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『阿修羅のごとく』へのオマージュ作品 ONEOR8『ゼブラ』

2018.11.28 Vol.712

 舞台芸術学院出身者で1998年に結成されたONEOR8。今年2018年は20周年の年だった。

 最近は作・演出の田村孝裕はもちろん、劇団員も外部で活躍することも多く、年に1〜2本のペースで本公演を行ってきたのだが、今年はここまで本公演はなし。「おやっ?」と思ったファンも多かったかもしれないが、12月にやっと20周年公演が行われる。

 今回上演するのは2005年に初演された『ゼブラ』。 同作は田村が最も敬愛する向田邦子の『阿修羅のごとく』へのオマージュ作品。
 物語は古くからある木造の一軒家で、「母親の死」に向き合う四姉妹の秋の数日の様子を描く。

 母が死期を迎え、久しぶりに家族が集う。幼いころに家を出た父への想いはそれぞれ。時間が経ち、取り巻く環境も代わり、父への想いは四姉妹の中でどんどん乖離していた。時間が経って理解を示す者もいれば、いまだに許せずにいる者もいる。今でも父を許せず姉妹の中で孤立する三女は誰もいない居間で若き日の母の幻影を見るのだった…。

 結成時に「20年目を迎えることができたら旗揚げ公演と同じ2000円でやろう」と劇団内で決めていたことから今回は料金は2000円。

 再演が期待されていた作品ということもあり、前売りはいったん完売。追加チケットを売り出したが、それも初日を迎えるころには完売の可能性が高い。でも全公演当日券は出るとのこと。

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