
vol.267
イ・スンヨプが日韓通算400号達成
「アジアの大砲」の名にふさわしい“2発”だった。
1日の阪神戦。巨人の主砲、イ・スンヨプは1回、阪神・井川のストレートを左中間スタンドへ叩き込んだ。「自分のスイングを信じて振り抜いた」という一撃で日韓通算400号を達成すると、9回にはバックスクリーンへサヨナラ弾。自ら勝利に導く祝砲を打ち上げた。
18日に30歳の誕生日を迎える。単純比較はできないが、29歳11カ月での400号到達は王貞治、A・ロドリゲス(ヤンキース)に次いで、史上3番目の若さ。「光栄だし、2人と比較してもらえるよう、今後も頑張りたい」と声を弾ませた。
日本球界を代表する左腕の井川から、記念のアーチを放ったことに一層の価値がある。韓国で年間56本塁打の輝かしい実績を引っさげて来日したものの、ロッテでの2年間は屈辱にまみれる日々だった。
バレンタイン監督の方針により、左投手が先発の日はオーダーから外されることが多く、不振による二軍落ちも経験。勝負をさせてもらえないのに、“左に弱い”というレッテルを張られた。昨年の日本シリーズに出場した際も、詰め掛けた韓国メディアに「きょうは多分出られないよ」と、寂しそうにこぼすこともあったという。
巨人へは活躍の場を求めて移籍した。原監督はオープン戦を見て、左投手でも打てると判断。4番の座を与えてくれた指揮官の期待にこたえるため、セ・リーグの投手をDVDで分析し、内角球の克服に取り組んだ。
「スンちゃんに尽きる。逆方向にもあれだけ強い打球を打てる。彼はスーパーですよ」と原監督は絶賛した。一度は日本で挫折を味わったスラッガーが、韓国野球のプライドを見せつけた瞬間でもあった。