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人気ボカロ作曲家40mPの初の実写映画『トリノコシティ』上映開始

2017.12.24 Vol.Web Original

思春期の少女特有の微妙な気持ちの揺れを繊細なタッチで描く

 人気ボーカロイドプロデューサー40mPの楽曲の初の映像化作品となる映画「トリノコシティ」が12月23日から公開され、初日舞台挨拶に監督の山口ヒロキ、40mP、主演の山崎丹奈ら出演者が登壇した。

 作品は原曲に描かれた思春期の少女の孤独な心情描写に、山口監督特有のSFテイストを加え、その相乗効果から生み出される物語を映像化したもの。今月初旬に開催された「第10回網走映画祭」では記念特別招待作品に選ばれている。

 山口監督は最近ではイケメン俳優たちを擁した『メサイア』シリーズ、三家本礼原作の『血まみれスケバンチェーンソー』といった派手めな作品を手掛けることが多かったのだが、本作では代表作でもある『グシャノビンヅメ』で描いたような思春期の少女特有の微妙な気持ちの揺れを繊細なタッチで描いており、いわば山口監督の面目躍如といったところ。

 舞台挨拶では最初に挨拶した山崎が「初主演の初日というのが人生の中で今日なんだなって実感しています」といきなり感極まる場面も。演じた主人公の女子高生・明日夏については「明日夏は等身大の高校生の女の子だったというか、私が高校生の時に持っていたものと共通した思いや悩みを抱えていたので、自分の高校生の時を思い出しながら演じた。実家に帰って卒業アルバムを開いたりしたが、そういうところで、すごく懐かしい思いもあった。そこから頑張っているから今があるんだなという勇気付けられるような役でもあって、今の自分を感じながら、昔の自分のことも感じながら演じた役だった」と話した。

「弔屋」という謎に包まれた役を演じた玉城裕規は山口作品には今回で4作目の出演となるのだが「監督とどういうふうに違和感を出していくか、といったことを話し合いながらやっていたが、その作業も楽しかった。生きる意味とかなんで生きているんだろうというのはトリノコシティのメーンを担っているワード。たまにそういうことは考えたりするので、生きている人間を客観的に見ている(弔屋を演じた)ことは、少し勉強になった。見ていて楽しかった」と話した。また撮影現場については「監督の作品の共通点はスケジュールがタイトなこと。でもそんな中でも綺麗な画だったり、伝えたいことを切り取っていただけるので、安心感というか不安要素はなかった」などと話した。

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