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vol.210
(2005.06/27-07/03)
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TokyoCulture vol.210

インタビュー
突っ走る4ピースバンド メジャー第一弾アルバムリリース!

HIGHWAY61

 インディーズでトップバンドを張ってきた、HIGHWAY61。昨年メジャーデビューを果たした彼らが、メジャー第一弾アルバム『HIGHWAY61』をリリースする。栄光への道とされるハイウェイ61のストーリーを背負った彼らに話を聞いた。

最後まで全力を尽くした、全部を詰めこもうとしたその結果がこうなっているんですよ

 ハイウェイ61は、アメリカのニューオーリンズを出発点に、シカゴを経て、ミネソタ州にたどり着き、カナダまで続く道だ。かつて、南部に住む黒人たちはトラックやバスに乗り、ハイウェイ61を北上して都会を目指した。より豊かな生活、栄光を求めて。だから、この道にはドラマがある。夢、希望、上り詰めてやるという気持ち、そして物悲しさなど、いろんな感情が入り乱れているのだ。かのボブ・ディランが『追憶のハイウェイ61』を作ったのもこのハイウェイロードの雰囲気に惹かれたからだろう。

 前置きが長くなったが、HIGHWAY61は、この道のドラマそしてボブ・ディランにインスパイアされて、バンド名を頂戴した4ピースバンドだ。2000年に吉祥寺で結成。01年のミニ・アルバム『33rpm』で頭角を現し、インディーズのトップバンドと呼ばれるようになった。そして結成5周年を迎えようという今年、満を持して、メジャー第一弾アルバムを放つ。パンクをベースに、ロックン・ロール、ブルース、ソウル、そしてダンスといったあらゆるジャンルのエッセンスを落とし込み、アメリカのにおいや埃っぽさを感じさせる作品で、タイトルは『HIGHWAY61』。3枚目にしてセルフタイトルアルバムとなった。

「なるべくしてなったというか。たくさんの偶然が重なって、必然になった気がします。セルフタイトルになったことも、レコーディングのためにハイウェイ61の始発点に行ったことも、それがメジャー第一弾になったのも、考えてやったわけじゃなくて自然とそうなってきたんですよ」と、ボーカルの堀井与志郎は言う。「内容についても同じで、マスタリングの最後の最後まで決まってなかったですから。アメリカから帰ってきても曲を書き足したりしましたし。そういう意味で、最後まで全力を尽くした、全部を詰めこもうとしたその結果がこうなっているんですよね」

 レコーディングはルイジアナ州ボガルサで行われた。百戦錬磨のエンジニアとのセッションを経て、メンバー一人一人がひと回りもふた回りも成長した。
「僕らが一緒にレコーディングをしたのは、ジーンという70年ぐらいからやっている仙人みたいなエンジニアなんですよ。いい音をとるには、リラックスしなくちゃならないと笑わせてくれたりするような人で、今まで僕らが出会えてなかったタイプの人でしたね。彼は、僕らが音をひとつ出すだけで、そこからいろんな方法論があるってことを教えてくれたりして、そういうのがでかかった。その後のレコーディングであれ、ライブであれ、すごく生かされてますし」(渡邊大顕)

「俺も、ドラムを叩くことに集中することを改めて教えられた気がしてます。それで、人に伝えたいことを伝えられるって。人に何かを伝える方法には、言葉だったり、絵を描いてみたりと人それぞれあると思いますけど、自分の表現方法はドラムなんだなあと思いましたね。いろいろ考えているよりも、ドラムを叩くことだけ集中すれば自然と通じるんだと。音楽はひとつの表現手段であって、必ず何かを届けることができるってわかった気がします」(薬師神勝)

「このアルバムは、いままでの集大成的な作品である」と、堀井は胸を張る。一つの段階を踏んだ今、彼らはさらなる高みを目指す。

「進むべき道はいろいろあると思ってますね。アメリカでの体験からも、いろいろやりたいことも出てきたし。これから、みんなで話し合おうかなあ、と。ロックン・ロールの方法論もやりなおしというか。新しい方法論を獲得しようともがいているところですね」(堀井)

「そういう意味で、曲作りのプロセス自体が変わってくるかもしれないですね。だれかが曲を作ってきて、詞を書いて終わりっていうんじゃなくて、もっとフラットになってくるんじゃないかと思ってます」(井上鞭)

 ボブ・ディランは、どこにたどり着くのか、行く先も分からないまま『ライク・ア・ローリングストーン』のように歌い続け、世紀のロッカーという栄光をつかんだ。HIGHWAY61もまた同じようにその道を走っている。

(本紙・酒井紫野)
HIGHWAY61 『HIGHWAY61』発売中 2600円 ワーナーミュージック・ジャパン
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