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12・9 WRESTLE-1 河野がイケメン返り討ち。若手軍は全滅

2016.12.11 Vol.679

 プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 TOUR 2016 SHINING WINTER」後楽園ホール大会が9日開催された。

 今年最後となる後楽園大会は全7試合中4試合がタイトル戦という豪華版。それ以外も芦野祥太郎の復帰戦、そしてDRAGON GATEから鷹木信悟が参戦し武藤敬司と6人タッグを結成するなど見どころの多い大会となった。

 WRESTLE-1のリングはこの秋から世代闘争が勃発。10月の後楽園大会で若手軍とベテラン軍の「5対5イリミネーションマッチ」でベテラン軍が勝利を収めるとその勢いをかって11月の後楽園大会では河野真幸がWRESTLE-1チャンピオンシップ王者の稲葉大樹を破り王座に就くなど、ケンカを売られた格好のベテラン組が徐々に盛り返す。そんななか、若手軍はチーム名を「NEWERA」と改め、この日を迎えた。
 タイトル戦は4試合とも世代闘争を反映したマッチメーク。

 メーンは王者・河野に黒潮“イケメン”二郎が挑戦する「WRESTLE-1チャンピオンシップ」。イケメンは直近の直接対決では丸め込みながら河野にピンフォール勝ち、自らのプロデュース大会でスペル・デルフィンに勝利、そして全日本プロレスの両国大会に乗り込み「GAORA TV王座」を奪取するなど上げ潮ムード。この日も入場からいつものイケメンワールドを展開。観客席を練り歩きながらたっぷり時間をかけて入場し、ファンの気持ちをがっちりとつかむ。

 試合も河野のシビアな攻撃を受けながらも、これまでにない動きを見せ反撃。
 河野がチョークスラムで場外に投げ捨てようとすると、その右腕をぶら下がり式の三角絞めにとらえダメージを与える。終盤にもチョークスラムを飛びつき式腕十字に、そしてアームドラッグから変形の裏十字固めにとらえあわやギブアップの場面を作り出す。かつての師匠・船木誠勝のフィニッシュホールドであるハイブリッドブラスターまで繰り出し河野を追い込むが、最後は河野のランニングニーを顔面にまともに食らい、とどめのフライングニードロップで3カウントを許した。

 試合後、河野は「今日は俺の勝ちだ。NEWERA、新しいチームになった日にベルトなしか。ベルトは全部こっちじゃねえか。考え方が甘いんだ。俺たちがちょっと本気を出したらこれ。これが現実」と切って捨てた。

3・13「WRESTLE-1」KAIがハヤシを強引に同士扱い? 火野が2度目の防衛

2016.03.14 Vol.632

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2016 TRANS MAGIC」(3月13日、東京・後楽園ホール)のメーンで「WRESTLE-1チャンピオンシップ」が行われ、王者・火野裕士に近藤修司が挑戦。16分6秒、Fucking BOMBからの体固めで火野が2度目の防衛に成功した。

 前回の後楽園大会で挑戦表明した近藤に対し、火野は河野真幸、近藤組の持つ「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」への挑戦を条件に対戦を受諾。そのタッグ戦が3・6宮城大会で行われ、火野がFucking BOMBからの体固めで近藤から直接フォールを奪い、タッグベルトを強奪。この結果を受けてのこの日の対戦だった。
 ともにパワー殺法に定評のある2人は試合開始から肉弾戦を展開。REAL DESPERADOとTriggeRの軍団の威信をかけた戦いでもあり、場外戦になると両軍団のセコンドが小競り合いを繰り広げる。
 体格で劣る近藤は火野の左足に攻撃を集中させ、キックにラリアットで追い込むが、今の火野にはそんな攻撃のセオリーを踏みにじる勢いがある。
 打撃戦では近藤の手刀と火野の逆水平の打ち合いとなり、会場に大きな音が響き渡る。近藤はキングコングラリアット、セカンドロープからのブレーンバスターで追い込むが、そのたびに火野は逆水平、ラリアット、セントーンで流れを変えてしまう。いよいよ手詰まりとなった近藤がパワーボムを狙うが、持ちあがらない。逆に火野が鬼殺し式のパワーボムで投げ捨てると、逆水平の4連発、ラリアットからFucking BOMBとつないで3カウントを奪った。
 タッグのベルトを奪われ、近藤が火野に2連敗と緊急事態に陥ったTriggeRは試合後、河野が挑戦を表明した。

