
vol.222
インタビュー
東京、上海、台北…アジアの恋人たちが紡ぎだす恋の物語
『アバウト・ラブ/関於愛(クワァンユー)』
チェン・ボーリン
行動すれば、出会いはきっとあるーそんなことを伝えてくれる物語なんだ。
「実は、恵比寿で1カ月くらい暮らしていたんです。好きな街は、原宿、代官山、恵比寿。日本での過ごし方は、街をぶらぶらしたり、買い物したり…いつもそんな感じかな(笑)」
今、韓国カルチャーの“韓流”ブームに並ぶ勢いで注目されているのが“華流”だ。台湾、香港、上海などの中華圏から、次々とスターが生まれ、アジア全土に熱烈なファンを持つ超級スターも登場している。そんな注目スターの1人が台湾の若手俳優、チェン・ボーリン。『藍色夏恋』の鮮烈な主演デビュー以来、アジア圏、もちろん日本でもファンを生んだ注目株だ。今回、彼が主演する『アバウト・ラブ/関於愛』は、東京、台北、上海という3つの都市を舞台にした、3つの愛の物語を描くオムニバス映画。
「最初に完成作品を見たのは釜山の映画祭のときでした。僕の出ている“東京編”が一番最初の物語だから、とても緊張しました(笑)。でも、全体的な雰囲気がとても良い作品。異なる場所に住み、異なる言葉を話す異性同士の愛情を描くという、他にあまりない個性的な映画だと思いました」
東京編でチェン・ボーリンと共演するのが、日本の人気女優、伊東美咲。
「台湾でも彼女のCMが放送されていて大変な人気なので、初めて会ったときはドキッとして緊張しました(笑)。日本でもとても有名な女優さんだし。でも親しくなってみると、本当に気さくな人で、お姉さんのように僕の面倒を見てくれています(笑)。ご飯食べたり、お喋りしたり…日本語、英語、北京語といろいろ使いながらね。美咲さんから教わった日本語はええと、そう…“モミアゲ”(笑)」
なかなか楽しい現場だったようで…。彼が演じるのは、台湾から東京に、イラストの勉強にやってきた留学生・ヤオ。そこで出会うのが、伊東美咲演じる画家・美智子。互いの存在を気にし合いながらも、初めて向き合うことになるシーンの演技には、苦心したという。
「ちょっと迷いながらも、初めて彼女に向き合って“ニイハオ”と言うんです。だけど、本当はその撮影のときには美咲さんとは親しくなっているから(笑)、“始めまして”という感じで向き合うのが、なかなか難しかった」
恋なのか、異国の生活での癒やしなのか…美智子に対するヤオの微妙な心の揺れを、彼は見事に好演している。
「この映画で伝わってくるのは“行動すれば出会いがある。何かを変えたい気持ちがあるなら、世界はきっと変わる”ということ。強烈な恋心ではなかったとしても、ヤオは彼女が好きなことは、確かなんです。彼女が泣いているのを見て気にするようになり、そのうち彼女の笑顔を見たりして、好きになっていく。ヤオが彼女の顔をイラストに描くという行動に、その気持ちが込められていると思うんです。絵が好きなところは、僕とヤオの共通点ですね」
劇中に登場するイラストは、もしや?
「あれは僕が描いたものではないんです。あんなに上手には描けないですよ(笑)」
そう謙遜するが、彼がイラストやデザインを手掛けていることは有名。色紙を持ってくればよかった、と言うと…。「何か描きましょうか(笑)」と気さくな返事。持っていたメモ帳を差し出すと、何を描こうかな、と言いながらサラサラとペンを動かし始める。描いてくれたのはスケボーのイラスト。今、一番好きなもの、だそう。いつかスケボーのデザインを手掛けることも考えている様子。
「実は僕、『藍色夏恋』が公開されたときには、ずっと役者でやっていこうとは意識していなかった。結果的に、イー・ツーイェン監督のおかげで、この仕事につくことになったけど。でも、やっているうちに映画の仕事が好きになっちゃって(笑)。今では、本気で俳優をやっていきたいと思っています。自分が本当に満足できる作品を作っていきたい。それが観客にも満足してもらえたら最高ですね」

(本紙・秋吉布由子)
プロフィル
1983年8月27日生まれの22歳。華奢に見えるけど、身長は180cmと長身。9月16日に日本1st写真集が発売。写真集発売記念写真展も25日まで池袋PARCOにて開催中だ。オフィシャル情報は、http//www.movie-eye.com/ |
『アバウト・ラブ/関於愛(クワァンユーアイ)』
監督:下山天、イ・ツーイェン、チャン・イーバイ 出演:伊東美咲、チェン・ボーリン、加瀬亮、塚本高史他 ムービーアイ・エンタテインメント配給/1時間42分/東京都写真美術館他にて公開中
http://www.aboutlove-movie.com/
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