
vol.270
韓国潜入の北スパイ逮捕で盧政権に打撃
韓国政府は韓国内に潜入していた北朝鮮のスパイを国家保安法違反容疑で逮捕したと21日、公表したが、このスパイが破壊工作の準備のため、韓国内の原子力発電所や韓国軍の基地、在韓米軍基地などを撮影していたことがわかり、「対話と和解」政策を進めてきた盧武鉉政権に打撃となっている。
このスパイは北朝鮮の工作機関のひとつ、朝鮮労働党35号室所属のチョン・ギョンハク容疑者(48)で、フィリピン国籍に偽装して韓国入りし、出国しようとした31日に逮捕された。北朝鮮工作機関が南派(韓国に送り込む)したスパイ逮捕は9年ぶり、盧武鉉政権では初めて。
国家情報院によると、チョン容疑者は韓国中部・忠清南道の空軍レーダー基地や東部の蔚珍にある原子力発電所などを撮影、戦争発生時のターゲット確認の目的だったとみられている。
これまで90年代なかばからたびたび韓国に潜入していたチョン容疑者は97年にはソウル市内の南山タワーの展望台から望遠レンズで在韓米軍基地を撮影、フィルムを駐タイの北朝鮮大使館の党秘書に渡した容疑も持たれている。また、フィリピンの自宅からは北朝鮮への報告などに使っていたコンピューターや短波ラジオなどが見つかったという。
国家情報院が韓国国会に明らかにしたところでは、捜査過程で同容疑者は「有事の際に南の原発を破壊すれば、原子爆弾を投下するのと同じくらいの混乱を引き起こすことができるとして、原発の写真を撮影して来るよう(北朝鮮の)人民武力部に指示された」などと供述しているという。
米韓合同演習を北非難
[ソウル ロイター]米軍と韓国軍は21日から合同軍事演習を開始した。合同演習は毎年行われているが、北朝鮮側はこれを侵略と核戦争への準備行為だと非難、こうした脅威に対処するため核抑止力を強化するとしている。
在韓米軍によれば、合同軍事演習は9月1日までで、コンピューターシステムや指揮系統のテストなどを行う。参加兵士数は在韓米軍から約5000人、米本土および太平洋地域から3000人。韓国軍の参加規模は非公表。
北朝鮮は22日、米国と韓国の合同軍事演習は「戦争行為」だと非難し、先制攻撃を検討していると表明した。朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。
KCNAは米韓の合同演習について、「明らかに軍事的な脅威で、北朝鮮に対する脅迫であり、戦争行為だ」と指摘。「北朝鮮は自衛のために必要と考えた時点で、先制措置を取る権利を有する」と伝えた。