今週のTOKYO HEADLINE
vol.256
(2006.05/22-05/28)
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TOKYO CULTURE vol.256

INTERVIEW

WAIP= 後藤次利 + Klammy

日本のベース奏者の中では唯一無二の存在といっていいスーパーベーシスト後藤次利が、女性サックス奏者Klammyとタッグを組み、新ユニットを結成。ユニット名は『WAIP』。5月10日に1st CD『visual range』をリリースした。

「音楽にかける気持ちはすごい。後藤さんはアツイ男なんですよ」by Klammy

 重く、熱く、うねるビートにからむサックスのヒューマンな音色。かと思えば、グルービーな曲も、引き潮のようなセンチメンタリズムのあるバラードも聴かせる。ベース、サックス、そしてゲストのドラムというたった3つの楽器で構成された、ジャズライクな大人の音楽。一言でいえばカッコいい音楽を、後藤次利とKlammyは、出会いから3カ月ほどで作ってしまった。

後藤 僕が大阪でライブをやった時、一緒に演奏した清水興さんの知り合いで、Klammyが楽屋を訪ねてきたんですよ。その時に彼女のCDをもらったんだけど、聴いたら、このコが吹いてるの?ってちょっと驚いたの。で、「よかったですよ」って清水さんにメールしたら、彼女に転送してくれて、セッションしてみようかという話になったのが始まりですね。

Klammy セッションするから東京に来ない、という話になるのに、最初にお会いしてから2カ月くらいですよ。

後藤 僕がせっかちだからね(笑)。それにこの世界って、「今度やろう」みたいな話が多いじゃない。でも、そういういい加減なのはあまり好きじゃないし、勢いがあったほうがいいでしょ。

K 曲もフレッシュなほうがいいですよね。

後藤 魚だって新鮮なうちにさばいたほうがうまいからね(笑)。

 そして最初のセッションでのプレイが、そのまま3曲CDに入ることになる。ベテランの後藤もKlammyから触発されたこともあったそうで、Klammyもこのセッションにより、知らなかった自分を発見することになったそうだ。

K 技術自体は、昨日、今日で変わらないけど、気持ちの問題で、今まで自分が入れなかったエリアに入っちゃった感じでしたね。ここまでやっていいかなって思うところも後押しされて、吹いたらアカンと思っていた音も吹いてるみたいな感じだったんですよ。それまでは「出ない音は吹けない」という気持ちがあったけど、そんなのもなくなったらパーンと音が出たりして、もっとチャレンジしたい気持ちが少しずつ増えてきましたね。

後藤 CDの1曲目は、東京で最初にセッションした曲なんだけど、プレイするのに時間差があったから、「こんな感じだろう」と予測して最初にベースを弾いておいたのね。で、そこにサックスを吹いてもらったら、いい意味で予想外のパワーだった。これは予測が甘かったと(笑)。すいませんって感じで、僕もやり直したんですよ。

K あの時は「やったー!」と思いましたね。やっぱりプレイヤーとしては、「あれ?」って思われたいじゃないですか。そのへんを頑張ろうと思った1曲目だったので、すごくうれしかったですね。

 人と人が出会い、何かが生まれる。セッションというのはその最もプリミティブな形であり、実はそれ以外で新しいものは生まれないかも、とさえ思える。音楽業界の大ヒットメーカーとして膨大なキャリアを誇る後藤も、今、自分自身のプリミティブなところに戻っているそうだ。

後藤 やっぱりスタートはベースだからね。限られた人生の中でっていうとオーバーだけど、そこを大事にしておかなきゃいけないなと。商店街を歩いていて自分の曲が流れてくるのももちろんうれしいことだけど、自分がベースを弾くってことは、直接汗をかくじゃない。その喜びはまた別なんですよ。今回ドラムで参加してくれた山木秀夫さんとも『gym』というユニットをやっているんだけど、あんなに自分を興奮させてくれるドラマーはいないから、『WAIP』も含めて、こうしてユニットができるのはうれしいことだよね。

K 私は、実は後藤さんのプレイをほとんど見たことがなかったんですけど、今回アドリブを初めて聴いた時に、すごいアツイ男だと思ったんですよ。燃える男って感じですよね。でも、ハードなものだけじゃなく、バラードを聴いた時も別の意味でびっくりした。ホントに幅広いんだなって。

後藤 それは彼女もそうだったの。だから要は、ハードでもバラードでも、“歌ってる”ってことが大事だよね。

 現在、6月に行われるライブに向けてオリジナルのアクセサリーを作る計画も進行中。作っているのは、代官山にある『FUEL HEADS』。後藤が、斎藤ノブと藤井尚之と組んだ『Non Chords』の時にアクセサリーを提供してもらった縁で『WAIP』の音を聴いてもらったところ、「すごく気に入った!」ということで、音からイメージしたものを作るという話に発展したそうだ。

K 音楽からイメージして何かを作ってもらえるのって、自分たちの音楽が育って、どこかに行ってる感じがするからすごくうれしいですよね。『WAIP』を聴いて、絵を描いたとか、曲に触発されて家を建てましたとか、もっとやってみてほしいですよね!

後藤 いや、家は無理でしょう(笑)。

 家を建てられるかどうかは分からないが、そういう感性の連鎖こそ、音楽の原点なんだという気がした。



(取材・文/幸野敦子)

WAIP『visual range』
発売中 TUTINOK-0001 2500円(税込み)
■WAIPワンマンレコ発ライヴ『visual range』
【日時】6月2日(金)18時30分開場/19時開演
【会場】大阪『FANJ TWICE』
【料金】前売り 2500円 当日 3000円
※ローソンチケット、チケットぴあ、『FANJ TWICE』にてチケット発売中(問い合わせ: TWICE OFFICE 06-6484-3880)
後藤次利 HP http://www.bass-on-bass.com/ 『WAIP』HP近日オープン


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