
vol.268
日本製紙の北越株取得で王子製紙のTOB成立困難に
製紙首位の王子製紙による北越製紙の敵対的TOB(株式公開買い付け)阻止に向け、北越の独立委員会は8日、買収防衛策の発動を取締役会に勧告し、同2位の日本製紙グループ本社も北越株の取得を完了した。これで王子のTOB成立は一段と難しい局面を迎えた。一方、敵対的TOBによる業界再編の動きは、紳士服チェーン業界にも広がってきた。
北越製紙の独立委員会(委員長・佐藤歳二監査役、早大教授)は8日、王子製紙によるTOBに対し、買収防衛策を発動することを取締役会に勧告した。取締役会は「独立委の判断を尊重し、防衛策の発動の要否や時期などを判断する」考えで、新株予約権を既存株主に無償で割り当てるなどの具体策を取る準備が整った。
独立委は「王子が委員会に買い付け説明書の提供をする意思があるとは到底考えられず、今後も買い付け説明書の提供があると期待することはできない」などと判断、発動を勧告した。
発動されれば、最終的に発行済み株式を最大で2倍に増やせ、王子の影響力を大きく弱められる。
また、日本製紙グループ本社は8日、北越製紙の株式取得を完了し、議決権ベースで8.85%に達したと発表。日本製紙はこれ以上北越株を買い増す予定はないとしている。北越の第三者割当増資を引き受けた三菱商事の持ち分24.4%と合わせて、33.25%となる。これにより、王子の敵対的TOBは、残りの66.75%の中から過半数を取得せねばならず、成功へのハードルは高くなった。
日本製紙は4日に公表した大量保有報告書掲載の時点から、501万1572株を買い増し、トータルで1867万5694株となった。取得に要した総額は151億8515万円。
紳士服チェーン業界ではAOKIがフタタに経営統合提案
紳士服チェーン2位のAOKIホールディングスが、九州の紳士服専門店チェーン、フタタに対し経営統合を提案した。8月下旬から約1カ月間、TOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化する考えだ。統合提案への回答期限は14日。TOBの買い付け価格は1株700円と、フタタの直近の価格400円を大きく上回る。
これに対し、フタタと資本・業務提携している業界4位のコナカは8日、「公開買い付けに応諾する意思はない」とのコメントを発表。AOKI、コナカの“フタタ争奪戦”が繰り広げられそうだ。
AOKIの中村憲侍専務は「あくまでフタタの返事を待つ。友好的にTOBするつもりなので話し合いを継続する」としているが、コナカの反対表明を受け、敵対的TOBに踏み切る可能性が高い。
業界トップの青山商事が全国47都道府県に出店しているのに対して、2位のAOKIは九州が空白地区だった。青山を追い上げるため九州に足場を確保したいというのが、AOKIがフタタに統合を提案した最大の理由だ。そして、この時期に申し入れたのは、「来年1月23日でフタタとコナカの提携契約が切れる」(中村専務)ためだ。
(ビジネスアイ)