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vol.216
(2005.08/08-08/14)
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TokyoCulture vol.216

インタビュー
問いかける風
8・3 3rd Maxi Single 『summer of love』drop

laica breeze

待望のCharaの新曲がリリースされた。映画『皇帝ペンギン』の日本版イメージソングになっている『光の庭』がその曲で、冷たい氷の世界でしか見ることができない景色をサウンドで優しく描いている。この曲を「ペンギンの母親になったつもりで書いた」というCharaにインタビューした。

今はシンプルな言葉でいいし、
歌詞も『分かるような気がする』でいい。


 疾走していく軽快なチューン。4つ打ちのリズムとともに刻まれていくリリック。思い浮かぶのは、海か、空か、それとも通り過ぎては再びやってくる夏の切なさと歓びか。圧倒的な心地よさで駆け抜けていく彼らの音。

 laica breeze(ライカ・ブリーズ)の3rd マキシシングル『summer of love』は、光り輝く夏を切り取ったように鮮烈だ。独特な世界観を歌うmc blieze(エムシー・ブリーズ)と、明確な意思を持つかのようなチューンを作り出すshoare(ショア)。

「この曲は今までの中で一番好き。shoareが作ったトラックをもらった時に、“今の僕たちの一番になる”って確信が生まれた。僕たちの人間性や考え方を含めて、一番いいグルーヴになったと思います」

 と話すのはmc blieze。彼らの曲作りは、基本となるグルーヴの上にmc bliezeがリリックを乗せるスタイル。

「僕が詞を書けるのも、トラックの中に色があるからなんです。曲の中に映像世界がバーッと広がって見える。『summer of love』の場合だと、海だとか、記憶に執着する思い、それが曲の中にあった。それを他の人にも見えるようにするのが僕の仕事というか僕という装置。shoareがフィルムだとしたら、僕は映写機ですね(笑)」

 トラックメーカー・shoareが曲の中に描いたものは何だろうか。

「俺はフィルムというか、キャンバスを作るんですよね。枠を作って、じゃあ俺は水色の空と緑の大地を描きました、後は花でも太陽でも、細かいところは自由に描いてくれ、と」

 そんな曲作りのうえでの役割分担は、キャラクターにも由来している。

「俺は社会から切り離されていたい、というワケじゃないですが、一歩…いや、20歩くらい引いたところから見ていて、そこで曲を作ってる。外に行くのも好きじゃないし、外に行くときもバイクっていう1人のスペースを選んじゃう」とshoare。それに対してmc bliezeは逆の性格。

「僕は逆にコミュニケーションの中に入っていくのが好きですね。いろんな人に会っていろんな話を聞く、そこから自分や周りをもう一度振り返っていくのが楽しい」

 この差異は、さらに表現の方法にも違いを生む。曲が作られた後の広がり方、聞かれ方についての考え方で、2人はまったく別の考えを持つ。

「曲ってのは聞き手次第だから、どう聞かれているかはあまり気にならない」とshoare。「というのも…自分が作った曲は作り終えたらもう自分の曲じゃないような感じになるってのもあるし、音は言葉じゃないし。それに、shoareってのも自分自身じゃなくて…違う誰かみたいな感じがする(笑)」

 これもまたmc bliezeは逆だ。

「僕は“聞きましたよ、いい曲ですね”って言われるのを、やっぱり心のどこかで期待してると思う。表現はそういうものだと思うんですよ。最近僕の中でライブのやり方が変わってきて、表現者であるためにライブをやる、そのためのツールとして楽曲がある。今はライブがすごく楽しいですね。人間の魅力、エネルギーを外へ出す、ということができるようになってきたと思う」

 まるっきり異なる2人。これでユニットを続けられるのも不思議だが、彼らは中学時代からバンドを組んでおり、10年来の音楽仲間。そのうえ、今は都内で共同生活をしているという。もっとも生活は昼夜逆で家で会うことはなく、家庭内LANでつながれたPCでやり取りするだけ。まるっきり違うから補完しあうことができる、ということも可能だが、奥深いところで何かつながりがあるのではないか。

「結局僕らの曲はいろんな音楽のいいところ、好きな要素を引っ張ってきつつ、自分たちが気持ちいいグルーヴに焦点を合わせてる」とmc bliezeが言えば、「そう、俺たちの音楽にラテンだとか、ハウスだとか、メインのバックボーンを持ってる意識はないんです。ただ、気持ちのいい感覚の流れだけがある」とshoareも語る。この音楽表現への根本的な意識が、laica breezeをlaica breeze足らしめているのかもしれない。

 laica breezeというユニット名は、英語の「laic」に由来する。laicとは「俗」を表す古い言葉だ。“like a breeze”に引っ掛けつつ、「僕らのやってることは、芸術なのか、非芸術なのか、“俗世間に問いかける風”でいたい」(mc blieze)という思いを込めて付けられたそうだ。3rd マキシシングルの『summer of love』はそんなlaica breezeを知る、最上の一枚になっているといえるだろう。

『summer of love』
KSCL876 1223円(税込)In Store Now
カップリング3曲目には、RYUKYU DISCOリミックスの『C.C.A(carnival comes around)』を収録。
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