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認知症問題を考える「Dementia Forum X」東京で初開催

2018.05.14 Vol.705

 2018年は日本とスウェーデンが外交関係を樹立して150年の節目の年となる。

 これを記念して両国でさまざまなイベントが企画されているが、その一つとして大きな社会問題となっている「認知症」をテーマに2015年からスウェーデンで開催されている「Dementia Forum X」が4月24日、東京で開催された。

「Dementia Forum X」は認知症が将来、世界における最大の課題となるのではという懸念から開催に至ったもの。

 ダボス経済フォーラムをモデルとし、ケア、リサーチ、社会、ビジネス、ファイナンスという5分野から関係者が一堂に会し、幅広いコラボレーションを実現することで認知症に対する認知度・意識を高め、どのような課題があるかを特定し、その処方をともに見つけ、行動計画の基盤をともに作っていくことを目的としている。影響力がある利害関係者が一堂に集まらなければ、認知症とともに暮らしている家族とその大切な人たちの暮らしに違いをもたらすことはできない、影響を及ぼすことはできないという理念を持っている。

 その第1回はスウェーデン王国のシルヴィア王妃が設立した「シルヴィアホーム財団」の設立20周年となる2015年に行われ、2017年に第2回が開催された。「シルヴィアホーム財団」はシルヴィア王妃が認知症のケアを提供できる専門職を教育、育成をするために設立したものでシルヴィア王妃もこの「Dementia Forum X」の理念に賛同。初めての海外開催となった今回、シルヴィア王妃が来賓として来日。そして「認知症に対する取り組みが社会のあらゆる分野で認識されつつあることに喜ばしく思う。Dementia Forum Xは皆さんが集まる場であり、プラットフォームとして皆さんが対話をし、個人や組織にインスピレーションを与え、力を合わせて勉強をすれば物事を変えることができ、大きなことを成し遂げることができるという信念に基づいている。本日のフォーラムがアイデアが出会う場となり、連携が生まれ、我々共通の野心である認知症に対する取り組みを前進させる場になることを期待します」などとスピーチした。

 また来賓として出席した野田聖子総務相は認知症をはじめとした福祉問題はもちろん、スウェーデンにおける女性の国会議員、閣僚の締める割合を例に挙げ、さまざまな分野でスウェーデンから学ぶべきことがあると挨拶した。

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