
vol.267
This Week PICK UP
『ユナイテッド93』
唯一“目標”に到達しなかったユナイテッド93便の真実
あの日、何が起こったか? あの悲劇を記憶するため、5年の歳月を経て生まれた真実の物語
これまで多くの歴史的悲劇を検証し、その事実を反映させた映画が数多く作られてきた。しかし本作が描くのは、まだ事件の傷がいえやらぬ5年前の悲劇なのだ。どの時点でこれほど痛ましい事実をスクリーンで語って良いのか、常に疑問を抱いていたと語っているのは、監督、脚本、製作を兼任したポール・グリーングラス。1972年に起こった“血の日曜日事件”をドキュメンタリータッチで描きベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、サスペンスアクション『ボーン・スプレマシー』をヒットさせたグリーングラス監督が、社会派作家ならではの手腕と信念で、ユナイテッド93便の真実に正面から取り組んだ。
真実を描くことの意義を失っては、鎮魂の礎にはなり得ない。
2001年9月11日。午前8時42分にニュージャージー州ニューアークからサンフランシスコに向けてユナイテッド93便が飛び立った直後、ハイジャックされたアメリカン11便がワールド・トレード・センター北棟に激突。世界中のテレビカメラがその状況を映し出していたその瞬間、ユナイテッド175便が南棟に激突した。さらにアメリカン77便もペンタゴンに墜落。ハイジャックされた4機は次々にテロの道具となったなか、唯一ユナイテッド93便だけが“目標”に到達することなく、ペンシルベニア州の郊外に墜落した。監督は、亡くなった93便の乗客40名の家族・友人や、9.11委員会、航空管制官、軍関係者に行った膨大なインタビューを元に、93便の乗客たちの様子を再現。同時に、有名なスター俳優を一切起用せず、実際の乗客に合わせた年齢・性別の役者を揃え、さらに実際のパイロットや乗務員経験を持つ者、管制官たちを起用した。事件当日に最も重要な任務を負ったハーンドン連邦航空管制センターのベン・スライニーの役は、本人自身が演じている。
エモーショナルな感動映画ではなく、あくまで事実に向き合って描かれた本作は、より深く93便の乗客たちの勇気を、伝えてくれるのだ。
| ◆story…2001年9月11日。午前8時42分、ニュージャージー州ニューアークからサンフランシスコに向けて、ユナイテッド93便が飛び立った。しかしその直後、アメリカン11便がワールド・トレード・センター北棟に激突。その後ハイジャックされたユナイテッド93便の乗客たちは、これが単なるハイジャックではないことに気づき始める…。
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| 監督:ポール・グリーングラス 出演:コーリイ・ジョンソン、デニー・ディロン他 UIP配給/1時間30分/8月12日よりみゆき座他にてロードショー
http://www.united93.jp/
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