
vol.229
インタビュー
ドラマ『鬼嫁日記』で、
妻の変化にとまどうエリート弁護士を好演中!
東 幹久
自分の妻は専業主婦。いつも家にいてくれて、料理を作り、疲れて帰ればマッサージをし、弁護士として働く夫を支えてくれる。おまけに妻は美人でスタイルもいい。反抗もしないし、ちょっとぐらい夫が外で遊んでも気付かない。そんな妻を手に入れ、仕事も順調。俺はなんて幸せな男なんだろう……と思っていたのが、ふと気付くと「なんか様子が変!?」。隣に住む『鬼嫁』の影響で、妻は少しずーつ目覚めていく。「そうなるとこの男はおたおたしちゃうんだよね。でも、そういうとこも可愛いですよ。このドラマはコメディーだから“バカだよね、男って”と思いながら、笑って楽しんでもらえたらうれしいですね」と、役柄そのままにスマートな雰囲気の東幹久は笑顔で語った。
「俺自身は、家事の手伝いも風呂掃除もイヤじゃないの。
男だってやるべきだって、昔から思ってるから」
男は今日も行きつけのバーのママを口説こうとしている。「ちょっと手をかして、俺、最近、手のツボマッサージを覚えたの」と言いながらママの手を握ると、「ここ、痛いでしょ」と揉み始めた。「あーん、痛―い」とママ。『鬼嫁日記』の第4話で放送された、東演じる村井達也を象徴する場面だ。
「手を握る口実なんだけど、今どきそんなことする男いないよね(笑)」
バレバレの浮気願望も、女性たちには分かっていないと思い込んでいる達也。ご近所仲間の大沢(永井大)と結託して、鬼嫁(観月ありさ)に苦しめられるお隣さんの一馬(ゴリ)を救おうと、いろんな方法を考え出す。しかしその企てはことごとく失敗。鬼嫁パワーで、彼らの妻たちもどんどん元気になっていく。というのが放送された第4話までの話の流れだ。
「主婦の方から見たら、達也は女の敵みたいな存在だけど、男から見たら応援したくなるかなという面白い役回りなんで、僕も面白くやってるんですよ。かみさんの(井上)和香ちゃんもこれからどんどん変わってくるんだけど、亭主関白だった男は、かみさんにガツーンと言われるのに慣れてないから、そういうところの驚きを、丁寧に、大事に演じていきたいですね。まあ、このドラマは特に何が残るとか、影響を受けるとかないんだけど、とにかく見たら楽しかったと。ケタケタ笑いながら、面白かったねって、ご夫婦とかカップルの会話につながっていけばいいなと思ってるんですよ」
ドラマのキーワードとなる『鬼嫁』に関しては、実際の東自身は「別にイヤじゃない」ということだ。
「男がどうこうってのは、若いうちからあんまりないんですよ。10代くらいから10歳上の女性とか付き合ってたりして、働いてる女性の大変さとか、生き生きしてるところとか、行動力とか、人に対する優しさとかを近くで見ていて自然に教わってきたからね。そういう恋愛を経験すると、一方的じゃいけないんだなとか、人間関係についてのいろんなことを学ぶんですよ。仕事柄、現場に電話がかかってきて、“今からあれを買ってきて”とか、そういう鬼さはイヤだけど、家事を手伝うとか、風呂掃除とかゴミ出しとか、そういう共同作業は俺は好きというか、男もやって当たり前だと思ってるから」
生きることは学ぶこと。柔らかな表情で質問に答える東は、何が起きても柔軟に対応できる器の大きさを感じさせる。
「でもね、子供のころはすごいお山の大将で、ジャイアンそのもの(笑)。休み時間とか、みんなでやることは全部俺が決めるみたいな。学級委員とかやって、放課後も“行くぞ”ってみんなを引き連れて、帰るって言われても、まだダメだと。とにかく東王国みたいな感じだったの。それがある時、学校に行ったら誰も口をきいてくれなくなった。みんなに無視されて、あれだけやりたい放題だった俺が、休み時間にポツンとひとりで教室に残っててさ。外を見ればみんな遊んでるのに誰も誘ってくれなくて、辛くて辛くて。それでも無理して学校に行ってたら、1週間したころかな。ひとりで教室にいたらみんながやってきて“幹久、馬飛びやろうぜ”って声かけてくれた。そこで俺は感動しちゃって、人の意見って聞き入れなきゃいけないんだなって子供心に思って、泣きながら馬を飛んだ覚えがあるんだけど(笑)。小学生にしてそいつらに教わったよね。やつらとは今でも仲良くしてるんだけど、やっぱり人間関係ってそういうもんだよね」
王国の崩壊と共に、そこでも大切なことを学んだ東さん。
「ドラマの現場にしても、いろんな考えを持った人が集まって、いいものを作ろうと力を合わせてやっていくのがすごく面白いですよ。今回のように、主役の方がいて、俺がいるっていうのも、位置的にはすごく面白い。脇というか、いろいろ動かせるポジションだからやりがいもあるしね。まあ、10代でデビューして、演じる役もいろいろと変わってきたけど、欲も出てくるし、限界とか決めたくないから、これからも何でもチャレンジしたいと思ってるんですよ。だからどんな役でも、時間さえあれば俺はやりたいの。脚本がおもしろいとか、つまらないとか、いろいろあるけど、僕らが面白くすればいいわけだから。そういう意味ではいつでもチャレンジですよ。とはいっても、思考錯誤の繰り返しなんだけどね。現場でオッケーと言われても、寝る前になって“ああすればよかった”って考えたり、そんなのばっかだけど、たまに街とかで“見てますよ”とか言われて出会いがあるとすごくうれしいし。30代後半から、もっともっとやっていきたいですね」
11月8日に放送される第5話では、いよいよ男たちが妻たちに振り回されるようになっていく。
「まあ、男って単純だなって笑いながら見てほしいですね」
火曜日の夜10時が、ますます楽しみになってきた。
(取材・文/幸野敦子)
東幹久といえば、遊びの達人というイメージがあるが……
「そうですかねぇ。でも、遊びはすごく変わりましたよ。若いころはやんちゃだったけど、今はまったく変わったといってもいいくらい。女性に興味あった時期もあったけど、ギラギラ感はなくなったなぁ。そういう意味では、もっと遊ばなきゃって自分自身で思うくらい。海とかはね、好きだから今でも時間があったら行って、波乗りやってる友達のところでボーっとしてたりするんだけど。相変わらず黒いって? でも真夏とは違うよ。僕はメラニンが多いみたいで、赤くならずに即グロだから人より焼けやすいけど、松崎しげるさんに会ったときなんて、俺なんかとレベルが違うよ。あの人はもう(色黒の)神様だもんね(笑)」
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