
vol.270
フタタがコナカを選択 信頼関係で統合効果
九州地方の中堅紳士服チェーン、フタタをめぐって大手2社が経営統合を申し入れた問題は18日、フタタが3年前から業務・資本提携を結んでいたコナカを統合相手に選び、決着した。フタタが業界2位のAOKIホールディングスよりも、“旧友”のコナカ(同4位)を選択したのは、コナカと「全社員レベルで信頼関係ができている」(フタタ)とし、統合効果が早期に発揮できると判断したためだ。
「年商100億円の企業規模で、自主独立にこだわっていては企業価値を損なう。リスクを放置することは許されない」
フタタ経営陣は18日の最終協議で、提携先を選ぶ判断基準についてこう結論づけた。平成19年から始まる「団塊世代」の大量退職で、紳士服業界は本格的な縮小基調に入るとされる。フタタには、提携効果が発揮できるまでの「時間」も大きな意味を持つと考えた。フタタと15年に提携したコナカは、フタタ株の約20%を持つ筆頭株主。フタタへ取締役を派遣し、POS(販売時点情報管理)システムの共通化や共同仕入れなどを地道に進めてきた。フタタは「コナカとは経営統合の前提となる作業の相当部分が進んでいる」とみて、シナジー(相乗)効果に期待を寄せる。
フタタは紳士服業を維持しながら21年までに約20店の新規出店を進める。一方のコナカはフタタの子会社化により、はるやま商事(岡山市)を抜いてAOKIに次ぐ3位に浮上、業界での存在感を強めそうだ。
成熟市場のアパレル業界では、M&A(企業の買収・合併)が急速に増えてきた。「アパレルの中でも特に差別化が難しい商品」(大手)とされる紳士服で本格化した生き残りのための再編劇は、今後も新たな動きが起きると予想される。