
vol.275
奈良女児殺害事件で死刑判決
平成16年11月、奈良市の小学1年、有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件で、殺人やわいせつ目的誘拐など8つの罪に問われた元新聞販売店員、小林薫被告(37)に対する判決公判が9月26日、奈良地裁で開かれた。奥田哲也裁判長は「女児への異常な性欲を満たすための犯行動機に酌量の余地はない」と断罪。また、2度にわたる性犯罪の前科にも触れ、「長期にわたる矯正教育を受けたにもかかわらず犯行に及んでおり、この種の犯罪への常習性は相当に根深いものがある」と述べた。
さらに、更生の可能性について「現段階では人間らしい感情は希薄で、もはや30代後半である被告が更生することは、極めて困難」と言及。その上で、死刑適用の是非を判断。「被害女児に落ち度はなく、性的被害にもあっている。被害者の数だけをもって死刑を回避すべきではない」とし、「被告自身の生命をもって償わせるほかない」と結論付けた。
公判では起訴事実にほぼ争いがなく、被害者が1人でも死刑が選択されるかが最大の焦点となった。判決は、死刑適否の判断基準「永山基準」に照らして被害者の数を「重視される要素」としながらも、犯行の悪質性や更生可能性をより重視、死刑判決を導き出した。計画性や前科がないとして無期懲役とした広島地裁の小1女児殺害事件判決(7月)とは、対象的な結果となった。