2・10「WRESTLE-1」火野と大和が王座防衛 KAIは真田に完敗

2016.02.11 Vol.660

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2016 W-IMPACT」(10日、東京・後楽園ホール)のメーンで「WRESTLE-1チャンピオンシップ」が行われ、王者・火野裕士に田中稔が挑戦。20分59秒、Fucking BOMBからの体固めで火野が初防衛に成功した。
 クルーザー級の田中は階級の壁を越えての挑戦。パワーでは火野には敵わない田中は持ち前のスピードと左足への一点集中攻撃で火野を悶絶させると、ダイビングフットスタンプ、ハイキック、ヒールホールドであわやの場面を何度も演出。終盤には体格差を越え、火野のチョップにローキックで渡り合うと会場は「大ミノル」コールに包まれた。最後はこれまでしのぎにしのいできたFucking BOMBの前に無念の3カウントを聞いた。
 試合後、勝ち名乗りを受ける火野の前に現れたのはTriggeRの近藤修司。近藤が挑戦表明すると、2人は額を付き合わせてのにらみ合いから両軍入り乱れての大乱闘。
 マイクを握った火野は河野真幸、近藤組の持つタッグのベルトへ火野、KAZMA SAKAMOTO組で挑戦することを交換条件に近藤の挑戦を受諾した。

WRESTLE-1  誰が勝者だったのか…UWA世界6人タッグ王座でなぜかダディが土下座

2015.10.11 Vol.651

 プロレスリング「WRESTLE-1」の『WRESTLE-1 TOUR 2015 ファン感謝デー』(9日、東京・後楽園ホール)で「UWA世界6人タッグ王座決定戦」が行われ、黒潮“イケメン”二郎、中之上靖文、吉岡世起のJacketsとAKIRA、葛西純、熊ゴローのワイルド軍が対戦。黒潮が熊ゴローをムーンサルトプレスからの体固めで3カウントを奪い、Jacketsが戴冠した。

 この試合、Jacketsにはビッグダディ・林下清志が、ワイルド軍には美奈子さんがセコンドにつき、一触即発の元夫婦マッチの側面も。
 ダディはジャケット着用、美奈子さんはピンクのパイプいす持参とそれぞれのチームに合わせたいでたちでセコンドへ。

 試合中、葛西の「イス、イス!」の声にそのパイプイスを手渡す美奈子さん。そのイス攻撃を妨害したダディに葛西がイスを振り上げると、それを美奈子さんが制止するという謎の行動も見せた。
 葛西に後ろからの近的攻撃を見せ、会場中を追い掛け回されるなど、セコンド・ダディの“いい仕事”もあって、Jacketsの勝利となったが、試合後に葛西が「アンタ、今まで1回でも美奈子っちに謝ったことがあるのか? いい機会だから美奈子っちに今までのことも謝ったらどうだい? 土下座で」とアピール。
 結局ダディは土下座をするはめに…。いったいどちらが勝者だったのやら…。

