
vol.270
ダイエー樋口社長が退任
丸紅から西見執行役員を迎え入れ
経営再建中の大手スーパー、ダイエーは22日、辞意を示していた樋口泰行社長が10月上旬開催予定の臨時株主総会をもって退任すると正式発表した。退任後は当面の間、顧問としてダイエーに残る。経営体制の揺れは今後の道筋を不透明なものにしている。
「丸紅の持つ総合商社の強みを生かした経営により、(ダイエーの)事業再生が成し遂げられると確信している」。樋口社長はこの日、退任発表に際しこうコメントした。一方、丸紅は「新体制への移行には樋口社長の協力が不可欠」として樋口社長に顧問就任を要請、了承を得たという。
樋口社長は先月28日、産業再生機構が保有するダイエー株を丸紅が取得すると発表した会見で、丸紅の勝俣宣夫社長からの要請を受けて「引き続き貢献したい」と続投表明したばかり。唐突すぎる辞任劇にはさまざまな憶測が飛び交った。丸紅は商社の組織力を活用した事業計画の策定を進めている。樋口社長はコメントで「一定の役割は終えた」としており、丸紅主導で進む新たな改革を前に、身を退く思いを強めたとみられる。
ダイエーは23日、樋口社長の後任として丸紅の西見徹常務執行役員を迎え入れる人事を内定した。9月1日付でダイエー副社長執行役員に就任したうえで、10月上旬開催予定の臨時株主総会後の取締役会で社長就任を正式決定する。丸紅は西見氏の経営手腕にダイエーの再建を託す。
ダイエーは23日開いた取締役会で西見氏のほか、丸紅の山崎康司食料部門長代行を常務執行役員に、佐藤精四郎食料総括部長を執行役員に充てる人事を決めた。
ダイエーの林文子会長は代表権のある会長として留任するが、丸紅では社長に経営権限を集中させるため、林会長兼務のCEOの役割を外す方針だ。
ダイエー再建では、財務問題が依然として大きな課題。西見氏は樋口社長同様、小売りでの経験がないだけに丸紅主導のダイエー改革を軌道に乗せられるかどうかは未知数だ。