今週のTOKYO HEADLINE
vol.218
(2005.08/22-08/28)
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TokyoCulture vol.218

インタビュー
心に染み入るラブバラード『私のすべて』完成

河口恭吾

世代を超えて愛されるポピュラーソングメイカーである河口恭吾が、今年一番のラブバラードをリリースする。移りゆく季節のなかで、大切な人を思い、あなたのすべてを大切にしていきたいという、当たり前なのに言葉にしにくい気持ちを、河口がメロディーにのせる。

愛する人と出会って、こんなふうに人を好きになれたら、
人を愛することができたら素晴らしいと思う。


 誰もが知るところの名曲『桜』で大ブレーク。優しい歌声でいつもそばにいるよと囁く歌は、真っ直ぐに万人の心に響き、今でもテレビやラジオから聞こえてくるほど愛されている。

 そういった気持ちのこもった歌を一曲一曲大切に送り出している河口恭吾は、アーティストや業界からの評価も高い。歌手としての活動のほか、映画のテーマソングや、藤井フミヤやLeadなどへの楽曲提供も行う。最近では、尾崎豊の『I LOVE YOU』をカバーし話題にもなった。そういう意味でも、河口は、今、求められているシンガーソングライターといえる。

 彼が作詞や作曲を始めたのは20歳を過ぎてからだという。

「まだデビューできるかどうかも分からないようなときには曲を提供してもらっていたんですけど、その時に歌っていたものと自分が伝えたいものに、違和感があったんですよ。当時はまだ、今よりもいろんなものが見えてなかったっていうのもあると思いますけどね。それで、その気持ち悪さをどうやって周りの人に伝えていったらいいのかって考えて、それを音や言葉で形にするのが、ミュージシャンであり、シンガーソングライターなのかもしれないって気付いたんです。NOの理由をちゃんと言わないといけない、それが曲作りを始めたきっかけかもしれませんね。否定するよりもこういうことをやりたいって提案する。そうすると、全部が自分の責任になるので気持ちもすっきりしますし」

 彼の歌がまっすぐに入ってくるのは自分の言葉と音で伝えるからなのだ。

 8月24日にリリースする最新シングル『私のすべて』も同じだ。

「最初から書きたい、言いたいという世界観があったので、言葉もすっと出て一筆書き的にできた曲です。詞と曲も一緒にやっていく感じでした。それって、自分の曲の書き方の理想形なんですよ。メロディーラインって、どこか自分の気持ちを表したりしているから、それを歌詞で補足するよりも、お互いがお互いを呼び合って、詞と曲が一緒になって歌になるのがいい」

『私のすべて』は、ピアノの旋律が美しい。ごてごてとした装飾はなく、素材の良さを味わう料理のように、メロディーの一つひとつから伝わってくる。

「最近の曲作りのテーマとして、誰かに対する思いをシンプルに歌にしたいっていうのがあるんです。この曲については、そのテーマに加えて、日本的なものだったり、日本語的なものを要素として加えたものを作りたかった」

 リリックには、日本だからこそ楽しめる四季の美も織り込んだ。移りゆく季節のなかで、大切な人を見つめ続けながら、ずっとこの時間が続いていくといい、そんな素直な気持ちを歌う。

「歌詞のなかでは1年間、初夏秋冬。だけれど、自分が伝えたかったことは、その先には2年、5年、10年があり、もっというと一生という時間がある。そのなかで、愛する人と出会って、こんなふうに人を好きになれたら、人を愛することができたら素晴らしいなと思ったんです。現実はハッピーでないことも多いわけだけれど、こういうふうにすることができたらって思う。でも、それができない自分もいてという…そういったハザマで生まれてきた曲なんです」

 河口の心に浮かんだもの、彼が選んだ言葉、そしてメロディーが一体となっているこの曲。世代や性別を超えて、またたくさんの人の心に染みていくことだろう。

 9月には、ニューアルバムをリリースする。

「より自分の核心みたいなところを表現できてるんじゃないかなと思います。でも、今は終わった安堵感はあるんですけど…って感じですね。だんだん自分に対する基準が上がっていてもうちょっといい曲書けるかもって、作り終えてもずっと思ってますね…」

 それが次の作品にも繋がっていく。

「うん、最終的に満足したら気持ちよく人生終われると思うんですよ。だから、これからにしても、自分で完全に納得できるような曲を毎回作って行きたい、それだけなんですよね。これまでの曲も全部納得して出してるわけですけれど、強力に納得できるもの、それを創りたい。もう、いいだろって思えるように(笑)。それで自分の幸せも考えたいなと…」

(本紙・酒井紫野)
『私のすべて』
8月24日(水)発売 1200円(税込)
ワーナーミュージック ジャパン
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