WRESTLE-1 最強決定トーナメントで征矢が優勝

2015.08.31 Vol.649

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2015 FLASHING SUMMER」最終戦が30日、東京・後楽園ホールで開催された。
 シリーズを通じて行われた「WRESTLE-1 GRAND PRIX 2015」の準決勝と決勝が行われ、征矢学が決勝で近藤修司を破り優勝を果たした。
 征矢は準決勝では黒潮“イケメン”二郎と対戦。黒潮は1回戦で中之上靖文、2回戦では現WRESTLE-1 CHAMPIONSHIP王者のKAI、準々決勝ではTAJIRIを破るなど、金星を連発しここまで勝ち上がってきた。
 もともと会場人気の高い黒潮だが、この日も入場から絶好調。入場テーマ曲である福山雅治の『HELLO』が鳴り響く中、東のひな壇から南側観客席、西のひな壇と練り歩き、たっぷり時間をかけてのリングイン。一方の征矢もTM NETWORKの『Get Wild』をバックにワイルドリングイン!! 会場はイケメンコールとワイルドコールに二分された。
 パワーで押す征矢に対し、黒潮はリングを立体的に使った空中殺法で対抗。しかし掟破りの逆デスバレーボムを繰り出すなど、随所にストロングスタイルも折り込み、征矢を追い込む。
 しかしキャリアに勝る征矢は一連の攻撃をしのぐと、コーナーへの串刺しワイルドボンバー、ブルドッキングヘッドロック、ネックブリーカードロップで形勢逆転。黒潮が狙った起死回生のスワンダイブ式フランケンシュタイナーをコーナー上で受け止めると、そのまま雪崩式パワーボム。ワイルドボンバー、デスバレーボムと征矢の波状攻撃をことごとく2カウントで返した黒潮だったが、最後は後頭部→正面からのワイルドボンバー2連発で征矢が勝利を収めた。
 もうひとつの準決勝は近藤修司とKAZMA SAKAMOTOが対戦。SAKAMOTOも準々決勝でカズ・ハヤシを破り「負け役からはもう卒業だ!!」と発言するなど、黒潮同様、このトーナメントでその存在を大きくアピールした。
 ゴング前から突っ掛け、場外戦を仕掛けたSAKAMOTOはセコンドの土肥を巧みに使ういつもの悪党ファイトに加え、近藤の右腕に一点集中攻撃。コーナーを利用しての腕攻めからアームブリーカー。三角絞め、腕十字固めまで繰り出す。土肥の白粉でレフェリー不在となると、リング上に積んだパイプ椅子の上にブレーンバスターで投げつけ、トップロープに上がり、フィニッシュを狙う。
 しかしここで、8月2日の春日部大会でクーデターを起こし、放逐したデスペラードの首領・河野真幸が乱入。SAKAMOTOを椅子の上に自爆させ、レフェリーに水をぶっかけ蘇生させると、近藤がキングコングラリアートでSAKAMOTOから3カウントを奪った。
 決勝は近藤vs征矢。序盤は近藤が征矢の古傷の左足を狙えば、征矢はSAKAMOTO戦で痛めた近藤の右腕に集中攻撃。しかし時間が経つにつれ、張り手合戦、ラリアートの打ち合いとパワーをぶつけ合う肉弾ファイトを展開。最後は近藤の垂直落下式ブレーンバスターをしのいだ征矢がキングコングラリアットを狙った近藤の右腕をワイルドボンバーで叩き落とし、最後は喉元にワイルドボンバーをぶちかまし、3カウントを奪った。

WRESTLE-1 KAIがシングル王座奪還も大ブーイング

2015.07.13 Vol.646

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2015 SYMBOL」が12日、東京・後楽園ホールで開催された。メーンでは「WRESTLE-1チャンピオンシップ」が行われ、4月の戴冠以来、2回の防衛を重ね、“絶対王者”の風格すら漂い始めた鈴木秀樹にKAIが挑戦。14分28秒、スプラッシュプランチャーからの片エビ固めで勝利を収め、王座を奪還した。
 鈴木に王座を明け渡した張本人であるKAIは鈴木が防衛するたびに挑戦を表明し続け、6月の後楽園大会では「覚悟を見せる」とリング上でバリカンで髪を刈り、なんとか鈴木の首を縦に振らせた。
 参戦当初はその不遜な言動からブーイングが飛んでいた鈴木だったが、強さでそれを声援に変え、リング上では今やKAIにブーイングが浴びせられる状態だ。
 鈴木は序盤からキャッチレスリングを展開しKAIを翻弄。強烈なエルボーバットにエルボースマッシュ、バックドロップと妥協のない攻撃でKAIを追い込む。防戦一方のKAIには容赦ないブーイングが浴びせられる。
 コーナーからの雪崩式フロントスープレックスから必殺のダブルアームスープレックスを狙った鈴木だったが、KAIはそのままコーナーに押し込み、危機を回避。ワンハンドバックブリーカーからのダブルアームスープレックスはリバーススープレックスで返すなど、KAIは鈴木の必殺パターンを徹底的に潰し、最後はサンダーファイヤーパワーボムからのスプラッシュプランチャーで3カウントを奪った。
 試合内容では圧倒的に鈴木が上回っていたこともあり、試合後のマイク中もブーイングが飛ぶ中、KAIは「やっとベルトをWRESTLE-1に取り返すことができました」とアピールした。
 そこに近藤修司、征矢学、黒潮“イケメン”二郎が現れ挑戦を表明。KAIの「この3人だけか!?」という言葉に呼応した全選手がリングに上がるや、デスペラードの河野真幸が「この状況がどういうことか分かるか? 全員、てめえがチャンピオンだと認めてねえんだ」と言い放ち大乱闘に発展。見かねた武藤がマイクを握り「誰が一番強いのかトーナメントで決めろ!!」と一喝。最強決定戦が開催されることになりそうだ。
 KAIは会見では「ブーイングは期待の裏返し。声援に変えていくように前向きにやっていくしかない」と繰り返し、トーナメントへの参戦も表明した。

