
vol.196
サイコ・ホラー『隣人13号』で2人1役に挑戦。
中村獅童×小栗旬 interview
漫画家、井上三太のコミックを気鋭の新人監督、井上靖雄が映画化。主人公、十三(じゅうぞう)役には舞台、映画と活躍が続く小栗旬。そして別人格13号役を、萬屋一門の風雲児、中村獅童が不気味に熱演。1人2役ならぬ“2人1役”に挑んだ2人を直撃!
中村獅童(以下:獅)「特に演じる上でお互いを意識するようなことはなかったですね。通して見たら同じ人間だということであって、僕は全く別の人間として演じていましたよ」
小栗旬(以下:旬)「本当に別人格だから、別々にやってみよう、とね。とにかく格好が全く一緒なので、監督もそれはそれで面白いんじゃないか、と」
サイコチックなストーリーに、衝撃シーンも満載だが、小栗が美しい裸体を披露する場面もあり、女性ファンも見逃せない作品となりそうだが…。
獅「僕の裸体は汚いですか?(笑)女性ファンに見てもらいたいところですか。他の映画だったら、いっぱい言えるんだけど…(笑)。この映画では自分をというよりも、全体のストーリーやテーマ、この映画の独特な世界観を見てもらいたいかな」
旬「僕もそうですね。自分で俺の裸体を見て、というのも…(笑)。まあ、ハジケている13号と、ハジケ切れない十三との関係を見てもらえれば」
そんな2人、人に見せられない“もう1人の自分”がいたりしない?
獅「人に見せていない部分を人前で言ったら、意味ないじゃないですか(笑)。誰でも、いろいろな面があると思う。誰も知らない一面は、秘密です(笑)」
旬「でも、獅童さんは結構いろんな顔があると思う。会うたびに、いろんなイメージを持っている人だな、と。本当に優しいお兄さんみたいな人だなあ、っていうときもあれば、控室から奇声を発しているのが聞こえたり…(笑)」
獅「あはは」
旬「獅童さんなりのテンションの上げ方だったと思うんですけどね、ああ13号を演じるのは大変なんだな、と(笑)」
2人にも、十三のトラウマを理解できる過去があった。
獅「僕ね、イジメられっ子では無かったんだけど、小学校3年生から歌舞伎の舞台に立っていたので、たまにおしろいを残したまま学校へ行ってしまったりすると同級生から“オカマ”とか“カブキ”なんて、からかわれたりして。ちゃんと言い返す子どもだったけど、自分なりに傷ついていましたね」
旬「僕も人の前に出たがるタイプで、幼稚園のころなんて“最近、自分の意見が通らないと友達を殴るクセが出てきているので、気をつけましょう”と手帳に書かれていたり(笑)。でも、中学3年の終わりごろ、かなりひどいイジメを受けたことがあって。僕もそのころから仕事を初めて、学校を休むことが増えて。犯人の分からないイジメというか…机の中にごみを入れられたり、自分の荷物を隠されたり。今回、その時の思いを、引き出した部分もあるかも」
出身校も一緒、クリエイティブな一家に育つなど、共通点も多い2人。
獅「(撮影中は)よく一緒にいたよね」
旬「僕がいつも獅童さんにくっついていたんだと思う(笑)」
獅「2人で、裸で踊っているシーンもずっと一緒で。また監督がオイル好きで(笑)。撮影するときって光るのをおさえるのに逆に光らせるんだよね」
旬「まず下地にワセリンを塗って、それからベビーローションを…」
獅「もう旬君、泣きそうになっていたもんね、ずっと全裸で前張りして(笑)」
旬「ヘコみましたね、あの日は(笑)」
獅「で、ずっとオイルで光ってる(笑)」
旬「でもトランスを踊り始めたあたりから、吹っ切れてきて」
獅「ああ、のびのびと踊っていたね(笑)」
旬「それまでは獅童さんにペチンペチン、叩かれて…」
獅「終わったあとに、俺、芝居だからってヒドイことしてるな、って思って(笑)。この年になって人のお尻をビシビシ叩くとは思わなかったよ」
十三と13号の復讐の矛先は、赤井の幼い息子、勇気に向けられる…。2人の迫真の演技は、かなり怖い。
旬「僕ら2人は監督にはめられたんだと思いますよ(笑)。凄い映像にしたいから、なんて言われて」
獅「13号と子役の子が観覧車に乗っている場面は、僕がハンディカメラで撮った映像を使うため、2人きりだったんです。すると彼が途中でひどく泣き出してしまって、それを聞いたスタッフたちは僕がよほどひどいことをしていると思ったらしく(笑)。芝居でやっているのに…って、相当ヘコみましたね。だからあの子は僕には全然なつかなかった(笑)」
旬「衣装が同じだからか、僕にもあまり近づいてくれませんでしたよ(笑)」
獅「でもあの子は本当に頑張ったよね」
ところで、もし“もう1人の自分”が出現したら、2人はどうする?
旬「面倒なことは全部そいつに任せる。“お前、全裸のシーンだけやって”(笑)」
獅「僕もそうだね。子どもを泣かせるシーンなんかを(笑)」
普段とは全く異なるサイコな一面を見せてくれる2人。もう一人の小栗×獅童、必見です。