタッグ王者決定トーナメントに宇野薫参戦

2015.03.16 Vol.638
 総合格闘技「ZST」が4月12日に開催される「ZST.45」の対戦カードを16日、発表した。同大会では4チームによる「第二代GT(グラップリング)タッグ王者決定トーナメント」を開催。この日の会見には参戦する宇野薫、植松直哉組、戸井田カツヤ、齊藤曜組、牧野仁史、太田裕之組の3チームが登壇した。
 今年1月の修斗環太平洋ライト級チャンピオン決定戦で敗れた宇野はここが復帰戦。「今年はグラップリング、柔術に挑戦したいと思っていた。出るからにはベルトがかかっているので優勝に向けて一戦一戦ベストの試合ができるように頑張りたい。(現在はパートナーの植松に師事していることから)植松さんと組んで出場できるのは夢のようなこと。息の合った試合をしたい」と語った。その植松も「(宇野と)組んで試合ができるのはうれしいし、光栄。この中では一番現役からは退いているんですが、まだまだやれるというところを見せたい」と語る。
 一方、なにやら不穏な動きを見せたのが戸井田組。戸井田は「そうそうたるメンバー。誰と戦っても面白くなる。自分もプロ選手は引退している身なんですけれども、いいところ見せちゃおうかなと思っています。できれば先輩の宇野さんがいますし、植松君には2回ほど負けているので、リベンジさせてもらおうと思っていますので、ぜひ宇野、植松組と1回戦でよろしくお願いします」と挨拶。そして「パートナーの齊藤は喋れないので」と「全員ギロチンで仕留めてやる。宇野さんの首は俺が獲った、と言ってます」と代弁したのだが、明らかに齊藤の口はそういうふうには動いてはいなかった…。しかし戸井田自身グラウンドテクニックに定評のある選手で、齊藤に至っては3月1日に行われた「D-NET GRAPPLING ALL JAPAN CUP」で佐々木憂流迦に勝って優勝しているだけに侮れない存在だ。
 迎え撃つ立場のZST勢は牧野が「戸井田さんみたいに面白いことは言えないんですがグラップリングではいろいろな借りを返したいと思っている。タッグだと足関が決まりそうなので期待してください」と話せば、太田も「10年ZSTでグラップリングを中心に10年戦ってきたという自負もありますので、ZSTのグラップリングが一番すごいんだということを見せたい」と語った。
 コメントひとつ取っても、3チームそれぞれに個性的。気になる組み合わせについては、戸井田が折に触れ宇野、植松組との対戦をアピールしたが、上原譲ZST代表によると「もう1つの参加チームが決まってから決めます」とのこと。
 どの組み合わせでも、妙味のある試合が展開されそうで、もう1チームと組み合わせの発表が待たれる、楽しみなトーナメントとなった。

ZSTはタッグマッチ、グラップリング、そしてユーチューバーも出場となんでもあり感満載

2015.02.23 Vol.637
 日本には多くの格闘技の団体、イベントがあるのだが、そのなかでも一際異彩を放つのが「ZST」。
 所英男らメジャーイベントでも活躍する選手も輩出する一方で、“バトルエンターテインメント”という方向性での試合も組まれている。
 格闘技というとどうしても「1対1」の戦いをイメージするが、ZSTには「2対2」で戦うタッグマッチが存在する。ZSTは22日、東京・ディファ有明で今年の開幕戦「ZST.44」を迎えたのだが、この日も房野哲也、柏崎剛vs鈴木廣二、大久保謙吾の試合が行われた。タッグマッチとはいってもプロレスで行われるようなものとは違い、タッチは5回まで、乱入はもちろん禁止、タッチは手と手でといったルールが設けられている。リング上はあくまで1対1。しかし写真のようにピンチになるとタッチで脱出するという場面もあり、多少ゲーム性が盛り込まれている。
 試合は9分32秒、まず柏崎が鈴木から腕ひしぎ十字固めで一本を奪う。鈴木が退場となり一人となった大久保が奮闘するものの、最後は房野の猛攻をしのぐに留まり、15分時間切れでゴング。1-0で房野、柏崎組が勝利を収めた。
 試合後、柏崎が「ZST.46」(5月24、ディファ有明)でZSTバンタム級の絶対王者・藤原敬典に挑戦することが発表された。
 柏崎は「まずご結婚おめでとうございます。結婚早々悪いんですけど、藤原選手がベルトを持っていられるのもあと3カ月。残りの新婚生活をエンジョイしてください。5月24日は絶対王者が僕に代わる時。藤原選手、首洗って待ってろ」とアピール。
 呼応しリングに上がった藤原は「6・28、ちなみにこの日は何の日か知ってますか? 俺の結婚式なんですよ。その直前にこんなタイトルマッチ組まれるなんて、ホントに迷惑なんですよ。俺が勝って柏崎選手を(結婚式に)招待したいと思います」と応じた。結果いかんでは勢力図が大きく変わる一戦となる。
 またこの日は前田日明氏が主宰する「アウトサイダー」の名物ファイターで人気ユーチューバーという異色のプロフィルを持つシバターという選手が出場した。
 シバターは「リアルアマレスラー」というキャッチフレーズを持つだけあって、試合中の動きもプロレスラーっぽい動きが目立つ。猪木アリ状態の相手にストンピングを狙ったり、「胸に打ってこい!」と挑発してローキックを食らってしまったり、コーナーポストから攻撃を試みレフェリーに注意されたり。しかし随所では重いパンチを放ち、対戦相手の伊達李和をヒヤリとさせる場面もあった。1R終盤には伊達のタックルを潰し、パイルドライバーを放つなど、地力を感じさせる動きを随所に見せる。そのパイルドライバーもご丁寧にゴッチ式であった。試合は残り10秒でフロントチョークにギブアップ。勝利こそならなかったが、会場を沸かせ、格闘技の可能性も垣間見せた…と言っては言い過ぎだろうか…。
 ZSTはこのほかにも、打撃なしのグラップリングに特化した「GTルール」の試合があり、この日も太田裕之と牧野仁史がグラウンドの攻防を展開。観客はその緻密な動きをかたずを飲んで見守った。
 なおこのGTルールの試合については、4月、5月大会でGTタッグトーナメントを開催。今年の10月ごろにグラップリングの全日本選手権といった形での大会が計画されている。
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