WRESTLE-1 近藤を退け二度目の防衛を果たした鈴木にKAIが丸刈り挑戦アピール!

2015.06.19 Vol.644

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2015 OUTBREAK」が18日 、東京・後楽園ホールで開催された。
 メーンは、WRESTLE-1チャンピオンシップ、第4代王者である鈴木秀樹が近藤修司を迎え撃ち、19分25秒、得意のダブルアームスープレックスで二度目の防衛を果たした。
 体格差を経験差で跳ねのけようとする近藤は、序盤から果敢にヘッドロックを仕掛けに行く。しかし膝蹴りからのエルボーをもらい体勢を崩したあたりから徐々に鈴木のペースに。コブラツイストからストレッチボム、エルボーを見舞われた近藤は大の字でダウン。カウント9で立ち上がるも、鈴木の膝が襲い掛かる。両者が首をとりあいカウント2の攻防が続いたのち、近藤がキングコング・ラリアットを決めるが、その後の打ち合いを制した鈴木が極め付けのエルボーを叩き込む。最後は必殺技のダブルアームスープレックスで3カウントを奪った。
 試合後、KAIがリングに上がると、「覚悟を見せる」と、おもむろに頭髪を剃りはじめる。対する鈴木はあきれた様子で「次、やってやってもいいけど、これでオマエ終わりだからな? もう誰にも気ィ使ってもらえないからな?」と冷たく言い放つ。しまいには会場から「鈴木やらなくていいよ」と野次が飛ぶ始末。孤高のKAIは意地を見せられるのか?
 セミファイナルでは「Road to KEIJI MUTO スペシャルシングルマッチ」が行われ、吉岡世起を下して権利を獲得した黒潮“イケメン”二郎の挑戦を13分7秒、ムーンサルトプレスで武藤敬司が退けた。
 入場曲である福山雅治の『HELLO』が流れるなか、たっぷりと時間を使いアピールする黒潮を会場は“イケメン”コールで盛大に迎える。
 序盤、武藤をかく乱する動きで観客を魅せるも、すぐさまグラウンドに持ち込まれてしまった黒潮。その後もドラゴンスクリュー連発からの膝固めや足4の字固めから逃れるのに精一杯でなかなか攻めに転じられない。一方、極めにかかる武藤に対しては客席から大ブーイング。延髄斬りからボディープレスの連続で好機となった黒潮が当初の宣言通りムーンサルトプレスを繰り出すもカウント2で返した武藤がドラゴンスクリューからシャイニングウィザードで反撃、そして伝家の宝刀ムーンサルトプレスを決め、若き挑戦者から3カウントを奪った。
 試合後、武藤は黒潮について「未来を背負ったレスラーの一人」と称するも、「ジャケットを使いこなせていない」と、グレート・ムタ戦を機に小川直也が柔道着の着用をやめたことを引き合いに出して指摘。試合中に自身が受けたブーイングについては「しょせんは判官びいきでしかとらえてないから、パフォーマンスが受けてるだけ。パフォーマンスだけではお客さんはすぐに飽きるし、彼(黒潮)は引き出しをもっと増やせると思うから、それだけで終わってほしくない。」と、この経験を糧に黒潮の成長を願う。また、「イケメンごときにムーンサルト出すのもシャクだから一瞬迷ったんだけど、仮にもオレの冠がついているトーナメントを勝ち上がってきたことに敬意を表した」とコメント。

