今週のTOKYO HEADLINE
vol.208
(2005.06/06-06/12)
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TokyoCulture vol.208

インタビュー
もう踊らずにはいられない

Hi-Timez

2MCのヒップホップユニット、Hi-Timezが最強のシングルを作り出した。一度聞いたら耳から離れないサビ、思わず鼻歌で歌ってしまうキャッチーさ、そして奮い立たせられるようなポジティヴなリリック。秀逸という言葉がピッタリだ。

自分の言葉でラップすれば、HipHopなんだと思うんですよ。

Hi-Timezは、MassattackとTalantulaからなるHipHopユニットだ。マサチューセッツ州にある高校に通っていた2人が、クラスメートを通じてHipHopに出会い、はまり、そして結成。ボストンで活動しながら、卒業後はニューヨークへ。名刺1枚からグラスルーツ的活動をスタートし、最終的にはMCA傘下のGood Treesから契約話ももちかけられるまでになった実力派だ。アメリカンドリームを感じさせる彼らの経歴は、彼らの楽曲が、細胞分裂するように増殖している“ヒップホップ風ポップソング”と一線を画す理由の裏づけだ。

 ビザ問題などもあり、親交のあったDJ Masterkeyの助言で活動拠点を日本に移して4年。ライブやコンピレーション盤への参加など自分たちのペースで活動を続けてきた。それが実を結んだのが2004年だった。「こういうことがやりたいんだってこと」が分かってきて、オフコースの『言葉にできない』をサンプリングした『in my words〜言葉にできない〜』でメジャーデビュー。その後は、ウキウキするようなポップでカジュアルなシングルで彼らの音を知らしめ、それだけではない音楽性の広さをアルバム『MY WORDS』で見せつけた。

 最新シングル『Break Yourself』は、Hi-Timezの意思表明的な作品になった。
 「デビューしたときは、分からないことも多かったし、学ぶこともたくさんあったんですよ。だから、やりたいことはある程度やってきたけれど、ある意味、受身に動いた部分もあったと思う。がむしゃらにやる部分が足りてなかった。だから、今年はリバース(Rebirth)、リボーン(Reborn)っていうのを掲げて、全部ぶち壊し、新しいものを作っていきたい、と思ったんです」(Massattack)

 『Break Yourself』は、自分であるために自分を破壊せよという強い言葉と、踊らずにはいられない、言い換えれば踊らさられてしまう痛快なポップチューンで構成されている。いわゆるゴリゴリのHipHopとは違う、芯のあるパーティーチューンだ。
 「今って、HipHopの本当に重要な部分より、その他の部分に目が行ってるんじゃないかなあと。タイトルのBreak Yourselfも、自己解放の意味もありますけど、単純にこういう音でラップしちゃいけないのかなあっていう思いもあったんですよ。ロックだろうが、演歌だろうが、テクノだろうが、トランスだろうが、それで自分の言葉でラップすれば、HipHop。というのも、本来のHipHopって音楽ではなくて、生き方。自分に誇りを持って生きるとか、ありのままの自分を受け入れて誇りをもって生きることが、HipHopが伝えたいことだし、HipHopのポジティヴさだと思う」(Talantula)

 彼らもいうように、Hi-Timezの音は、いわゆるゴリゴリのHipHopサウンドではない。しかし、HipHopの精神はより強く生きているのだ。
 「黒人よ、さあ立ち上がれっていう歌を聞いて、アジア人である自分たちが白人に対抗心を持つのは違うと思う。僕らは、子供のころから使う便所が分けられているような経験はしていないですからね。ただ、音楽として楽しいことを吸収するというか、ポジティヴさを受け入れればいいと思ってます」(Talantula)

 どうみられるか繰り返すより、自分に一度賭けてみろーー。『Break Yourself』は叱咤激励のメッセージで締めくくられる。この言葉は彼ら自身への叱咤でもある。
 「僕らが根付かせたいのは、本当に自由にやってみたいなこと。みんなと一緒に手を上げてワーっていうのもいいですけど、阿波踊りでも、なんでも好きに踊って、能動的にアガってほしい。そういう雰囲気を作っていきたいですね」(Massattack)

(本紙・酒井紫野)
Hi-Timez 『BreakYourself』発売中 1050円 東芝EMI
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