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vol.474(2010. 08/30-09/05)
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撮影:篠山紀信

中村勘三郎と野田秀樹が初めて一緒の舞台に立つ
NODA・MAP番外公演 『表に出ろいっ!』

 中村勘三郎を迎えての番外公演。勘三郎×野田秀樹といえば、過去3回、いずれも歌舞伎作品で、野田が脚本と演出を手掛けてきた。しかし今回は演劇で、野田も役者として一緒の舞台に立つ。それも夫婦役。

 お話はアミューズメントパークを偏愛する父、アイドル系を偏愛する母、ファストフードを偏愛する娘。3つの偏愛が混在する、鎖でつなぎ合わないと成立しないほどバラバラな家庭の物語。

 公演にあたって「一人娘」となるヒロイン役のオーディションを行った。お披露目会見で登壇したのは黒木華と太田 緑 ロランスという2人の女優。「ん?姉妹に設定が変わったのか?」と思いきや、甲乙つけがたく2人合格、ダブルキャストと相成ったという。フランス人の父を持つロランスはすでに舞台や映像でも活躍中で、その名を耳にしたことのある人も多いだろう。かたや黒木は現在大学3年生。野田が大阪で行ったワークショップに参加し、この7月に『キャラクター』のアンサンブルとして初舞台と、バックボーンからなにから好対照の2人。

「まるで別の作品になりそう」と野田が言えば、「稽古が大変」とボヤキながらも笑顔の勘三郎。そこまで言われたら、ただでさえプラチナなチケットがますます……。

【日時】9月5日(日)〜28日(火)(開演は日火木土14時/19時、月水金19時。※5日(日)は19時開演。8、13、20、27日休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売)
【会場】東京芸術劇場小ホール1(池袋)
【料金】全席指定 一般7500円/サイドシート4000円(25歳以下 2000円 要身分証) /高校生割引 1000円(要学生証・事前予約制のため、予定枚数終了)
【問い合わせ】NODA・MAP(TEL:03-6802-6681 〔HP〕http://www.nodamap.com/
【作・演出】野田秀樹
【出演】中村勘三郎、野田秀樹〈娘役Wキャスト〉黒木 華/太田緑 ロランス


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今年のMITAKAも粒ぞろい
コマツ企画 『よわいもんいじめ』

 三鷹市芸術文化センターの名物企画である「MITAKA “Next”Selection 11 th」の季節がやってきた。昨年のラインアップからは柴幸男が岸田戯曲賞を受賞、パラドックス定数の野木萌葱も最終候補にノミネートされるなど、若い劇団の登竜門的な存在感を改めて示した。

 今年参加するコマツ企画、カムヰヤッセン(10月1日〜)、MCR(10月22日〜)の3劇団にもかかる期待は大きい。

 先陣を切るのはコマツ企画。時にシニカルに時にバカバカしく――その作品の振り幅は大きく、いざ幕が開けるまでどんな切り口で迫ってくるのか予想はつかない。しかし、芸達者の役者たちを変幻自在に動かし、余韻はしっかり残してくれる劇団だ。

 今回は実際にあった事件を下敷きに時代の「演じる人たち」を描くという。

 1980年、宗教団体の若い女性信者数名が行方不明になったとある日の新聞が報じた。団体の失踪と沈黙。飛び交う憶測、家族の誤解。その後、女性信者がそろって夜の街で働いていたことが明るみになる。マスメディアはときにヒステリックにときに男のように優しく彼らを取り囲んだが…。

【日時】9月10日(金)〜20日(月・祝)(開演は平日19時30分、土14時/18時30分、日14時。19日(日)は18時30分の回あり。20日(月)は14時開演。13日(月)は休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売)【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)
【料金】全席自由席 前売:一般3000円、当日:一般3200円/高校生以下:前売り、当日とも1000円
【チケットの問い合わせ】三鷹市芸術文化センター(0422-47-5122=10〜19時 月曜休館)
【問い合わせ】コマツ企画(TEL:090-4385-5578 〔HP〕http://komatsukikaku.com/
【作・演出】小松美睦瑠
【出演】本井博之、川島潤哉/柿丸美智恵(毛皮族)、玉置玲央(柿喰う客)、幸田尚子(クロムモリブデン)、佐野功、近藤美月、満間昂平(犬と串)、東谷英人、宍戸香那恵(ユニークポイント)、中川鳶、斎藤加奈子(ろりえ)

