
vol.187
globe decade-access best seasons 1995-2004-
SPECIAL LIVE REPORT
圧倒的な音に包まれると、人は踊り出してしまう。元来、人は踊る生き物だった。うれしくて踊り、辛いことをまぎらわせるために踊り、祝祭で踊りはピークに達する。とにかく、踊れる音楽というのは文句なく楽しい。ましてや、ダンスミュージックの究極の進化系として時代を席巻したglobeのライブが楽しくないわけがない。さらに今回のツアーは、デビュー10周年を祝う意味でのベストヒットライブ。次から次と繰り広げられる大ヒット曲を聴きながら、会場を埋め尽くした観客は踊り続けた。
そしてバラードでは、さざなみをうったように観客はKEIKOの歌に聞き惚れる。メリハリの効いた曲構成。ステージ中央に飾られた、globeを象徴する巨大な地球のオブジェを彩る美しい光のフラッシュ。その球体の表面には、10年の歴史を物語る懐かしい映像も次々と映し出された。小室哲哉の華麗なソロワークも、プログレのような分厚いロックにアレンジされたナンバーも、トランスの連続も、そのすべてがglobeの真骨頂。なんと説明していいかわからないくらい、その音に包まれる快感はすごい。
『DEPARTURES』では、光の粒が雪のように会場に降り注いだ。思えばglobeには、せつなく激しい愛の歌も多い。KEIKOの、はちきれそうに響くボーカルは、その世界を伝えるためには圧倒的に効果的だ。ウェットにはなりきらない。だけど苦しいくらい愛されたい思いは誰の心にもある。globeの音楽が伝わる理由は、その表現力にあるのだと改めて納得だ。そしてこのステージの模様は、なんとexciteによるインターネットの生放送で全世界同時中継されていた。
「ハーイ、見てる?」と、インターネット用のカメラに手を振るKEIKO。「今日は世界中に生放送されてるからね! 僕の友達もスペインのイビサ島で見てるよ」とMARC。そして史上初ともいえる珍しい取り組みがもうひとつ。ステージ途中にはさまれた15分の休憩時間に、指定のアドレスに携帯でアクセスすることで、会場にいる観客のナマの声を共有できるという遊びも取り入れられた。「とにかくサイコー!」「もうダメ、身体が壊れそう!」など、リアルタイムのメールで寄せられた感想は、ステージに下ろされたスクリーンにも次々写し出された。
「10年の思いから、新曲が出来てしまいまして。いち早く聴かせたいと思うのがアーティストの性です」。2部の始まりに、スクリーンに映し出された言葉。披露された新曲のタイトルは『Judgement』。「どうですか、新曲、これ、歌うとすっごく気持ちいいのよ」。KEIKOとMARCが声をそろえる。そして『SaYoNaRa』で会場が暖かい拍手に包まれると、その後は一気にダンスタイム。ゆさゆさと揺れる床。振りかざされる手。「あなたは輝いている―」「あなたは大切なひとり―」、そんな意味の英文が巨大な地球に描かれ、メッセージを伝える。ステージの最後に、マイクを持って話し始めたKEIKOのBGMで流れるのは、小室が静かにピアノで弾く『Feel Like Dance』。「今日、音楽っていいなとつくづく思いました。そして、歌がうたえるって本当に幸せだと思います」。ちょっと感極まった様子でKEIKOが語る。そして、「これからも歌い続け、突っ走り続けていきますので、よろしくねー!」とMARC。エンディングは、文字通り会場がひとつになった『Is this love』。あっという間の3時間。3人が去ったステージに映し出された文字は、「NO WAR, NO BOMB, NO RACISM。LOVE & PEACE, ONE WORLD globe」。戦争のない、爆弾のない、人種差別のない、愛と平和のひとつの世界を―。
globe結成10年の節目となったスペシャルなステージ。追加公演は1月20、21日に東京のNHKホールで、24、25日には大阪フェスティバルホールで行われる。
※緊急リリース決定!
結成10周年に向け走り始めたglobeのすべてが詰まったcomplete box、2月16日発売決定!『globe decade -complete box 1995-2004-』(3万9000円/税込み)