今週のTOKYO HEADLINE
vol.272
(2006.09/11-09/17)
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TOKYO CULTURE vol.272

INTERVIEW
パンクなお面集団

BEAT CRUSADERSの原点回帰

お面姿で音楽シーンに話題を呼んでいるBEAT CRUSADERS(ビートクルセイダース)のニューシングル『TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT』がついに発売! 大人気アニメ「BLEACH」のオープニングテーマである、疾走感あふれるギターポップの楽曲に封じこめた気持ちを、ボーカル・ヒダカトオルに語ってもらいました!

―「BLEACH」の主題歌として『TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT』がオンエアされて以降、何か変化はありましたか?

 お客さんが若返ってる感じはしますね。その若いエキスを注入して俺も若さを保ってる、と(笑)。今まで「当然」と思ってたことが当然じゃなくなってる感じですね…。例えばライブでお約束の下ネタのコール&レスポンスを分かっていない人がいるのを見ると、逆にうれしくなりますね。新しいファンは教育しがいがあります(笑)。

―どんな教育を?

 パンクと性教育! 今年38歳なんで、70、80年代のパンクロックを、90年代以降のパンクしか知らない世代にちゃんと教えたいってのはありますね。極論するとパンクとかロックって、もっと嫌われていいと思うんですよ。親がしかめっ面するからカッコいいんであって。それが今、ヒップホップとかレゲエにとられて、ロックって、無難で予定調和なものになってる気がして。

―嫌われたい?

 嫌われたいっていうか、親の世代に理解されたら終わり、みたいな。だから、あえてガンガン下ネタ入れたり、英語で歌ったりしてるんですよね。

―今回のシングルは、原点回帰がコンセプトだそうですが、なぜ今?

 去年、メジャーで出したファーストアルバムがオリコン3位だったんですよ。おかしいじゃないですか、どこの馬の骨か分からない、お面かぶって英語で歌うパンクの人のCDが3位って! なんか逆に怖くなっちゃったんですよね。こんなに簡単に俺の言いたいことは通じちゃうのか? そんなわけないって。だから、あえて自分が本当はどういうことをやりたかったのか、どういう音楽を伝えたかったのかを、もう一度確かめたかったんです。

―シングルにはデビュー前の曲も収録されてますね。

 10年くらい前、誰にも曲を聴いてもらえなかった時代にひねくれて作った曲を、あえて今「伝わるかな」って思って入れてみました。結局、ひねくれてたころと言いたいことはあんまり変わってないんです。

―10年前と言えば、ヒダカさんはサラリーマンをしてたころですよね。

 そうですね。その時代に溜まったうっぷんを、今、少しずつ音楽ではらしてるんで。そういう発想自体が21世紀のパンクなのかなと。70〜80年代って、社会がほんとに悪かったじゃないですか。敵がものすごく分かりやすかった。でも今の時代、敵がすごく漠然としてる。それは今のパンクロックが抱えてる不幸ですよね。それで、自分たちが闘う相手は何なのかと考えた時に、やっぱり自分なんじゃないかな、と。だから、サラリーマン時代のうっぷんと闘ったり、恨みを晴らすという…「魔太郎パンク」みたいな感じ(笑)。

―ネガティブですね(笑)。ところで、自分たちの曲がカラオケで歌われるのはどう思いますか?

 ものすごくうれしいですよ。ぜひどんどん歌って、俺に印税をくれと(笑)。

―ちなみにヒダカさんご自身はどんな曲を歌われるんですか?

 松山千春の『長い夜』ですね。千春かアリスですね。俺ね、ニューミュージックをリアルタイムで見てるんで、小学校1〜2年生のころ。アリスを見て、歌うことが楽しそうだなって思ったんですよ。その後にビートルズを知って、そのまま一気に洋楽に行ったのでやっぱり谷村新司とジョン・レノンです、俺のルーツ。あとはビリー・ジョエルとか…女性の食いつきの悪い曲しか歌えない(笑)。

―今年後半の展開は?

 10月11日にスプリットシリーズ第2弾が出ます。インディーズ時代の仲間と何かやろうっていう、全3部作のシリーズなんですけど。今回一緒にやるのは、トロピカルゴリラというUSどパンクの、ものすっごいうるさくて暑苦しい、男くさいバンドです。今、インディーズをちゃんと盛り上げていかないと、この先、音楽業界がつまんなくなっちゃう気がしてるんですよね。だから、そこを強化していきたいという、熱い思いが詰まった一枚なので。メロコア以降のパンクしか知らないキッズたちが、ほんとのパンクってなんだろうって考えるきっかけになればいいですね。自分の好きな音楽を、ひとりでも多くの人に「いい」と言わせたい、そんなおせっかいおばちゃん的な気持ちでやってます(笑)。そんなコンセプトがBEAT CRUSADERSの新しさだと思います。

―この先もお面は外さないですか?

 ミリオン売れたら外します(笑)。もう、そこまでいったら隠し切れないですよね。お父さんお母さん、誰でも知ってるっていう。だから、そこまでいったらロックじゃないんですよ。俺の中では。



(文・竹中明子)

TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT
1223円(税込) デフスターレコーズ


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