
vol.249
ついに幕を開けた『皆に伝えよ! ソイレント・グリーンは人肉だと』
既成概念をぶち壊すポレシュの舞台
先週号の本紙でインタビューを掲載したドイツの演出家ルネ・ポレシュの手による『皆に伝えよ! ソイレント・グリーンは人肉だと』が3月29日、江東区・森下のベニサン・ピットで幕を開けた。
伝説的なSF映画『ソイレント・グリーン』をモチーフに、役者はポルノ映画の裏側を描いた『ブギーナイツ』の登場人物となって「愛」の価値を問う作品。
この作品についてポレシュが言っていたこと、それは「役者たちが台本に従っているのではなく、台本を“使っている”ということ」「既成概念に疑問を持つこと」。
案の定、舞台では今まで見たことのない世界が展開された。
ポレシュによって突きつけられる既成概念への「?」の嵐。台本を“使う”ことによって、ありのままの姿で存在する4人の役者たち−“素”の木内みどりが囁き、池田有希子が叫び、中川安奈が怒り、長谷川博己が不適に笑う−。とにかくここまで役者が“さらされる”舞台は見たことがない。この役者たちのファイティングスピリッツはどこから来ているのか、何が役者たちをこの舞台に立たせているのか…。
最初は戸惑いを隠せなかった観客もやがて役者とシンクロし一緒にテキストを“使って”舞台にのめりこんでいく。
ルネ・ポレシュはドイツ演劇界の最前線を走っているといっても過言ではない演出家。「日本におけるドイツ年」だからこそ実現したといえるポレシュの来日。彼の舞台を日本で見る機会はそうはない。というより、最初にして最後かもしれない。
公演は4月16日まで行われる。一度見たらもう一度見たくなる作品。早めに1回行ってみることをおすすめする。公演に関する問い合わせはTPT(TEL:03-3635-6355 [HP]
http://www.tpt.co.jp/)まで。