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vol.232
(2005.11/28-12/04)
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Tokyo culture vol.232

インタビュー
自分の失恋とオーバーラップする ニューシングル『Get Over』

Soweluのリアル

楽しい、うれしい、悲しい、怒り。ダンサーは細かい感情の動きを、手の動きひとつ、首の動きひとつで表現する。それは音楽にしても同じで、歌い手は声にさまざまな表情を持たせて、エモーショナルな世界を作り出す。R&Bシンガー、Soweluはニューシングル『Get Over』で、失恋を乗り越えようとする女の子を感情豊かに歌い上げる。

ココロのなかにあること。
それを書かずにどうするって思ったんですよね

 誰もが敬意を払う声量と、星を瞬かせる冬の澄んだ空気のように透明な声。Soweluはその2つを持つシンガーだ。デビューしてから数々のリリースを通じて、たくさんの人の心を動かしてきた彼女だが、ニューシングル『Get Over』はこれまでのどの曲よりも上を行く、強力にエモーショナルな楽曲だ。

 キャップを目深にかぶったSoweluは、デモを聞いたときのことを思い出す。

「踊ってる自分が浮かんだんです。それが、ただかっこよく踊ってるんじゃなくて、すごく哀しい思いを抱えているんだけどそれをこらえながら踊っているイメージでした。そういった感情が同居している感じがした曲だったんです。楽曲のベースがレゲエっぽいビート、でもメロディーはせつなさを感じさせるものだったからだろうな」

 テーマは失恋。雪がチラチラと舞うなかで、大切な人を失った女の子は踊り続ける。「曲を聞いて、失恋だなって思ったんです」と彼女はいうが、それには別の理由もあった。

「実はこの曲をいただいたとき、失恋した直後だったんです。その時、自分の気持ちにピッタリじゃんと思うところもあって、その思いをぶつけてみようって思ったんです。何かをイメージするより、リアルタイムで感じた痛みを出して書いてみようって」

 悲しみに耐えながら踊る女の子は、前に向かっていこうという気持ちと大好きだった人を忘れられないという気持ちの間で葛藤する。Soweluは、歌詞の中の女の子と自分自身を重ね合わせる。

「その人だけを思ってずっとその人のことだけを好きでいるわけじゃないですか。それでフラられたときの痛みといったら半端じゃないですよ。そこから這い上がっていくには、自分をフッた彼のことを『よくも!』、『後悔させてやる!』っていうような気持ちでいたほうが、いろんなことに前向きでやっていけるし、立ち上がっていけるきっかけになる気がするんです。そうでないと乗り越えられないです、少なくとも私の場合は。……そうして今考えると、この曲は本当に絶妙のタイミングだったなあと。レコーディングにしてもミュージックビデオにしても、本当に辛いときの制作だったから、思いがリンクされてる。歌って生ものじゃないですか。だから自分の感情がそのまま出ちゃうからすごくリアルになったし。作り終えてみて、ここまで一生懸命になれたのもあの苦しみがあったからと思うから、ある意味彼に感謝…かなあ(笑)」

 ある意味、すべてをさらけ出したといってもいい楽曲。そうなったのは、失恋だけではなく、今年Soweluが精力的に行ってきた数々のアーティストとのコラボレーションの結果だという。

「とても大きな財産になりましたね。いろいろな方々と自分たちのアイデアが結合していくなかで、Soweluとしての作品作りでは出せなかったものだとか、自分ができることを気づかせてもらったんです。『Get Over』で、自分のアイデアを出して、今までよりも積極的に関われたのもそのお陰というか。例えば、共作ですが、作詞に参加したのもそうだと思いますし。これまでいろんな作詞家さんに書いていただいた詞の世界も共感を得る世界だったことは間違いないんですけど、Soweluが何を考えているとか、どういうことを伝えるシンガーになりたいとかそういうのをもっと発信したいなと思えるようになったんです。そうやって自分のココロのなかに伝えたいものがあるとき、自分の言葉を使って書かずにどうすると。当たり前ですけど、そうやって本当の自分を出したほうが聞き手に伝わるものになるって思えるようになったんです。これからも、例えば次のアルバムでもそういうものが増えていくと思いますし、そういう気持ちで取り組んで行きたいと思ってます」

『Get Over』で、1人の優れたシンガーから1人のアーティストへの“リアル”な一歩も踏み出したSowelu。リリース直前には23歳のバースデーを迎えた。これからもエモーショナルな歌とセクシーなステージで魅了し続ける。



(本紙・酒井紫野)

『Get Over』 発売中 1223円(税込)デフスター
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