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ペットボトル以外でも!様々な業界で進む「水平リサイクル」

2023.08.14 Vol.web Original

 使用済み製品を原料として、同一種類の製品につくりかえる「水平リサイクル」。循環型社会の実現に向けてカギを握るこの「水平リサイクル」は、飲料メーカーが先行して積極的に取り組んでいるが、近年はペットボトル以外でも「水平リサイクル」を目指す取り組みが拡大している。

 水平リサイクルのスキームが整っている清涼飲料業界では、2030年までにペットボトルの水平リサイクル率50%を目標に掲げているが、日本コカ・コーラとサントリーの2社は既にこの基準に達しつつあるという。今年5月には水平リサイクルの認知拡大に向けて、このライバル同士の2社がタッグを組み、啓発コミュニケーションを協業で展開し話題を呼んだ。

捨てづらい!推し愛そそいだアクスタを御祈祷してリサイクル「モノに感謝する日本人の思いは昔も今も同じ」

2023.03.31 Vol.web original

 

 アニメキャラクターやアイドルなどの“推し活”グッズとして近年人気の“アクスタ(アクリルスタンド)”や“アクキー(アクリルキーホルダー)”を、神社でご祈祷をしてもらった後にリサイクルするというイベントが30日、東京・神田明神にて行われ、多くの参加者が自分が愛用していたアクリルグッズを持ち寄った。

「推しからの卒業をSDGs貢献に!アクリルグッズ感謝祭」と題して企画された同イベントは、三菱ケミカル(千代田区)などが発起人として参画するアクリルグッズ等再生利用促進協議会が企画したもの。 

 日常のさまざまなシーンで活用されるアクリル製品。コロナがひと段落した後には感染予防対策の飛沫防止パネルの大量廃棄も予想されるなど、より高いリサイクル意識が求められている。

 そんなアクリル製品のリサイクル啓蒙を目指す企画第一回目は“推し活”で大活躍のアクスタやアクキーに注目。アクスタ、アクキーとは、自分の好きなキャラのイラストやアイドルの写真などがデザインされたアクリルプレートを、フィギュアのように飾ったり、キーホルダーにして持ち歩くことができるもの。立体フィギュアほどかさばらないとあってコレクションもしやすく、今や定番の推し活グッズとなっている。

 とはいえ推し活の常、気づけば増えていくアクスタたち。推しへの愛ゆえに捨てづらく、処分に困っている人も少なくないのでは。そんなファンたちの思いを受け止め、今回アクスタに御祈祷をしてくれた神田明神・禰宜の岸川雅範さんは「日本には“八百万の神々”と言うくらい、いろいろなものに神様が宿るという考え方があり、昔から、ものに対する感謝のお祭りが多く行われてきました」と語る。

 神田明神ではこれまでにも、捨てられない名刺を奉納する名刺納め祭や、ペットロボット「aibo」の七五三など、企業や団体からの依頼で“もの”に対する祈祷を行ってきた。

「今回は、アクリル製品のリサイクル啓蒙ということで、神社も地球環境への貢献は常に意識しているところでもあり、非常にいいお話だなと受けさせていただきました。アクリルグッズという現代的なものではありますが、一つの役割を終えてまた新たな役割を担っていくものへ感謝をするという、昔から変わらない、日本人の良いところが現れた催しだと思います」

 回収されたアクスタたちには、どんな思いを込めた御祈祷を?

「アクリルグッズに対する感謝の気持ちを神様にお伝えすると同時に、こういった再生事業が上手くいきますようにとの願い、そしてアクリルグッズを愛用したりこれからお持ちになる方々への幸せを祈願したいというお話を頂いておりますので、その思いを神様にお伝えしています」

 アクスタに込められた推しへの思いを、神社もしっかりと受け止めてくれている様子。

「神社とはいえ、こういった新しい文化を受け入れる姿勢は大切だと思います。今お参りしてくださる皆さんは現代に生きている方々。現代的な悩みや願いをそれぞれに持ってお参りしてくださっているので、それを受け止めるのが神社の役割だと思っています」

 捨てづらい推し活グッズも、御祈禱を受けて感謝を込めてお別れし、さらにリサイクルできたら、より気持ちよく推し活を楽しめそう。

「こういったリサイクルがまた応援につながっていくなど、何かしらお役に立てたらうれしいですね」

 この日の来場者には記念品として、アクリルのリサイクル板を利用して制作された絵馬型のアクスタケースもプレゼント。リサイクル意識を高めることができた様子だった。

リサイクルボックス≒ポストとは?

