今週のTOKYO HEADLINE
vol.252
(2006.04/24-04/30)
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写真:撮影・大川直人
INTERVIEW vol.252

INTERVIEW
ニューアルバム『僕らがいた』で豪華アーティストとコラボ!

松たか子

 映画、ドラマ、舞台、CMと、松たか子が活躍する場所は広い。そんな彼女のもう1つの活躍の場が音楽。実に9年というキャリアがある。そしてまもなく最新アルバム『僕らがいた』がリリースされる。シンガーソングライター・松たか子に話を聞いた。

自分なりの音楽とのつきあいかた、分かった気がします

 松たか子が引っ張りだこだ。誰もが認める確かな演技力で、舞台はもちろん、映画やドラマ、CMにも数々出演。テレビの画面にはいつも、彼女のさわやかな笑顔がいっぱいだ。

 そんな彼女をさらに忙しくさせているものがある。それが音楽。ゆったりとしたペースではあるものの、97年にデビューしてから、松は継続してシングルやアルバムを発表している。どうして音楽をやっているのか、そんなストレートな質問をぶつけてみると、「音楽が好きなんだな、と思うんですよね」とシンプルな答えが返ってきた。「メロディーを歌う行為だとか、自分のベストを尽くしていい曲やアルバムを作ることが好き。だから続けているんだし、やってられるんだと思います」

 歌手として活動し始めたのは今から9年前になる。きっかけは、当時出演していたドラマの打ち上げでカラオケに行ったこと。ただ、最初は「仕事としてCDを出すなんて嫌だった」という。

「音楽を中途半端にしてしまったという印象があったからだと思います。子供のころのことなんですけど、私ピアノを習っていたんですね。でも、小学校1年の時に先生のあまりの厳しさに、血を吐いて辞めたんです(笑)。中学になってまた始めたんですけど、練習が好きじゃないから上達しなくて。そんなことがあって、好きなことなのに努力しなかった、好きなことのために嫌なことを頑張れなかったことが、ずっともやもやしていて。CDの話も1枚出して“ハイおしまい”ってなりそうですごく抵抗があったんです。とはいえ、今もこうして音楽を作っている。曲作りやアルバム制作に時間を費やしながら、ようやく自分なりの音楽との付き合い方を見つけられたような気がしてます」

 レコーディングが始まれば「そこにいることが大切」と、楽器の音入れの時から曲ができあがるプロセスをスタッフと一緒に共有する。そこから作詞や作曲のヒントを得るときもある。「そうした当たり前のことをしているのが楽しい」と、松。

 4月26日にリリースされるアルバム『僕らがいた』も、そうした積み重ねから生まれた。「テーマを設定せずに作った」という本作だが、完成したものを聞いてみるとテーマは“ミュージシャン松たか子”のように感じられる。

「前作の『harvest songs』が、曲を提供してもらって自分は歌うことに専念した作品だったので、今度は提供していただいた詞やメロディーを歌うことに加えて、自分の詞や曲も同じように並べたものにしたいとは思ってましたね」 

 曲を提供したアーティストは、スキマスイッチや勝手にしやがれ、TRICERATOPS、ザ・ハイロウズの真島昌利など、豪華かつ意外性に満ちた面々だ。

「真島さんの説得力はいうまでもないんですが、今作は自分と同世代の人たちと出会えたことが新鮮でした。私よりも確実に音楽に費してる時間が長くて、ライブの経験も豊富じゃないですか。同世代なのに尊敬できる人たちばかりで、彼らの曲を聞いて“私もいい曲を書きたい”っていう気持ちになりました。自分の書いた曲で、アルバムのタイトルにもなっている『僕らがいた』という曲がありますけど、このアルバムに協力してくれたアーティストさんたちに“ありがとう”と“これからもよろしくお願いします”の意味をこめて作ったものなんです」

『僕らがいた』を含め、松はアルバムに収録されている11曲のうち、4曲で作詞、3曲で作曲している。「大切なものを大切にする、そういう気持ちさえあれば意味なく人を傷つけたりしない」と思って書いたという『未来になる』、恋人との別れを乗り越えていく女性の気持ちを丁寧に歌う『ソレアス・メモリー』、そして『時の舟』。制作前に思い描いていたように、彼女の作品が他のアーティストの作品と同じように並んでいる。それぞれの曲が違った色で輝いていて、シンガーソングライターとして発揮された松たか子の表現力に驚かされる。逆も真なりで、女優でもあるからこそこの表現力なのかもしれないが。

「お芝居と音楽って似てますよね。演劇と映像だとか、演劇と音楽だとか、アートだとか、お互いがとても近くにある。だから私も区別してないですし。思うんですけど、お芝居にしても音楽のライブにしても、記憶以外に残せないものじゃないですか。そういう意味で同じなのかなと。だったら、どちらもいいステージを目指したい。その場にいた人たちが感動するような、そういうステージに立てたらいいなと思いながら日々過ごしています。それって達成できるとは思わないし、達成できたって分かるものじゃないと思いますけど、演劇も音楽も、それ以外のものでも。自分がベストであり続けるかぎり、見てくれる人の気持ちをちょっとでも変えられるものをやっていきたいですね」



(本紙・酒井紫野)

松たか子『僕らがいた』
4月26日(水)発売 3059円(税込) BMG JAPAN


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