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vol.209
(2005.06/20-06/26)
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Movie vol.209

インタビュー

監督:クリス・ケンティス
プロデューサー:ローラー・ラウ

空が、海の水が、海中の“何か”が…見るものを本能的に恐怖させる!!

 すでに、この映画の“恐怖”を耳にしている人もいるかもしれない。CG、スタントは一切使用せず、50匹ものサメの群れの中に、実際の俳優たちを泳がせて撮影したという低予算映画『オープン・ウォーター』。2004年1月、サンダンス映画祭を絶叫させた本作が、海開きを目前にした日本にやってきた。“最も怖い映画”を生み出した、監督・脚本のクリス・ケンティスと、妻でありプロデューサーのローラ・ラウを直撃インタビュー!

クリス(以下C)「本当に見てくれた人の反応が良くて、とてもうれしいよ。実は、僕は観客の反応を読み取るのが苦手で、最初のスクリーニングの時にも、どうも気に入ってもらえなかったように思っていたんだ(笑)」

ローラ(以下L)「でも実際はすごく気に入られていたの。〈バラエティ〉誌でも、とてもよい批評が出たりね」
 
 実は、本作のもととなったアイデアは、実際に起こった事件から着想を得たもの。

C「最初に事件のことを知ったときには、まだ映画化しようとは思っていなかった。2000年ごろになって、デジタルカメラを用いて高度な撮影が簡単にできるようになった。僕たちにも買える値段でね(笑)。そこで、デジタルカメラを使用してそのリアルさが効果的になる物語を思いついたわけさ」

 あまりにもストレートで、誰も思い描かなかった“誰にでも起こりうる恐怖”。

C「オーディションのときには、みんな“自分ならサメと一緒の撮影も大丈夫!”って言っていたよ(笑)。でも僕らは、最終選考に残った3、4人の俳優たちが水中で演技ができるか、ということまでテストしたんだ」

 その結果採用されたのが、妻役のブランチャード・ライアンと夫役のダニエル・トラヴィス。

C「実際、ダニエルのほうは問題なかった。本人が言ったとおり、サメの中での撮影もむしろ楽しんでいるくらいで、撮り終わってからも、サメと泳ぎたがってたよ(笑)。でも大変だったのはブランチャードだ。最初は本人も大丈夫と言っていたし、そう思っていた。ネットでサメについて調べて、安全の確認もしてたしね。ところが実際にサメ50匹の中に僕が入り、ダニエルが入り、さあブランチャード、という番になったとき、彼女はとても怖がってしまって。でもボートの中にずっといるわけにもいかず、頑張って海に入ったけどね」

L「きっと、自分でもあんなに怖がるなんて思ってなかったんだと思うわ」

C「サメの撮影専門のスタッフと、万全の態勢で撮影をしていた。とはいえ、サメがうようよいる中では、やたらに足をばたつかせたり、叫んだりしてはいけないんだ。サメとの撮影はきっちりとスケジュールを決めて、1日半で撮り終えた。その後、俳優たちだけの場面を別の場所で撮影したんだよ」


 まるで何日もサメの群れに囲まれていたかのような印象をうけるほど、例えようのない圧迫感に包まれる。サメ、天気、海…すべてが恐怖に変わっていく圧迫感だ。

L「まさにそれを狙っていたのよ(笑)。実際、“サメの群れと120日間過ごした映画”なんていう記事まで出たんだから(笑)」

 本作の最大の恐怖、それは“リアルすぎること”。

C「最近はCGで、どんな映像も作れるけれど、70〜80年代のスタント映画のような強いインパクトは与えられない。僕らは、実際のサメを使用することによって、主流となっているハリウッド映画とは違う、迫力とリアルさを持った映画を作りたかったんだ。俳優だけの場面は、もともと浅瀬で撮影するつもりだった。けれど、やはり陸から20マイルも離れた深さ2000フィートの海の上に俳優を泳がせ、演技させた。それも、リアルさを追求したかったからだよ」

 当初、全米47館の限定公開の予定が、公開3日間のアベレージで全公開作品中、第1位(トム・クルーズ主演の『コラテラル』は3位)に躍り出たことで、急遽、全米2709館での拡大公開となった。この映画の成功の秘訣とは何だったのか。

C「ラッキーだったのかも…(笑)」

L「たぶん、原始的な恐怖を描いたことだと思う。もちろんサメに対する恐怖もそうだし、海という未知の存在への恐怖、といった、人間が持つ本能的な恐怖をね」

 実は、昨年のクリスマスにプーケットを訪れていた夫妻は、津波に遭遇。数時間、夫妻は互いの行方が分からず、本当に恐ろしい体験をしたという。

C「すでに次回作の企画もいろいろ出ているけれど…次は“水”の映画ではないだろうね(笑)」

(本紙・秋吉布由子)

『オープン・ウォーター』
監督・脚本:クリス・ケンティス 出演:ブランチャード・ライアン、ダニエル・トラヴィス他 ムービーアイ エンタテインメント配給/1時間19分/シネクイント、シネ・リーブル池袋他にて6月25日よりロードショー公開
【URL】http://www.openwater-movie.jp/
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