今週のTOKYO HEADLINE
vol.256
(2006.05/22-05/28)
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SPORTS vol.256

INTERVIEW
Group Fを探れ。オーストラリア編

オーストラリア代表
ブレッド・エマートン

「日本は戦うたびにいつも強かった。でも、今回は僕らが勝ちますよ」

「W杯は本当に小さいころからの夢。その大舞台にもうすぐ立てる。今の喜びを一番うまく表現するとしたら『ドリーム・カム・トゥルー(夢がかなった)』。そんな感じでしょうね。開幕が楽しみで仕方がないのは、チームメイトも国民のみなさんも同じ。ウルグアイに勝った時、国中が信じられないくらいの大騒ぎになったから、本番は物凄いことになるんじゃないかな」

 1カ月後に迫ったドイツW杯。94年アメリカ大会から3回連続プレーオフで敗れてきたオーストラリアとって、死に物狂いでウルグアイを撃破し、手に入れた32年ぶりの本大会切符はやはり格別なものだろう。プレーオフでもフル稼働した右サイド、ブレッド・エマートン(ブラックバーン)も本大会開幕を心待ちにしている。

 それだけ長い時間がかかったからこそ、ドイツではブラジル、クロアチア、日本と同じF組を突破して決勝トーナメントに進みたいところ。6月12日の初戦・日本戦での「勝ち点3確保」は、彼らにとって最初の、そして最大の関門となる。

「日本代表の最近の試合は見てないですね。選手のこともすべて熟知しているわけではないけど、日本とはユース代表や五輪代表のころに何度も試合をしたことがあります。彼らは戦うたびにいつも強かったね。今大会前にはたくさんのビデオを見て研究するつもり。ドイツでもタフな試合になることは間違いないでしょう。でも今回は僕らが勝ちますよ」と彼は勝利への自信を垣間見せた。

 確かにオーストラリアには、日本人には持ち合わせていないフィジカルの強さやパワー、高さがある。ブラックバーンで活躍するエマートンをはじめとして、リバプールのキューウェル、ミドルスブラのビドゥカなど、個人レベルでは各国トップチームでバリバリに活躍している。そんな経験値も自信の裏づけになっているのだろう。

「僕らは日本より高さがあるし、フィジカル面では上回りますよ。だからこの長所を有効に使わければいけない。それは間違いないですよね。でも日本のみなさんが思う以上にオーストラリアのサッカーは技術レベルが高い。僕らも肉弾戦のような戦い方は避けています。代表監督のヒディングもフィジカル的な要素の強い試合を決して好まない。『頭を使ったサッカーのプレー』が求められているんですよ」

 エマートンが強調するように、オーストラリアの指揮官・ヒディングは非常に知的な指導者だ。02年日韓大会で韓国をベスト4に導き、04−05シーズンにはPSVでUEFAチャンピオンズリーグ4強進出を果たした実績も文句ない。ヒディングの存在によって、これまで勝負弱かったオーストラリア代表は確実に変貌を遂げたようだ。

「ヒディングが来てからプレーオフまで3〜4カ月しか時間がなかったのに、彼はすべての選手に自信を植えつけてくれた。『自分たちはW杯に出られるんだ』と信じる気持ちを持たせてくれました。練習にしても試合にしてもアイデア豊富で有意義でしたね。やはり彼には特別なカリスマ性があるんでしょう。勝負に勝つためのアイデアをたくさん持ってますし。彼が教えてくれたことを僕らはピッチ上で実践した。その小さな積み重ねが本大会出場につながったんです」

 そんな名将率いるチームで、エマートンは右タッチライン際を疾走する。ある時は3−5−2のアウトサイドとして相手陣内をえぐり、フィニッシュにも絡む。ある時は4−4−2のサイドバックとして相手のキーマンを徹底マークする。攻守両面にバランスが取れているのが彼の魅力である。

「僕のプレースタイルはフェイエノールト時代も今もそんなに変わってません。日本のみなさんはフェイエノールト時代の僕の印象が強いと思うんで、あのころみたいにドイツでもガンガン上がれたらいいね」と本人も不適な笑みを見せる。

 ご存知な方も多いだろうが、エマートンと小野伸二(浦和)は2年間一緒にプレーした仲間。劇的だった01−02シーズンUEFAカップ優勝も経験している。普段から食事をしたり一緒に音楽を聞くなど大の仲良しだった2人がドイツの場で再会し、真っ向から勝負に挑むのだ。これもこのゲームの1つの見どころといえる。

「伸二、キミとまたドイツで会えるのはうれしいことだね。今は日本に戻っているようだけど、再びヨーロッパでプレーすることになれば素晴らしいよ。キミはすごく才能ある選手だから、対戦する選手はみな警戒してくると思う。僕も日本戦の時は試合中、ずっと追いかけ回すからね! 気をつけろよ!」と挑発交じりにメッセージを送ったエマートン。小野は親友の挑戦状にどう答えるのか…。

 6月12日に行われる運命の一戦は、絶対に見逃せない。



(元川悦子)



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