
vol.225
インタビュー
ハリウッドの闘うヒロイン
ジェシカ・ビール
人口知能を搭載した最新鋭のステルス機が暴走。一触即発の危機に、同僚のステルス機パイロットたちはどう闘っていくのか。技術の進歩に警鐘を鳴らす社会派な一面と、CGを駆使して描いた美しい航空シーン、そして、エリートの苦悩と恋愛などのヒューマンな要素もたっぷり含んだ近未来SFアクション大作の『ステルス』。前作『ブレイド3』に続き、ジェシカ・ビールが再びタフで美しいヒロインを演じた。
「最後の告白シーンの返事は、実はアドリブなの。
同じ立場だったら、きっと私もそう言うわ」
ロブ・コーエン監督からの熱心なオファーを、実は2回もジェシカは断ったそうだ。「『ブレイド3』が終わったばかりだったから、同じようなアクションをやることに最初は抵抗があったの。でも、熱心に話してもらって、脚本を読んだら素晴らしかった。それでやらせてもらうことに決めたのよ」
この役にはジェシカ以外考えられないと、3回も口説き続けたコーエン監督の念願叶って、ヒロインにジェシカ、同僚のエリートパイロットには、今年のアカデミー賞で主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスと、美形の正統派として躍進著しい『ビューティフル・マインド』のジョシュ・ルーカスを迎え、映画『ステルス』はスタートした。多くの場面はCGで制作されたが、パイロットたちがコックピットにいる場面はもちろん実写。ぐるぐる回されたり、逆さになったりと、過酷を極める撮影に望むため、男性陣と同じくらいの肉体訓練を行い、ジェシカは撮影に臨んだ。
「でも、ローラーコースターに乗ってるようで、楽しい気分もあったのよ(笑)」
驚きのコメントである。ちなみにジョシュは、この訓練で「気を失った」と告白している。
「ホント? でもジョシュが気絶したのは多分、撮影中にEDI(人口知能の無人ステルス機の愛称)に自分が乗り込むシーンを撮る時に、通常とは違う撮影装置を使っていたから頭を打ったんじゃないかしら。私自身は一度も気を失うことはなかったし、肉体的には疲れたけど、やっぱりローラーコースター気分になることもあったわね(笑)。ただ、コックピットの中ってすごく狭いから、そこに座って3時間も4時間も撮影を続けると、おしりが痺れてきちゃうの。飛行機に長時間乗ってると、背中が痛くなったり、おしりが痺れたりするけど、あんな感じでそれがちょっと大変だった。あとは狭い所に閉じ込められることで、精神的に疲れてきたりもした。でも、それ以外は大丈夫。日ごろからジムに通ったりして十分鍛えているから」
このヒロイン像は、どうやらジェシカそのものらしい。コーエン監督が彼女にこだわったのも納得だ。
「多くの場面はCGで合成されるから、私たちは出来上がるまでどんな映像になるか分からなかったんだけど、初めて作品を見た時は本当に感動した。頭の中で想像していたものより何倍も素晴らしかったの。いいCGというのは、実際に撮影できないものをすごくリアルに見せてくれることがよく分かったわ」
迫力という点でジェシカがお勧めするシーンは、「私がコックピットから脱出するシーンと、ジョシュ演じるベンとEDIが、アラスカの民間空港から脱出するシーン。そこは本当にワクワクするから、これから見る人はぜひ楽しみにして」
映画の中では、ジョシュとジョシカのほのかな恋愛も描かれる。なぜ「ほのか」かというと、エリート同士には、恋愛よりも大切な任務があるから。その狭間でジョシュは揺れる。そして最後に告白するのだが、そこに至っても、なんとももじもじしているのだ。
「だから私は彼に言っちゃったのよ。“愛してるって言えばいいのに”って(笑)。実はあのセリフ、私のアドリブなの。本当は違うセリフが用意されていたんだけど、何かしっくりこなかったから、ぽろっと出てきた言葉をしゃべったら、ロン(監督)がそれを気に入って使ってくれたのよ。だからあれは私の素直なリアクション。多分自分が同じ立場に立たされたら、同じことを言うと思うわ(笑)」
タフで美しいだけでなく、積極的で明るいところがさらにチャーミングなジェシカ。来日中には、数々のテレビ番組にも参加。10日(月)夜に放送されるNHK『英語でしゃべらナイト』では、ゲスト出演した彼女の生の姿が見られる。
(取材・文/幸野敦子)
『ステルス』
監督:ロブ・コーエン 出演:ジョシュ・ルーカス、ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックス、サム・シェパード他/ソニー・ピクチャーズ/日劇1他東宝洋画系にてロードショー公開中 |