2022.10.24 Vol.web original

 6月9日並び「リサイクルの日」と呼ばれている10月20日に「生まれ変わって、次の人に届くペットボトルポストイベント」なるものが渋谷で実施された。

 イベントを実施したのは、使用済みペットボトルを新しいペットボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」水平リサイクルに積極的に取り組んでいるサントリー食品インターナショナル(株)だ。

 サントリーはこれまでもペットボトルの分別の啓発に注力してきており、“ペットボトルはゴミではなく、適切な分別・回収により何度も循環できる「資源」である”ということを伝えるためのマーク「ボトルは資源!サステナブルボトルへ」のロゴを自社のすべてのペットボトル飲料(ラベルレス商品を除く)に掲載していく活動や、自治体と連携し小学校などでリサイクルに関する出張授業などを展開している。

 さらに猫のゆるキャラが身近なサステナブルを啓発する短い動画『それだって、サステニャブル。』は、シリーズ合計で1000万回以上再生されている隠れた人気コンテンツだ。

 飲料業界において、水平リサイクルを推進していくうえでの課題は、回収される使用済みのペットボトルの品質にあるという。実は、飲み残しがあったり、分別できていないペットボトルは、水平リサイクルの選別工程ではじかれてしまい、新たなペットボトルに生まれ変わりづらくなってしまうのだ。確かに、家では中をすすいでキャップとラベルをはずし、資源として出していても、家の外では分別できていないという人も多いかもしれない。

 そのような課題意識を持った上で今回、渋谷のイベント会場でお披露目となったのが、青い色をした「ポスト」だ。

「ペットボトルは、正しく分別すれば、新しいペットボトルに生まれ変わり、次の人に届く」「街中にあるリサイクルボックスはゴミ箱ではなく、次のひとに届く入口、すなわちポストみたいなものである」と多くの人に思ってもらいたいという思いからポストという発想が生まれ、リサイクルの日に合わせてこのイベントを実施することになったという。

 

3秒ルールがここにも!? 高校生が発案したあるものとは

2022.03.28 Vol.web original

 面接で第一印象を判断されるとき、食べ物を落として拾うとき、都市伝説か真実かは定かではないが、世の中にはいくつもの「3秒ルール」が存在する。そんな「3秒ルール」が“あるもの”にも使われ始めた。

LDHの「KIDS B HAPPYプロジェクト」と「BRING」でSDGsなTシャツ 関口メンディーがデザイン監修

2022.02.10 Vol.Web Original

 EXILEや三代目 J SOUL BROTHERSらが所属するLDHが展開するキッズエンタテインメント「KIDS B HAPPYプロジェクト」と、サステナブルなファッションブランド「BRING」がコラボレーションし、Tシャツを制作、完全受注生産で3月から発売する。

 コラボレーションアイテムは、LDHの動画配信サービス「CL」でファンとコミュニケーションを取りながら完成させる。デザインの監修は「KIDS B HAPPYプロジェクト」のアンバサダーの関口メンディーが務める。

 関口は「BRINGさんのサスティナブルな取り組みには以前から感銘を受けていたので、嬉しい気持ちでいっぱいです! 地球環境に配慮することは子供たちの明るい未来に直結する。KIDS B HAPPYの理念とも親和性があります。ファンの皆さんを巻き込みながら、一緒にプロダクトを作っていきたいと思っています!」と、意気込んでいる。

「BRING」は、日本環境設計株式会社が展開する、服の回収からリサイクル、再生素材を使った洋服の販売までを行うブランド。

 

サントリー食品が『ボトルは資源!サステナブルボトルへ』ロゴを3月より国内のペットボトル全商品に順次展開

2022.01.31 Vol.web original

 サントリー食品インターナショナル(株)は、2030年のサントリーグループの目標 “リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用し、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」実現へ向け、国内では今年中に2本に1本を「100%サステナブルボトル(※1)」にすると発表した。さらに、ペットボトルは資源として何度も循環できることを伝える新ロゴマーク『ボトルは資源!サステナブルボトルへ』を、ラベルレス商品を除く国内ペットボトル全商品に、3月以降順次展開し、啓発活動など消費者とのコミュニケーションを強化する方針だ。

 サントリーグループは、2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入したことを皮切りに、従来よりもCO²排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術(※2)」を協栄産業(株)など4社と共同開発するなど、長年にわたって技術革新を進め、積極的に使用済みペットボトルから新たにペットボトルを作る、「ボトルtoボトル」水平リサイクルの実用化を推進してきた。

生活者の分別意識の高まりを企業は商品の進化でサポート

2021.10.11 Vol.746

 近年ゴミと資源を分別する意識が生活者の間で高まっている。

 花王株式会社が全国の男女7849人に3〜4月に実施したアンケート調査によると、93%の人が自宅でPETボトルを「資源ごみ」として分別していると回答した。

 また、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会が6月に行った調査では、消費者の91.4%と大多数が「環境のためにゴミの分別が大切」と感じていると回答している。

 こうして多くの人が環境を配慮し分別の意識が高まっている中、実は企業も生活者の分別意識に応えるように進化している。

 大塚製薬株式会社では、「オロナミンCのラベルをはがしやすくしてほしい」という声が寄せられる機会が多くなったことから、7月26日よりオロナミンCドリンクのラベルレス製品を発売した。日本においては、ガラスびんに張られている紙ラベルははがさずリサイクルすることが可能だが、ユーザーニーズに応えるために販売を決定したという。

 

ペットボトルの「ちょい残し」、実は大きな影響が…

2021.07.12 Vol.743

 あと一口で空になるのに、少しだけ飲み残してペットボトルを捨ててしまう人いませんか?

