
vol.270
イランが包括案に正式回答!! 本格協議行う用意を表明も…
ウラン濃縮活動の凍結は拒否
[テヘラン ロイター]イランは22日、同国の核問題解決に向け、国連安保理常任理事国5カ国とドイツが提示した「包括見返り案」に正式回答し、6カ国と核問題をめぐり「本格的な」協議を行う用意があると表明した。
ただ、同見返り案の中心的な要求であるウラン濃縮活動の凍結については、聞き入れる兆候は見せていない。
国連安保理は、ウラン濃縮活動の凍結期限を8月31日と設定、実現しなければ対イラン制裁に動く可能性を示している。イラン側はこの期限は違法かつ無効だと主張している。
欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表は、声明を発表し、イランの回答は「広範囲に及ぶため、詳細かつ慎重な分析が必要だ」と述べた。回答の詳細については言及しなかった。
イラン学生通信(ISNA)によれば、イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は、6カ国の代表団に包括見返り案への回答書を手渡す際に「イランの問題を国連安全保障理事会に付託する違法な動きに正当性はないが、公正な協議に向けた回答は準備された」と語った。そのうえで「イランは23日から本格的協議を行う用意ができている」と述べた。
また「核問題、長期的な技術・経済的協力や地域安全保障での協力など、包括案で示されたすべての問題について合意に達するため、6カ国代表団は協議を再開するべきだ」と述べた。
欧州のある外交官は「包括的な回答だ。イラン側は協議の継続を歓迎する意向を示した」と語った。
前出の欧州の外交官によれば、イランは交渉への前提条件としてウラン濃縮活動を凍結することは拒否したものの、「交渉の過程で一時停止に応じる可能性は否定していない」という。この外交官は、ラリジャニ事務局長との会談には出席していないが、冒頭で読み上げられたイラン側の声明を引用して語った。
ボルトン米国連大使は、イラン政府が包括見返り案を拒否した場合、米政府は直ちに経済制裁を求める国連決議に向け動く用意があると述べた。ただ、その方向性について他の常任理事国の意向ははっきりしていない。
米政府は回答を精査
[ワシントン ロイター]米政府は23日、イラン核問題解決への包括見返り案にイラン側が回答したことを受け、イランは協議を要請しているが核開発プログラム停止という国連安保理の要求を満たしていないと指摘した。
ただイランの回答を直ちに拒否したわけではなく、内容を詳しく検討するとしている。
米大統領報道官によると、政府は今後の対応について他の安保理加盟国と綿密に協議中。報道官は、イランの回答を精査するとした上で「ウラン濃縮関連および再処理のあらゆる活動を完全に検証可能な形で停止するという安保理の提示条件を満たしていない」と述べた。
フランスは、イランがまずウラン濃縮活動を停止しなければ協議要請は受け入れられないとの姿勢を示している。