今週のTOKYO HEADLINE
vol.268
(2006.08/14-08/20)
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TOKYO CULTURE vol.268

INTERVIEW

Every Little Thing

Every Little Thing( ELT)のニューシングル『スイミー』は、疾走感やキラキラ感のある楽曲だ。この夏らしいシングルとともに、彼らは7枚目のアルバム『Crispy Park』も届けてくれた。伊藤一朗と持田香織に2つの新作とELTについて聞いた。

―オリジナルとしては約2年半ぶり。今回はじっくりと制作できたのでは?

伊藤:前作が終わってから長いライブツアーがあって、その間に『ACOUSTIC : LATTE』もあったので、久しぶりにスタジオに入ったって感じはなかったんですけどね(笑)。ただ、今回は一曲を持って1週間スタジオに閉じこもるっていうのはなかったかな。今までは、曲を作りながらスタジオにいるっていうパターンがありましたけど、曲が揃ったうえでスタジオに入って、何か付け足すものがあれば付け足そうって感じだったので。完成形が見えるものがあったからもっとインスピレーションを感じられたし、体力的にいいところでレコーディングもできましたね(笑)。

―このスタイルは作詞に関しても影響がありましたか?

持田:先にしっかりしたものがあるほうが、作り手の気持ちも伝わってくると思うし、詞に世界の広がりが出たりすることもあるかな。今回強く思ったことに、私は曲ありきで詞を書いてきたんだってことがあるんです。自分発信というよりも、曲を聞いていくなかで曲と会話をしていくじゃないですけど、触発されて浮かんでくる言葉がある。そこから自分と向き合っていく。そういうのが私なんだなって。

―シングル『スイミー』も?

持田:そうですね。『commonplace』で『water(s)』という曲を提供していただいた早川さんに書いていただいたんですけど、そのせいなのか水がキラキラしたイメージ浮かんできたんです。制作しているときに、ドラマ『結婚できない男』の話もいただいていたので、そこにも寄り添えるようなものにしたいと思っていたら、小学校のころ教科書で読んだ『スイミー』のイメージと重なって。他の魚と色が違うスイミーが、毎日葛藤しながらも、自分が存在するにあたって自分にしかできない役割があることが分かるっていうあの話が、“結婚できない”とひとくくりにされてはいるものの、自分の意志の下で格闘しながら楽しんでもいる大人たちの姿に見えて。

―この『スイミー』が収録されているアルバム『Crispy Park』ですが、表情が豊か。

伊藤:今回に限ったことではないんですけれど、アルバムを制作するにあたって、ポップスだとか、ロックのコンセプトアルバムみたいな仰々しいものは決めていませんでした。出された札を見てから残りをどういうふうにするか考えるといった感じで。収録曲にシングルが多くて、静かで重厚な雰囲気の曲があるから、ちょっと抜けた明るいハッピーな曲を作ろうというぐらいだったと思います。タイトルに関して言えば、自分が気にいっていた「クリスピー」という言葉を使いたくて。図らずもいろんな曲調があるので、クリスピーマンションとか、クリスピーアパートメントはどうだろうと。そこに住んでいる人はお互いを知らないんだけれどもいろんな職種の人が住んでいるようなイメージでもしっくりこなくて、パークに落ち着いたんです。

―伊藤さん作曲の『いずれもROMANTIC』は、ドリーミーなポップですけれども、伊藤さんのギタリスト魂も見えます。

持田:一朗さんって珍しいギタリストだと思うんですよ。職人ぽいというか。音の作り方や自分の主張というよりも、どうやればその曲が生かされるかって考えるタイプ。

伊藤:いろいろできることが楽しいんですよ。例えば、僕がロックバンドのギタリストだったとしたら、最初の1曲から最後まで音の色を保って、1枚を通してそのバンドのギタリストであることが必要とされると思うんです。でも、僕は求めているのはそういうのとは反対なところにあって、それぞれの曲で別な人がギターを弾いてるのかなあって思われるようなのがいいんです。そうすることで、僕自身もいろんなところへ旅立った気分になれるし、煮詰まることもない(笑)。

持田:そこがELTとしての基盤なのかもしれないですね。

伊藤:もう10年になるけれど曲に取り組む姿勢は変わってないですからね。進歩してないって事かもしれないんだけれど、普通なら欲深くなったり適当になっちゃったりすると思うんですけど、全然変わらない。昔投げていたボールが投げられないっていうのもないし。

持田:だから、新鮮さを持ちながら、変わらないでい続けられるんだと思います。私たちは、いろんな楽曲をやっていますけれど、基本は聞いている人たちがいるから成り立っているんだという姿勢。こういうのを絶対聞いてほしいっていうのではなくて、楽しんでくれたり一緒に気持ちを重ねてもらえるような作品を届けられればと思っているんです。これからもそれは変わらないと思います。そう思ってもらえるのは貴重なことだから。



(本紙・酒井紫野)

[left]Crispy Park 発売中 3059円(税込) エイベックス
[right]スイミー 8月30日(水)発売840円(税込)エイベックス


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