 そもそも最後まで飲んでいるか残しているかを意識した事がない人が多いかもしれないが、桜美林大学教授の藤倉まなみ氏による「大学におけるペットボトル飲料の飲み残しの実態に関する研究」によると、大学構内で廃棄されたペットボトルの総本数の23%に何らかの飲み残しがあったという調査の結果が出ている。

 一般的に飲み残す理由としては「最後数センチは沈殿物や雑菌がありそうで飲みたくない」といった意識的なものから、「おなかいっぱいになってしまい、飲めなくなってしまったから」「荷物になるから」「どうせなら冷えてる新しいやつから飲もう」などといった自分でも特に理由を考えずにその場の状況で飲み残しをしている人が多いよう。

 

五輪パラの表彰台は史上初のオールリサイクル

2021.06.12 Vol.742

 東京2020大会の開幕まで50日となった6月3日、セレモニーで使用される表彰台や楽曲、衣装、メダルトレイが披露され、大会が掲げるコンセプト「持続可能性」を意識して作られたアイテムが並んだ。

 五輪パラリンピック史上初めてのオールリサイクル素材となった表彰台は、市民参加型プロジェクト「みんなの表彰台プロジェクト」によって集められた使用済プラスチック約 24.5トンをもとに、合計 98 台を製作。デザインを担当した野老朝雄は「プラスチック素材という我々の生活から出たものが、人が乗っても大丈夫なものになりました。素材の研究や3Dプリンターなど、テクノロジーの力だと思う。次世代につながるバトンになれば」と話した。

 衣装は、現代の祭典にふさわしい「新しい礼服」をコンセプトに、「かさね」「おり」「結び」「染め」といった和装の伝統技術を取り入れ、暑さ対策など、洋装の機能性も兼ね揃えたデザイン。多様性も表現し、パンツスタイルとワンピーススタイルのいずれかをボランティア自身が選べるようにするという。メダルトレイは、伝統的な扇子をモチーフに、リサイクル可能な再生素材を使用。ベースカラーは、コアグラフィックス「藍」の最も深い色目を採用し、表彰台や衣装との調和を目指した。ファッションディレクターの山口壮大は「和服と洋服の良いところを取り入れながら作りました。和服が織りなす佇まいは情緒的。動くたび揺らめく美しさを感じていただければ」とデザインに込めた思いを話した。

マリエ「センスいいねって言われるのが環境問題を考える生きかた」

2021.06.01 Vol.Web Original


 タレント、ラジオナビゲーター、ファッションデザイナーとして活動するマリエが1日、岐阜県土岐市で稼働開始した「ソーダストリーム ジャパンシリンダーファクトリー」のオープニングセレモニーにゲスト出演した。

 以前から炭酸水が好きで「ソーダストリーム」も長く愛用しているというマリエ。普段から環境問題に高い関心を持っており、自身のブランドでサステナブルな商品を手掛けたり、自宅でのコンポストも行っているという。そのなかで、脱プラスチック問題に立ち向かう同社の「プラスチックファイターズ」という活動を目にして共感したといい、「自分でお問い合わせフォームのメールから連絡し」アプローチ、この日のイベント出演にもつながったという。「すごく素敵な活動されていますし、そういうことをファッショナブルに、センス良く伝える、わかりやすく伝えるというのは私がいつも大事にしていること。何か一緒にできないかなと思いました」

 

株式会社チヨダ、靴専門店として会社の外と内で取り組むSDGs<できることからSDGs>

2021.05.20 Vol.Web Original

  SDGs(持続可能な開発目標)の達成が叫ばれる中でSDGsと自社の事業は切り離せないものになってきている。SHOE・PLAZAや東京靴流通センター、Chiyodaなどを展開する株式会社チヨダもまた自社の事業と組み合わせて目標達成のため活動している。SDGsを掲げ行動することは社内にも良い雰囲気が生まれているという。同社のマーケティング部長兼EC事業室長の安立邦広さんに聞く。

 創業は1936年、設立は1948年。株式会社チヨダは長い歴史のなかで時代や時勢に対応しながら、事業を展開している。

 SDGsが記載された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が国連サミットで採択されたのが2015年。それから5年超が経った。同社が、変化と変革、進化を続けながら事業展開をしていく中で、SDGsは重要な柱になっているという。世の中的にも「何らかの取り組みをしていることが当たり前という状況になっているのを感じます」と、安立さん。

 活動のポイントとなっているのは「健康」「地域社会・コミュニティ」「環境」といった社会課題。全国各地に約1000店舗を展開するだけに、地域に密着し、「靴専門店としての責任」を果たしながら、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいる。

 同社のSDGsを達成する活動は、東日本大震災での復興支援がきっかけになっているという。その後も、九州や、西日本など全国各地で毎年のように大きな災害が発生。「災害があった場合、それぞれの地方自治体の災害本部と直接連携して避難所で利用されるスリッパ、ボランティア活動をする方たちが使用できる長靴など、弊社は靴の会社ですから、靴を通じて支援を続けています」。実はこの活動、SDGsで考えてみると、11番の「住み続けられるまちづくりを」にあたる。

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