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vol.473(2010. 08/23-08/29)
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長塚圭史がロンドン留学中に出会った作品
パルコ・プロデュース 『ハーパー・リーガン』

 これまでパルコ劇場でマーティン・マクドナーの3本の翻訳劇を演出してきた長塚圭史が4本目の翻訳劇に取り組む。今回はサイモン・スティーヴンスが、21世紀のイギリスを舞台に家族というテーマに取り組んだ作品。長塚がロンドン留学中に出会い、ぜひこの戯曲を演出したいという思いから実現した。

 お話はハーパー・リーガンという女性の2日間の旅を追った、いわばロードムービー的なもの。父親の危篤の知らせを受けた彼女は上司に休みを懇願するが、いとも簡単に拒否される。その瞬間に心の「何か」にスイッチが入った彼女はある晩、夫と娘を置いたままあてもなく家を出る。それは自分と向き合う旅。道に迷いながら進んだ2日2晩。その2日間、彼女はさまざまな人と出会う。ほつれた糸を解くつもりが余計にからませてしまったり、あらたな傷を増やしてしまったりしながら…。この旅で彼女は何を見つけ、それに伴い彼女の中で家族の情景はどのように変化していくのか。

 ハーパー・リーガンの周りに起こることは、現代の私たちにも普通に起こりうることで、彼女の生き方を通じて、現代という時代が垣間見える。そして現代との折り合いのつけ方を否応なしに意識させられる。

 主人公のハーパー・リーガンを演じる小林聡美は5年ぶりの舞台出演となる。

【日時】9月4日(土)〜26日(日)(開演は月水金19時、土14時/19時、木日14時。※4日(土)は19時の回のみ。20日(月)は14時の回のみ。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売)
【会場】パルコ劇場(渋谷)
【料金】全席指定 7500円
【問い合わせ】パルコ劇場(TEL:03-3477-5858 〔HP〕http://www.parco-play.com/
【作】サイモン・スティーヴンス
【演出】長塚圭史
【出演】小林聡美、山崎一、美波、大河内浩、福田転球、間宮祥太朗、木野花

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vol.472(2010. 08/09-08/22)
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雨が降っても暑くても「駄弁」は不滅
あひるなんちゃら 『UFOcm』

 一言で演劇といってもいろいろな種類のものがある。人間の内面をえぐるような仰々しい作品から、な〜んにも訴えるもののない作品。難しい台詞を発し、異空間を作り上げる「演劇らしい演劇」から、普段我々が話しているような言葉を普通のトーンで喋り、そしてスペクタクルなエピソードも特にこれといって持ち合わせていないものまで。

 このあひるなんちゃらは自らを「駄弁芝居」と名乗る。劇団名と合わせて、なんとなく今、頭に想像したとおりの劇団。

 今回の作品は2007年に上演したもの。初めての再演。でも脚本をアレンジしてみたら話の流れは変わらないのだが、登場人物が2人増えた、とのことで、再演じゃなくて“再演風”なんだとか。

【日時】8月25日(水)〜29日(日)(開演は水木19時30分、金15時/19時30分、土日15時/19時。開場は開演30分前。当日券は開演45分前から発売)
【会場】駅前劇場(下北沢)
【料金】全席自由・日時指定 予約あり2000円/予約なし 2500円【問い合わせ】あひるなんちゃら(TEL:03-5945-3533 〔HP〕http://www.ahirunanchara.com/
【脚本・演出】関村俊介
【出演】黒岩三佳、根津茂尚、関村俊介、異儀田夏葉(ヨシロォの夏は夢叶え冒険団)、石澤美和、石田潤一郎(乞局)、江崎穣(ハリケーンディスコ)、江見昭嘉(MCR)、澤唯(サマカト)、ザンヨウコ(危婦人)、篠本美帆(チーム下剋上)、高橋優子、渡辺裕也(クロカミショウネン18)