〈不定期プロレス女子企画 WRESTLE-1観戦記〉母性回帰はどこへやら、ベテラン勢の色気に呑まれはじめた春の夜

2015.04.06 Vol.639

 4月1日。桜吹雪舞い散る陽気の後楽園は、「WRESTLE-1 TOUR 2015 Cherry blossom」で、夏日の暑さに負けない熱気を発しておりました。
 毎回いろいろな企画で楽しませてくださるW-1の会場ですが、今回はなんと試合前にヘアメイクイベント(!)。リング上ではカリスマ美容師(多分)が黒潮“イケメン”二郎選手の髪に何やらシュッシュしているではありませんか。でもここはTGCのキャットウォークじゃなくてプロレスのリング。カッコよくセットすればするほど、試合でメチャクチャにされる前振りとしか思えません……。そんな「?」な状態で目を向けた先にはピンク色のシートと女性たちの姿。そうです、今日は初の試みで「Girl’s Seat」が設置されている日でした。ヘアケア用品のギフトまでもらえたみたいで至れりつくせりだった様子です。
 さて。新年度の始まりの本日は、「Cruiser Division初代王者決定トーナメント」の幕開けでもあります。出場するのは田中稔、吉岡世起、エル・イホ・デル・パンテーラ、アンディ・ウー、カズ・ハヤシ、児玉裕輔、大和ヒロシ、藤原ライオンという男前揃いの8名! ずらりと並んだ姿を眺めていると、トーナメントとは言うけど絵的には“Road to カズ”という印象が強く感じられます。新設ということもあって、挑んでみないと頂点のほんとの高さもわからない山をいかに登るのか、という期待で気持ちが盛り上がってきます。
 本日は田中vs吉岡のタッグパートナー対決と、パンテーラvsアンディの因縁対決の2試合。前者は田中選手が勝利したわけなのですが、おふたりが打ち合う姿、投げ合う姿、試合後に抱き合って称え合う姿……、どのシーン切り取っても妙に爽やかで(イラッ)。お育ちのよい兄弟の成長記録を見てるみたいな気分というか…。正直もっとスパイス欲しいです。とはいえ、カズ選手がこの初代王者決定戦は田中選手vsカズ選手のメーク・ドラマだと豪語していらっしゃったし、準決勝からの田中選手のバキバキ・ギラギラした姿に期待! そうであればこそ、決勝の頂で彼を迎え撃つであろうカズ選手が若手を前にどれだけ色香の漂う大人の試合をしてくれるのか、その闘いぶりが俄然楽しみな今日このごろです。
 なお1回戦の残り2試合は4月19日。真打のカズ選手と、本トーナメントへ力強く意気込んでおられた大和選手が登場。いずれも熱戦が見られることは間違いなさそうです。そして、準決勝+決勝はゴールデンウィークの5月5日。なんだか8強だとアッという間ですね、総当たりで見たいくらいです。とにかく、まずは見どころが凝縮された残りの試合を片時も見逃さず、初代王者誕生の瞬間に立ち合いたいものです。

