
vol.275
11人初入閣 首相補佐官5人 谷垣派から入閣ゼロ
安倍内閣発足−「論功行賞」色強く
安倍晋三自民党総裁は26日、衆参両院本会議での首相指名選挙で、第90代首相に指名された。同日夜に発足した安倍内閣の閣僚人事は自民党総裁選での勝利の功労者を重用し、敵対勢力を冷遇する「論功行賞」色の強いものとなった。
安倍首相は歴代首相で戦後最年少、初の戦後生まれ。閣僚人事では、塩崎恭久官房長官ら11人が初入閣で、民間からは大田弘子政策研究大学院大学教授が入閣した。内閣の要の官房長官には気心の知れた塩崎氏、外相には、外交政策で同一歩調をとる麻生太郎外相が再任した。安倍首相の父、故晋太郎元外相時代から親交のある尾身幸次氏の財務相のほか、山本有二氏の金融担当相など、総裁選での安倍陣営から多くの閣僚を選んだ。明確に他陣営からの入閣者は麻生外相だけ。総裁選で、外交などについて安倍首相との路線の違いが際立った谷垣禎一前財務相の所属する谷垣派からの入閣はゼロだった。また、首相補佐官を5人に増員し、拉致問題担当に中山恭子元内閣官房参与を充てるなど官邸機能の強化を図った。
安倍首相は26日夜、首相官邸で首相就任にあたって記者会見を行い、「日米同盟では(双務性を高めることが)きわめて重要。(集団的自衛権の)研究をしっかり進め、結論を出してゆきたい」として、集団的自衛権の解釈見直しに積極的に取り組む姿勢を強調した。憲法改正についても「政治スケジュールに載せるべくリーダーシップを発揮する」と強調した。このほか、教育改革の要の組織として10月上旬に「教育再生会議」を新設、来年初めに中間報告を出す。歳出削減のために報酬を首相は30%削減し、閣僚も一律10%削減することが明らかになった。
皇室典範改正については、「安定的な皇位継承は重要な問題であるからこそ国民に納得されるものでなければならない。慎重に議論を重ねていくことが必要だ」と述べ、女系天皇を容認する現行の皇室典範改正案を事実上差し戻して、議論し直す考えを示した。
また、自民党内で賛否が分かれ、宙づりになっている人権擁護法案についても「自民党内の議論を踏まえ、法務省で慎重に議論を進める」と述べ、自民党内の慎重論に基づき、法案を議論し直す可能性に言及した。