
vol.210
インタビュー
高谷裕之
「1回戦が一番緊張するから、早く終わらせたい」
「1回戦が一番緊張するんで、早く終わらせたい」
不敵に言い放つ高谷裕之は、プロ修斗わずか6戦にして世界ランク1位(現在3位)をもぎ取ったツワモノである。
彼のバックグラウンドは、ズバリ「ケンカ」。ストリートファイトで鍛えた度胸は、試合にもダイレクトに反映されている。強豪、外国人、関係ナシ。リングで向き合った相手との“しばき合い”上等のファイトは、他のファイターにはない殺気であふれている。
「全盛期のマイク・タイソンが好きでしたね。闘争本能むきだしで相手を豪快に倒すところがカッコよかった。最近では(ヴァンダレイ)シウバの戦い方も好き」
「ケンカとか、そういう年でもないから」と、23歳にして格闘技の門を叩いた高谷。軽い気持ちで始めたものの、一瞬にして格闘技が持つ魅力に取りつかれた。
「ストレス発散しようかなって思って始めたんですけど、初日からスゴイ面白くて。ジャブ、ストレートの基本だけでも、いろんなテクニックがあるんだなって思った」
そしてメキメキと頭角を現した高谷は02年、アマ修斗ライト級で優勝。鳴り物入りでプロデビューを果たす。
「デビュー戦はメチャクチャ興奮してました。試合は危ない場面もあったけど、今までやってきた中で一番、攻めることができた。『HERO'S』でも、ああいうアグレッシブな試合をしたいですね」
着実に勝利を重ねた高谷は、“神の拳”ステファン・パーリングを左ハイ一撃で失神KOする鮮烈なファイトを見せるなど、一躍脚光を浴びる存在になった。
「始めるのが遅かったから、早めに追いついてよかった。トーナメントは修斗で一つ上の階級になるけど、そこはやってみないと分からない。前から大きい相手とスパーリングするようにしてるんで、いつも通り、ケガしないように気をつけながら練習していきますよ(笑)」
トーナメントの「先は考えてない」とは言いつつも、“標的”はすでに定まっている。
「ノゲイラ。ずっと前からチャンピオンだったし、やりたい。僕はタックルいかないんで、ギロチン食らわないと思うし」
格闘技ファン以外からも注目を集める「HERO'S」の舞台ではあるが、「まあ、オファーあったんで。ありがたいですね」とアッサリしたもの。その落ち着いた物腰は、すでに大物の風格を備える。
多くを語らない28歳の高谷裕之。彼はリング上で答えを出す「その日」まで、静かに己の拳を磨く。
(取材&文:本紙・小池龍之)
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1977年、6月10日生まれ。所属フリー。03年2月、碓氷早矢手戦で2RTKOという衝撃のプロ修斗デビューを果たし、一時は世界ランク1位に上りつめるなど、ライト級トップファイターとして注目を集める。全日本キックのトーナメントにも参戦し、“本業”のキック選手とも堂々と渡り合うパワフルな打撃が大きな武器。167センチ、65キロ。
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