WRESTLE-1 武藤がシングルで3年ぶりの敗戦 KAIが第3代王者に

2015.03.09 Vol.638

 プロレスリング「WRESTLE-1」の「WRESTLE-1 TOUR 2015 TRANS MAGIC」が8日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「WRESTLE-1チャンピオンシップ」で挑戦者のKAIが王者・武藤敬司を破り、第3代王者に就いた。
 2015年に入ってから船木誠勝、河野真幸、田中将斗を立て続けにシングルで破り、ここまでたどりついたKAI。やはり武藤への声援が大きいものの、世代交代を期待するファンからは「KAI勝ってくれ~」という声援も飛ぶ。
 試合は序盤グラウンドの展開が続く。KAIが攻めているように見えてもいつの間にか武藤が好ポジションをキープ。武藤が試合を支配する。この状態を打開すべく、KAIは場外に落ちた武藤にトペを敢行するも、武藤はセコンドを身代わりにして交わすと、KAIは左腕を場外フェンスに痛打。以降、左腕への低空ドロップキック、チキンウィングアームロック、キーロックと手を変え品を変え、武藤の左腕殺しが続く。KAIがなんとかスタンドの展開に戻しても、ドラゴンスクリュー、シャイニングウィザードというおなじみの武藤殺法にはまるだけ。寝ても立っても武藤が試合をリードする。
 しかし時間が経つにつれ、スタミナが切れてきた武藤の動きが鈍ると、KAIはシャイニングウィザードを防御しジャンピングハイキック、トラースキックで反撃を開始。一進一退の攻防に、試合前は武藤コールが多かった会場にも徐々にKAIコールが響き始め、15分過ぎにサンダーファイヤーパワーボム、トップロープからのスプラッシュプランチャを放つと会場は大KAIコールに包まれた。
 武藤もカウンターのフランケンシュタイナー、前後からシャイニングウィザードを連発。そして切り札のムーンサルトプレスも繰り出す。しかし着地の際にヒザを痛打し、すぐにフォールにいけなかったのが響き、3カウントを奪えない。切り札で試合を決めきれずダウンしたままの武藤にKAIはトップロープからのスプラッシュプランチャを3連発。ついに3カウントを奪った。
 試合後、若手の肩を借りながらリングを去る武藤にKAIが「武藤さん、ありがとうございました」と声をかけると、軽く手を挙げ応える武藤。そこにこの日、中之上靖文を秒殺した鈴木秀樹がやってきて対戦を迫り一触即発状態となったが、KAIは「オレは誰からも逃げないし、いつ何時、誰の挑戦も受ける」と宣言。対戦を受諾した。
 KAIはその足でファンとともに会場の1階まで下りて、喜びを分かち合う。そして会見では「このベルトを武藤さんから受け継いだということは責任重大。これから俺たちがWRESTLE−1をスタートさせる。誰とでもどんなスタイルでも、WRESTLE−1を盛り上げるためになんでもやる」と話した。
 一方、シングルマッチでは2012年3月20日の両国国技館での秋山準戦以来、3年ぶりの敗北を喫した武藤は「持久力がなかったというか、ちょっとスタミナが切れた」と試合を振り返り「俺に勝った後のチャンピオンはしんどい。KAIはエースになるべくチケットをゲットしただけ。プロレスの神様はきっと途中下車もさせるだろうし、今からがしんどい」と独特の表現で王者の厳しさを説きつつも「託せるようになってほしい」とエールを送った。自らの今後については「変わらない。でも武藤敬司がおしとやかになると“裏の顔”が出てくる」とグレート・ムタの出現を予言した。

WRESTLE-1 チーム246がタッグ王座V5 KAIはZERO1田中に初勝利

2015.02.16 Vol.636

 プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 TOUR 2015 WEST SIDE STORY」が13日、東京・後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」で王者組のチーム246、カズ・ハヤシ、近藤修司組に田中 稔、吉岡世起組が挑戦。20分24秒、パワープラントからの片エビ固めでカズが田中を破り、5度目の防衛に成功した。
 今回のタイトルマッチは勝敗はもちろん、田中の“覚醒”がひとつのテーマとなっていた。吉岡とのタッグ「Too Sharp」を本格始動して以降、田中は吉岡の“後見役”的な立場となっていた。確かにWRESTLE-1の未来を考えるとそれはそれで必要なことなのだが、王者組からするとそれは物足りない姿に映り、シリーズを通じて田中を挑発してきた。
 試合はタイトルマッチにふさわしいハイレベルの攻防が繰り広げられた。田中も先発を買って出て、カズと細かいレスリングの攻防を展開、終盤には得意の関節技でギブアップ寸前まで追い込んだが、最後はカズのパワープラントの前に沈んだ。
 試合後のリングでカズが「俺たちととんでもない差がついちゃったぞ。これからWRESTLE-1にクルーザーという世界を作りたい。あなたはその輪の中に入れるのか?」と挑発するも田中はマイクを放棄しリングを降りた。カズは会見で「ジュニアじゃない。ほかのベルトより、上でも下でもないクルーザーディヴィジョンを作らないといけない時期」とクルーザー級の新ベルトの設立を訴えた。そして「田中稔がそこに入ってくるかどうかは知らない。でも俺は新日本を辞めて、何もかも捨てて、人生をかけて全日本にやってきた、あのときの田中稔を知っているから」と改めて田中に言及した。
 一方「もう一回カズ・ハヤシとやらせてほしい。どこでもいい。シングルで」と雪辱を誓った田中だったが、14日には22日の大阪府立体育館第二競技場大会でのカズ・ハヤシvs田中稔戦が発表された。

