
vol.246
ソフトバンク狙うは“全国区”
携帯電話世界最大手の英ボーダフォングループは3日、日本国内で携帯電話事業を展開する日本法人の過半数の株式を、ソフトバンクに売却する交渉を進めているとの声明を発表した。
交渉の最大の焦点は価格。英ボーダフォンは、日本での携帯事業参入のために、旧J−フォンを傘下に持っていた日本テレコムを買収したが、その際に1兆数千億円を費やしており、売却金額は1兆5000億〜2兆円を要求しているとみられる。
ソフトバンクは他社に先駆けて、ADSL(非対称デジタル加入者線)方式のブロードバンド(高速大容量)サービス提供を始め、日本が世界屈指のブロードバンド大国となるきっかけを作った。その後、日本テレコムを傘下に収め、固定ブロードバンド通信ではNTTに次ぐ業界2位の地位を得たが、ADSLはすでに頭打ち。さらなる成長のために携帯事業参入が悲願となっていた。
昨年11月に携帯事業への新規参入を勝ち取ったものの、携帯業界は12年ぶりに計3社の新規参入が認められたうえ、11月には、契約する携帯会社が変わっても同じ番号が使える「番号ポータビリティ制度」が導入され、顧客獲得競争の激化は必至。この状況下で携帯事業に参入すれば苦戦確実とみたソフトバンクは、一足飛びに“全国区”となるために、ボーダフォンから回線を借りる交渉を進めていた。
なお、昨年11月の電波割り当ての条件が「新規事業者」であったため監督官庁の総務省から割り当ての取り消しを示唆する声も挙がっていたが、ソフトバンクが計画通り新規の全国設備を敷設しなかったり、免許を他社に売却、免許を他用途に転用するなどした場合に取り消しになることを同社に改めて説明。ソフトバンクは、現時点で免許を返上する方針を示さなかった。