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緻密に構成された脚本と旬な役者たち
キリンバズウカ 『ログログ』

 キリンバズウカは脚本家で演出家、そして某劇場のスタッフでもある登米裕一が、自ら劇場に足を運び、「この人と一緒にやりたい」と思った小劇場界の旬の役者や腕のあるスタッフを集め、プロデュース形式の公演を行う劇団。もともと大阪で演劇活動を行ってきた登米は2008年より東京で再始動。以後、年に1回ペースで2回の公演を行い着実に支持を増やしてきたが、3回目にして一念発起のシアタートラム公演。

 映像の世界でも脚本家として活躍しているだけあって、その緻密さや会話の中から捻じ曲がった笑いを作る技術、そしてその笑いを伏線としたSF的構成や、二重構造の組み立てなど脚本力には定評がある。

 今回は「記憶」がテーマ。自分の記憶と他人の記憶との区別が曖昧になってしまった人間の物語。とある病院で思い出話に花を咲かせる人々。中学校のころいじめられていた男は、なぜか自分がいじめる側であったと記憶している。人間とはなんと愚かで怖いものなのか。忘れてしまっている記憶と忘れられない記憶のズレによるおかしさと悲しさを丁寧な会話劇で描く。

【日時】8月26日(木)〜29日(日)(開演は木〜土15時/19時30分、日15時。開場は開演30分前。当日券は開演45分前から発売)
【会場】シアタートラム(三軒茶屋)
【料金】全席指定 前売3200円、当日3500円/限定早割(26日15時)前売2800円、当日3500円
【問い合わせ】キリンバズウカ(TEL:090-9303-6400 〔HP〕http://kirinba.seesaa.net/
【脚本・演出】登米裕一
【出演】三浦俊輔、中川智明、岡田あがさ、金沢涼恵(クロムモリブデン)、市川訓睦、こいけけいこ(リュカ.)、川村紗也(劇団競泳水着)、堀越涼(花組芝居)、永島敬三、中原裕也、川田希(カニクラ)

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vol.471(2010. 08/02-08/08)
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好評につき“続編”という形で第2弾
彩の国ファミリーシアター 音楽劇 『ガラスの仮面〜二人のヘレン〜』

 原作は言わずと知れた、美内すずえの演劇を題材とする大ヒットコミック。2008年に舞台化されたが、好評につき、“続編”という形で、この夏第2弾が上演されることとなった。

 演出はもちろん、彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督を務める蜷川幸雄、脚本は青木豪。第1弾に引き続きこの2人が担当する。

 前回は全日本演劇コンクールで敗退し、「劇団つきかげ」が解散するあたりまでを描いた。今回は原作でも定評のある『奇跡の人』のエピソードを軸に描かれる。

 劇団は解散したものの、北島マヤの演劇への情熱は募るばかりで、変わらず月影千草のもとでレッスンに励む日々を送っていた。そんななか急きょ代役として舞台に立つこととなるマヤだったが、月影はそれをとがめ、マヤに『奇跡の人』のオーディションに合格しなかったら破門だと伝える。熾烈を極めたオーディションに勝ち残ったのはマヤと宿命のライバルである姫川亜弓だった。

 前作で応募者2330人のオーディションを勝ち残った大和田美帆と奥村佳恵が、もちろん今回も引き続きマヤと亜弓を演じる。この2年の間、別のステージで実績を重ねてきた2人が互いの成長を競い合う。奇しくも劇中の2人のように。

【日時】8月11日(水)〜27日(金)(開演は月火木金13時、水19時、土日12時30分/17時30分。25日(水)は13時の回あり。17日(火)と23日(月)は休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売)
【会場】彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(JR埼京線与野本町)
【料金】S席6000円/A席4000円
【問い合わせ】彩の国さいたま芸術劇場(TEL:0570-064-939=10〜19時 〔HP〕http://www.saf.or.jp/
【原作】美内すずえ
【脚本】青木豪
【演出】蜷川幸雄
【出演】大和田美帆、奥村佳恵/細田よしひこ、新納慎也、原康義、月川悠貴、岡田正、黒木マリナ、立石凉子、香寿たつき/夏木マリ

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