
vol.252
阪急が村上ファンド保有の阪神株取得へ
阪神電気鉄道株が村上世彰氏の率いる投資ファンド(村上ファンド)に大量に買い占められた問題で、阪急ホールディングス(HD)が月内にも、村上氏側が保有する株式を取得する方針を正式決定する見通しとなった。
村上ファンドの阪神株の保有比率は2月22日時点で45.73%。阪急は村上氏側と価格面で折り合いが付けば、阪神株の公開買い付け(TOB)に着手。阪急と阪神による持ち株会社が設立され、事実上の経営統合が行われる見込みだ。
阪急HDでは「阪神電鉄との関係強化を通じた事業競争力の強化について検討に着手したところで、現時点では株式取得実施の有無を含め具体的なことは何も決定していない」としている。
阪神の株式取得後、まず阪急が着手するのは、大阪−神戸間をJR西日本と並んで運行している阪急神戸線と阪神本線の効率化と差別化といわれる。
阪神は2009年春、西九条(大阪市此花区)から難波(大阪市中央区)までの新線「西大阪線」延伸を終了して開業させるが、これにあわせて阪急は兵庫県宝塚市と同西宮を結ぶ阪急今津線(宝塚−今津駅)の見直しを進める。阪急今津駅と阪神今津駅は数百メートル離れており、これを結び付けて相互利用する。
一方で気になるのは阪神タイガースのこと。仮に阪急と阪神が経営統合した場合、「阪急タイガース」が誕生するのだろうか。「阪神グループ唯一の全国区ブランド」(阪神関係者)といわれるタイガースは、関西のみならず全国にファンが多い。入場料収入や試合の放映権料などは阪神電鉄の経営で大きなウエートを占めるだけに、阪急が球団名に「阪急」の冠をつけることを検討しても不思議ではない。
ただ、阪神タイガースは70年以上の歴史があり、ファンは球団名に強い愛着を持っている。名称変更には拒絶反応を起こす可能性が高く、当面、タイガースの運営は阪神電鉄に任せ“阪神色”は残すとみられる。とはいえ、知名度を生かし、ライセンスビジネスなどに積極活用するのは確実だ。
(ビジネスアイ)