
vol.267
「あかんよ、悔しい」ランダエタにプロ初ダウンも薄氷の判定勝利
亀田興毅、ライトフライ級世界王者に
WBAライトフライ級王座決定戦が2日、横浜アリーナで行われ、同級2位の亀田興毅(協栄)が同級1位のファン・ランダエタ(ベネズエラ)に2−1の微妙な判定で勝ち、王座に就いた。10代での世界タイトル獲得はファイティング原田、井岡弘樹に次いで日本勢史上3人目。
亀田は1回、いきなり右フックを浴びプロ入り後、初のダウンを奪われたが、立て直し、7、8回と攻勢に転じた。しかし終盤は連打を浴び、苦しい幕切れとなった。3人のジャッジのうち1人が2点差、もう1人が1点差で亀田を支持し、残る1人は3点差でランダエタの勝ちとする微妙な判定。12ラウンド中8ラウンドでジャッジの採点が分かれた。
「あかんよ、悔しいなあ」。試合後、開口一番、亀田の発した言葉が表す通り、終始亀田の劣勢と言っていい。1回。打ち合いに応じてきたランダエタに終了間際、左ガードが下がったところに右フックをきれいに合わせられ、プロ入り後初のダウンを喫した。その後も、左のアッパーで何度もあごをはねあげられ、体格差を生かしたロープ際の攻撃も、ランダエタの柔軟な防御にかわされた。
ジャブを使わない「亀田家流」にランダエタは左ガードを悠々と下げて応戦した。亀田は最終ラウンドも甘くなったガードのすき間に右を差し込まれ、足をふらつかせ、終了のゴングを聞いた。
それでも手に入るチャンピオンベルトに、いつものビッグマウスは影を潜めた。「言うても、12戦目やし。いい経験やよ」。
トレーナーの父、史郎氏にWBAが“用意”したというチャンピオンベルトが、記者会見の席で贈呈された。「よう、がんばった」。史郎氏が涙を見せると亀田も感極まった。頑張ってきた父子の涙にうそはない。だが予想外の判定が父子のベルトの色をくすませた。
「記者のみなさんは私が勝ったと思ってくれている」。試合後のランダエタは、あまりに想定外の判定に、怒りを通り越して、苦笑いするしかなかった。