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名匠ジョン・ウー「アクションよりも大事なこと」!

2018.02.05 Vol.702

「健さんは正義を代弁する役を演じ、男前で、口数は少なくとも目や背中で語ることができるトップスターでした」と、故・高倉健へのリスペクトを熱く語るのは、世界中のアクション映画ファンから支持を得る名匠ジョン・ウー。

「当時の私は日本とフランスにあこがれていて、フランスのタバコを吸い、ゲリラみたいなジャケットを着て長髪で、ヒッピーみたいな格好をしていました(笑)。香港の著名監督の助手をやっていたんですが監督からよくフランスのチンピラみたいだな、と言われていました(笑)」

 そんな監督が高倉主演で映画化もされた小説『君よ憤怒の河を渉れ』を、日本の福山雅治と中国の実力派俳優チャン・ハンユーをW主演に迎えて再映画化。

「以前にCMの仕事でご一緒したときにガンアクションのある短編映像も撮影したんですが、スタント無しでこなす福山さんに感銘を受け、いつか一緒に映画をと思っていたんです」

 ハードボイルドな福山の姿も必見。

「私がオファーをする際に最も重要視しているのは演技で、アクションはその次。外見だけでなく内面世界も表現できる説得力のある演技をして、初めてアクションにも説得力を持たせることができると思っています。それに私が求めているのは、ジャッキー・チェンさんのような超人的なものではなく(笑)、あくまでかっこよく美しく見せること。俳優には最初、普段どんなスポーツに親しんでいるかを尋ねます。テニスなのかダンスなのかによってこなせる動作が違ってくる。あと見せ方としてはむしろミュージカルを意識していますね」

 二丁拳銃や白い鳩といったジョン・ウー節はそのままに70年代の名作をよみがえらせた、映画ファン必見の一本。

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