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何百年経っても色あせない作品たち『あわれ彼女は娼婦』

2016.05.22 Vol.667

 イギリスの劇作家ジョン・フォードの代表作。日本でも過去に名だたる演出家のもと、日本を代表する俳優を起用し、何度も舞台化されてきた作品。

 今回も栗山民也演出、浦井健治、蒼井優主演という豪華な座組での上演となる。

 物語の舞台は中世イタリアのパルマ。勉学に優れ、人格的にも非の打ち所がないと将来を嘱望されるジョヴァンニは、尊敬する老修道士に、類まれな美貌の妹アナベラを女性として愛していると告白。修道士は叱責するが、ジョヴァンニはアナベラに気持ちを伝えてしまう。アナベラもまた兄を男性として愛していたことを告白。2人は道ならぬ恋に身を委ねてしまうのだった。

 戯曲が書かれたのは1620年ごろ。近親相姦は重罪で処刑されていたような時代。

 そこから約400年の時が経っても、作品の中で描かれる人間の愛、欲望、嫉妬といった感情は色あせない。しかし受け取る側の感覚は!? 『あわれ彼女は娼婦』という意味深く残酷なタイトルを持ったこの作品が現在の日本ではどのように受け取れられるのかも気になる、そんな作品。

見る者をぐいぐいと作品に引きずり込ませる世界観

2015.09.27 Vol.

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