SearchSearch

感じてみよう“美術のちから”『カタストロフと美術のちから展』

2018.11.22 Vol.712

 2003年の開館記念展では「幸福」をテーマにした「ハピネス」展を、10周年を迎えた2013年には「愛」に注目した「LOVE展」を開催してきた森美術館が、15周年を迎える記念展にとりあげたテーマは「カタストロフ(大惨事)」。負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかける。

 本展ではベテラン作家から気鋭の若手まで、国内外を問わず40組の作品を展示。近年日本でも注目を集める、作品や活動を通して社会に変革をもたらすことを目指す「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)」として、オノ・ヨーコや宮島達男による鑑賞者参加型の作品や、社会的メッセージが込められた美術作品の良作を紹介。また、東日本大震災を契機に制作されたChim↑Pom、トーマス・デマンド、池田学など約10作家の作品を紹介し、風化しつつある震災の記憶をよみがえらせ、議論の再燃を目指す。

 マスメディアとは別の観点、手法によってカタストロフと向き合うことで、新たな可能性を切り開いてきた“美術のちから”に今一度、着目したい。

Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ 「みんなで見る夢は現実になる」

2011.12.09 Vol.533

 オノ・ヨーコの呼びかけで、ジョン・レノンの命日である12月8日に毎年行われている「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」が今年も日本武道館で開催された。オノ・ヨーコ、桑田佳祐、奥田民生、吉井和哉、斉藤和義ほか多くのアーティストたちが集結し、ジョンが残した名曲の数々を歌い上げた。
 
 オープニングからサプライズだった。ジョン・レノンが最新映像技術でバーチャル出演。奥田民生、吉井和哉、斉藤和義をバックバンドに、『ギミ・サム・トゥルース』を熱唱。会場のスクリーンには原発事故の対応を問いかける写真が映し出され、「真実をくれ」というジョンのメッセージがオーディエンスの心に迫ってきた。
 
 奥田民生、吉井和哉をはじめ、BONNIE PINKやLOVE PHYCHEDELICOといった常連組を筆頭に、出演者は魂を込めた演奏で観客を圧倒した。
 
 注目のスペシャルゲストの桑田佳祐は、スーツ姿で登場。自身が選曲したビートルズ・ナンバー7曲を披露した。
 
『ハッピー・クリスマス(戦争は終った)』『パワー・トゥ・ザ・ピープル』『イマジン』をみんなで歌ってフィナーレを迎えた。
 
 コンサートは、 世界の子どもたちに学校をプレゼントすることを目的に行われているもの。過去10回のコンサートで28か国107校の学校を建設。今年は、フィリピンに2校、カンボジア、ネパール、タイ、ベトナム、エクアドル、グアテマラ、ガーナ、セネガルに1校ずつ、 計9か国10校を支援する。当日販売されたチャリティ・グッズの売上金で、東日本大震災で両親を失ってしまった子どもたちも支援するという。
 

Copyrighted Image