
vol.222
インタビュー
ピュアクリスタルボイスを持つ注目のシンガー
竹井詩織里
人気アニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマとなった『世界 止めて』が好調な竹井詩織里が、待望のセカンドアルバム『second tune〜世界 止めて〜』をリリースする。透明感のある伸びやかな声で、芯のある人物像を描き出す彼女が本作でトライしたものとは?
“芯の強い女性、歌いたい”
彼女を目の前にすると、背中をピッと伸ばしたくなる。清楚な佇まい。髪を後ろですっきりとまとめて、とてもさわやかな彼女。クリアーな声ではきはきと質問に答える様子はさらに好感度を上げる。神戸育ち、大阪在住の20歳のシンガー、竹井詩織里。今、注目を集めている期待のアーティストだ。
音楽も好きだが、歌うことが特に好きだった。デビューのきっかけは、友達に教えてもらったオーディションで、バンドのボーカルをしていた高校時代に「これからのことを考えたときにここでなにか行動を起こしておかないといけないかなあと思って」とトライした。その挑戦で見事準優勝。それから大阪を中心にライブを重ねて、04年2月にシングル『静かなるメロディー』でメジャーデビューした。同年9月には、ファーストアルバム『My Favorite Things』をリリースし、順調に進んできた。
その彼女に今年、大きな転機が訪れた。4枚目のシングルとなった『世界 止めて』が、アニメ『名探偵コナン』のエンディングに選ばれたのだ。一点の曇りもないクリスタルのように透明感のあるボーカルで歌うこの曲は、幸せのピークを歌っている。
「恋愛真っただ中を書いたことがなかったので、恋愛最高潮の瞬間を書いてみたいなと思ったんです。恋愛って頂点がくると、あとは落ちていってしまうのかなという不安がよぎりますよね。喜びと不安のなかで揺れ動くんだけど、それでもずっと一緒にいようという強い気持ちを強く持っている、そんな女性を書きたかったんです」
こうした強い女性の姿は、彼女の歌にたくさん出てくる。というのも、それが彼女のテーマだからだ。
「芯の強さというか、どういう状況にあっても自分を無くさずにいようとする女性だったり、そういう気持ちを持っている女性を書きたいと思うんです。でもそれって、自分の願望かもしれないですけどね」
尊敬するアーティストとしてキャロル・キングを挙げる。彼女も独特なスタイルで強い、芯のある女性を歌った。さらにキャロル自身がそうした女性のいい例。
9月28日には待望のセカンドアルバム『second tune〜世界 止めて〜』をリリースするが、このアルバムでも芯の強い女性たちの姿を描いている。
「この作品でできたかなと思うことの一つに、作品のイメージを書き分けることがあるんですよ」と彼女。そういうだけに、収録されている12の楽曲は、それぞれが愛のストーリーを展開している。恋人の心変わりに気づいてそっとその場を立ち去る『君を知らない街へ』、別れた恋人を思う『つながり』、複雑な恋愛模様を匂わせる『Lost In Paradise』などそれぞれにドラマがあるのだ。それを彼女が透明な声で歌うと、胸が締め付けられたり、温かい気持ちになってくる。
「これまでは聞いている人に和んでもらいたいなという部分だとか、BGM的なところがあったと思うんです。ライブでオリジナル曲を演奏していても、どこか距離がある感じがしてましたし。だから、今度は一緒に気楽に楽しめるようになりたい、聞いている方と近くなれたらいいなと思っています」
キャッチーで、取り込みやすいメロディーも、12の“彼女たち”のストーリーを盛り上げる。そのメロディーにのって、曲のなかに描かれた彼女たちは、リスナーの心に染み込む。聞いている人と近くなりたいという思いは十分に達成されるだろう。
「私は、いろんな人に聞いてもらって、共感してもらったり、少しでも気分が楽になったりっていうところを大切にして行きたいんです。自分の歌が誰かを元気づけられるのって、音楽をやっているうえで一番うれしいことですから」
今も大阪を離れず、大阪と東京を行き来しながら活動する彼女。先日関東での初ライブも終えて、彼女の世界は拡大していく。“世界止めて”といえ、彼女の世界の広がりはしばらく止まりそうにない。

(本紙・酒井紫野)
竹井詩織里(たけい・しおり)
1985年、大阪生まれ。 母親が聞く洋邦新旧の音楽に囲まれて育つ。中学生の時にエルトン・ジョンの『your song』と出会い音楽を聞くようになる。高校在学中に応募したオーディションで準優勝し、音楽の道へ。好きなアーティストは、キャロル・キング、ジョアン・ジルベルト、ジョイス、ノラ・ジョーンズ、アン・サリー。 |

『second tune〜世界 止めて〜』
9月28日(水)発売 2800円(税込)
GIZA studio GZCA-5071
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