
vol.270
ひき逃げ誤認逮捕で10カ月拘置の男性無罪に
東京都世田谷区で昨年6月、パトカーに追跡された乗用車が起こしたひき逃げ事件で、危険運転致傷などの罪に問われた男性(28)の判決公判が23日、東京地裁で開かれた。柴田誠裁判官は「男性が乗用車を運転していたと認めるには合理的な疑問が残る」として、男性に求刑通り無罪を言い渡した。検察側は同日午後、上訴権を放棄し、男性の無罪が確定した。
この事件では真犯人として、危険運転致傷などの罪で榎本智久被告(21)が起訴されており、検察側は異例の無罪を求刑していた。
柴田裁判官は「『男性が運転していた』と証言した榎本被告は、自分が運転していたことを認めている。榎本被告の証言を信頼することはできない」と述べた。
さらに「この1年間、ご苦労をかけました。やり切れない思いもあると思います。一日も早く平穏な生活に戻られることを願っています」と付言した。
男性は昨年6月27日未明、乗用車を運転中にパトカーの追跡を振り切ろうとして世田谷区の国道交差点に赤信号で進入してバイクをはね、運転していた男性に重傷を負わせ逃げたとして起訴されていた。
昨年8月の逮捕から、今年6月に保釈されるまでの約10カ月間、拘置された。