1・30 W-1 武藤がW-1チャンピオンシップ2度目の防衛

2015.02.02 Vol.635

 プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 SUNRIS TOUR 2015~New Year Fight~」後楽園ホール大会が1月30日開催され、メーンで行われたWRESTLE-1チャンピオンシップで武藤敬司が征矢学を19分34秒、足4の字固めで破り、2度目の防衛を果たした。
 征矢は昨年末の大会で、ベルトを防衛した直後の武藤にリング上で挑戦を表明したものの一言「保留」とばっさり断られ、赤っ恥をかかされた。しかし今年最初の1・11後楽園大会でタッグマッチながら武藤からサソリ固めでギブアップ勝ちを奪い、実力でこの日の挑戦にこぎつけた。
 対戦が決まってからも武藤から「ギミックレスラー」「ただのバカ」とおちょくられる征矢だったが、この日はいつものワイルドボンバー、デスバレーボムといったワイルド殺法に加え、武藤の得意技であるドラゴンスクリューを踏ん張ってしのぎ、そこから三角締めに移行するという作戦で武藤を翻弄。ワイルドにインテリジェンスをトッピングした戦いぶりで再三、王者を追い込んだ。しかしインテリジェンスの戦いになっては武藤のほうが一枚も二枚も上。ならばとばかりに、征矢が前回の対戦でギブアップを奪ったサソリ固めを狙うと回転して変形の4の字固めへ。そしてエプロンの征矢へのドラゴンスクリューで流れを変えると、逆回転のドラゴンスクリューと征矢の上を行く武藤。最後はシャイニングウィザード、セカンドロープからの低空ドロップキック、正調のドラゴンスクリューと畳み掛け、足4の字固め。「選手生命の危機を感じた」という征矢はたまらずギブアップした。
 シャイニングウィザードを何度も防御され、雪崩式フランケンシュタイナーまで繰り出しての勝利に武藤は試合後、「ただのバカと言ったのは訂正する」と征矢を称えた。試合中にスタミナが切れかかる場面もあり「ヒザが悪くて心肺機能を鍛えるトレーニングができない。15年前の武藤敬司を100としたら今は30くらい。ごまかしてプラス40の70でやってる。正直焦りは感じている」と話した。
 この日は次期挑戦者に名乗りを上げる選手が現れなかったことから、次の防衛は「他団体かも。他団体だと遠慮がないから落とす可能性もあるな」と語った。

 セミファイナルでは「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」が行われ、カズ・ハヤシ、近藤修司組のチーム246がデスペラードのKAZMA SAKAMOTO、土肥孝司組を破り、4度目の防衛を飾った。1・11後楽園大会で防衛後の王者を襲い、ベルト強奪という暴挙を働いたデス軍は「デスペラード式ピラニアマッチ」という特別ルールとサブレフェリーとしてMr.ロバートという謎の外国人の採用をゴリ押し。王者組がその条件を飲んだことから、試合は思いがけない展開に。
 まずはゴング前にメーンレフェリーの神林レフェリーを土肥がラリアットで蹴散らすと、ロバートがゴングを要請。ちゃっかりメーンレフェリーの座についてしまった。実力的には1枚も2枚も上の王者組だが、リング下に落とされては河野、TAJIRIの攻撃を食らう。リング上ではロバートレフェリーの高速カウントや王者組のタッチを認めないという悪徳レフェリングに悩まされ、あわやというところまで追い込まれた。調子づいてリング上にまで乱入してきたデス軍だったが、ここに落とし穴が。TAJIRIの毒霧がロバートレフェリーに誤爆。レフェリー不在の無法地帯となったリングに今度はWRESTLE-1のセコンド陣が堰を切ったように乱入し、河野とTAJIRIを排除すると近藤がキングコングラリアットで土肥をフォール。蘇生した神林レフェリーが3カウントを数え、王者組が勝利を収めた。
 試合後にはこの日、中之上靖文、児玉裕輔組を破った吉岡世起がリングに現れ、田中稔とのコンビで対戦を要求。タッグ戦線は246を中心にめまぐるしく動いている。

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